人間の知というものは、思考や言葉によるものもありますが、それらも含めて身体に基づいていると言えます。思考や言葉はあくまで知を生成する事をアシストはしていますが、基本的には、身体に基づいています。 身体に基づいているというのは、例えば、行為です。身体を使って行為自体が、人間の知の生成につながっていると言えます。身体を動かす事で何かが為されるわけですが、すでにその「何か」を為す方法としての「知」がその行為に備わっているわけです。 歩くという行為も、人間が前に進んでいく為の方法であるとともに、すでに歩くという事自体が前に進んでいく知を備えているわけです。 箸を使う行為も、ペンを使う行為も、すべて人間…