高校時代の3年間は、比較的穏やかな時間でした。それは、母が夜遊びで家にいる時間が激減したからです。 父は、母のことに関してはもう諦めていたのでしょう。夜中に母から「迎えに来て」と連絡が入れば、素直に車を出していました。 母が自分で帰ってくる時は、たいてい深夜3時ごろ。静まり返った住宅街に、コツコツと響くハイヒールの音――その音は今も耳に残っています。 私は相変わらず家事をこなしていましたが、母がいないだけで、「家って、こんなに静かで平和なんだ」と心からほっとしたのを覚えています。 本当は大学に進学したかったのですが、母からは「お金がない」の一言で却下されました。仕方なく専門学校へ進学しましたが…