北原雅樹:慢性疼痛診療におけるペインクリニックの役割. Brain and Nerve 75(3):235-241,2023 IASPの痛みの定義にあるように、医療者も患者も、「個人は人生の経験を通じて、痛みの概念を学ぶ」 われわれが人生で最初に遭遇し学ぶのは急性痛であり、痛みは急性痛の感覚として経験・記憶され、急性痛として対処される 人が慢性痛を経験するのははるかに後年であり、したがって、いざ慢性痛を経験したときにそれを急性痛と同様に捉えてしまうのはやむを得ないことである 痛みシステムはしばしば火災報知器にたとえられる 急性痛は火災報知器が正常に作動して、火(組織の損傷)に対してアラームが鳴…