作家
1965(昭和40)年、東京都稲城市生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。出産後、フリーの編集ライターに。妊娠・出産を主なテーマとし、その他女性の体や健康、漢方、占星術などについて雑誌や書籍で活動中。2009年、「ミクマリ」で第8回「女による女のためのR−18文学賞」大賞を受賞。好きな作家は、大江健三郎、宮内勝典、村上春樹、カズオ・イシグロなど。(新潮社ホームページより)
ふがいない僕は空を見た
これで船場さんとの関係がぷつりと切れた凧糸のように終わるとも思えなかった。けれど、その予感はあった。希里子も希穂もそうやって自分の前から姿を消したのだ。(窪美澄『夜に星を放つ』文春文庫、2025) こんにちは。昨夜、東京は三鷹にあるUNITE(ユニテ)で行われた『文豪と犬と猫 偏愛で読み解く日本文学』刊行イベントに参加してきました。宮崎智之さんと山本莉会さんよりも早く、 宇宙最速で会場一番乗り。 小学生を本好きにするためにはどうすればいいと思いますか(?)と職業病的な質問をしたところ、山本莉会さんからは「文学の敷居をもっと下げる」、宮崎智之さんからは「本を読む大人はカッコいい(!)って子どもた…
こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、窪美澄の衝撃作『ふがいない僕は空を見た』について語らせてください。この作品、タイトルからして少し儚げで青春っぽい印象を受けるかもしれませんが――実際に読んでみると、その想像を遥かに超えて、心の奥底を揺さぶられました。読後、しばらく空を見上げてしまったのは、きっと私だけじゃないはずです。 心を抉るリアリズムこの小説は、性や孤独、親との関係、自己嫌悪といった繊細かつ重たいテーマを、容赦なく、でも決して乱暴にならずに描いています。登場するのは、男子高校生、主婦、介護士、シングルマザー、教師……社会の中で「周縁」に追いやられがちな人々。その彼らが、時に…
筆者ご紹介 選書の理由 なかなかよい。こんな話 おわりに 筆者ご紹介 窪美澄氏は2010年に『ふがいない僕は空を見た』でデビュー。2022年の『夜に星を放つ』で167回直木賞受賞。そのほか各種文学賞受賞。 本作は2014年に発表された作品。 選書の理由 以前窪氏の作品『晴天の迷いクジラ』を読んで、余りにも自分のテイストと合わず、以降敬遠していた作家さんです。 で、老化の効果か、いい感じに前回読んだ作品も忘れてきて、再度チャレンジ?しようと購買に至ったものです(同じタイトルを買わなくって良かった)。 やはり、最近よく名前を聞くので、そらあ何か持っているんだろう、以前読んだものは「はずれ」なだけで…
新河岸川(川越)の桜見物。 3月30日㈰。曇り。Sさんは今日と明日、友人の女子たち4人で、「埼玉古墳(さきたまこふん)」に近い「茂美(もみ)の湯」温泉へ1泊で行く。 現地集合。 川越からクルマで1時間ちょっとくらいの距離──軽量の旅だ。 「茂美の湯」は、古い天然温泉で、日帰り温泉も利用できるけど、田舎芝居を見たりして、安い料金で宿泊もできる。 Sさんの友だち3人をわたしは二十代のころから知っている。若かった彼女たちも、いまは70代半ばになっている。 田舎芝居を見るのが似合う年齢になった(笑)。 ★ 川越・氷川神社の裏手、新河岸川で、Sさんにクルマで降ろしてもらう。わたしは別行動で「ひとり花見」…
★★☆☆☆ あらすじ 父親の再婚により、義理の母とその連れ子が加わった家庭で暮らすことになった女子高生。 www.youtube.com 志田彩良主演、鈴鹿央士・井浦新らが出演。窪美澄の同名小説を今泉力哉監督が映画化。115分。 感想 父親の再婚による家庭環境の変化や、同級生との淡い恋を通して主人公の女子高生が成長していく姿が描かれる。 主人公をはじめ同級生たちは皆心優しく、控えめで穏やかだ。自分の感情を表に出すことはほとんどなく、常に相手を傷つけないように気を遣っている。最近はこういうタイプの映画やドラマが多く、実際の若者の姿を反映しているのかもしれないが、あまりにも感情が見えなささ過ぎる。…
夜空に浮かぶ欠けた月たち (角川書店単行本) 作者:窪 美澄 KADOKAWA Amazon 本の紹介 著者 窪美澄 株式会社KADOKAWA 発行 2023.4 本の感想 民家風のメンタルクリニックのお話。そこに通う人と先生、近くの喫茶店の店員が主体で物語が進んでいく。優しい文章が疲れた心を包み込んでくれるような感じがした。 私自身心療内科に通っているので、初めて通う時の不安や薬に対する嫌悪感はとても納得できた。作中に出てくる椎木メンタルクリニックのような場所なら、通ってみたいとも思えた。 素敵な先生夫婦のメンクリに通った後に、ご褒美で純喫茶に行けたらなんて幸せなんだろうと思った。澪ちゃんの…
ははのれんあい (角川文庫) 作者:窪 美澄 KADOKAWA Amazon 本の紹介 著者 窪美澄 角川文庫 発行 文庫.2024.1 本の感想 タイトルにもある通り、母になった由紀子の結婚から出産、そして新しい恋愛を書いた一冊。母だけでなく息子も旦那も恋愛をする。子を持つ母親由紀子、長男として生まれ母を支え弟たちを見守った智晴の物語。 窪美澄先生といえば、素晴らしい感情描写や人間の生々しい部分を鮮明に書く有名作家だ。普段目を逸らしてしまうような出来事にも、じっくりと焦点を当てるので胸が締め付けられる時も多々ある。 そして、1人の母親でもある。 そんな著者が母親として生きてきたからこそ書ける…
朔が満ちる (朝日文庫) 作者:窪 美澄 朝日新聞出版 Amazon 本の紹介 著者 窪美澄 朝日新聞出版 発行 2021.7 本の感想 父の暴力が当たり前になった環境で育った主人公、史也。生まれて間も無く母親に捨てられた梓。2人が出会い、お互いの止まっていた時間が動き出す物語。 物語は虐待サバイバーとして育った史也の視点で進んでいく。父親からの暴力を耐え生き残った史也は、東京でカメラマンアシスタントとして働いていた。しかし、そんな史也は誰にも言えない過去の秘密に囚われながら生きていた。 本書のサバイバーは、生存者や遺族を指す言葉ではない。精神、身体的な虐待や災害などで心身に傷を受けても、なん…
読了本の記録です。 超怖い物件 ははのれんあい 窪美澄 震える天秤 染井為人 正義の申し子 染井為人 しばらく本屋さんに行けないまま 積読本が尽きました。 ゆっくり本屋さん巡りしたいな(*‘ω‘ *) azuazuazukina.hatenablog.com ランキング参加中読書 \読んでいただきありがとうございます/ にほんブログ村 ランキング参加中ライフスタイル ランキング参加中雑談 ランキング参加中Think<書くことは考えること> はじめましての方はこちらもどうぞ\(^o^)/ °˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖
ぼくは青くて透明で:窪美澄著(文藝春秋)のレビューです。 ☞読書ポイント 感想・あらすじ 合わせておすすめ ☞読書ポイント 児童書にBLが加わったようなテイストの小説。家族の形、親子の形、愛情の形を、登場人物たち各自の視点で語られる。異性愛、同性愛、本当の自分は誰と一緒にいたいのか。思春期の少年たちを通して「自分にとって本当の幸せ」を掴み取ろう。 ぼくは青くて透明で (文春e-book) 感想・あらすじ 窪さん、またまたチャレンジ?私的にはYAジャンルと感じましたが、今回はそこにBLが加わった感じです。時代の流れ、多様性が叫ばれる中、ぼちぼちこういう作品も出て来る予感はしていました。 今回は家…