言葉や図式として表現できないが、明らかに存在する知識。反意語は形式知。tacit knowledge。
例えば自転車に乗るということは複雑なテクニックや体感を必要とするが、練習すればだいたいの人が乗ることが出来る。 言葉で学ばなくても視覚的・体感的に覚えることで伝達される「職人技」もまた「暗黙知」である。
暗黙知の次元 (ちくま学芸文庫)
都会とは違うものさし 都会と田舎の2拠点暮らしをしていますがどちらにもよいところがあり順応できています。もとが地方出身ですからね。しかし昔は都会こそが素晴らしく価値があるみたいな情報ばかりでそれを本気にしたものの現実は違うと気づいた人も多いのでは。ドラマや映画の影響も大きかったでしょうね。華やかでおしゃれで便利なものとほど遠い暮らしをしていれば憧れは強まるばかりです。 高い家賃で狭い部屋に暮らし節約や収納でようやく作り出した余白に新しいものをどんどん詰め込む暮らしに飽きた人々が地方移住してうまくいっている例もあります。または人間関係や地域性が合わず戻ってくるケースも。 本当に大事なことはぐぐっ…
------講義録始め------- 今日の近代科学の発展のルーツや背景には占星術や錬金術が関係していたように、科学的発見にも何らかの相互作用があると言えます。知的創造には、セレンディピティ、インスピレーション、暗黙知といった天才的な人物のひらめきを契機とするものと、先人の知識に新たな要素を付加するというサムシングニューイズムという観点が共存します。これは、発明や発見において、探していないものが偶然見つかるセレンディピティや、多くの観念の組み合わせから有用なものを見つけ出すインスピレーション、あるいは経験を能動的に形成し統合する暗黙知(タシットナレッジ)が、天才的な人物のひらめきのきっかけとな…
知的創造とは、思想または感情を創作的に表現したもの、自然法則を利用した技術的思想の創作、物品の形状、模様もしくは色彩、またはこれらの結合であって、刺激を通じて感情を起こさせるものといった定義があります。しかし、それらは、知的創造された後のストック、いわゆるある一時点に存在する経済数量であり、知的創造のプロセスは、一定期間に生産され流動する経済数量とは異なる性質を持っています。知的創造には、発見、発明に対するインスピレーション、セレンディピティ、暗黙知といった捉え方があります。他方で、知的創造でも、先人の肩に乗って先を見通すという見方も存在します。つまり、先人の研究の成果の蓄積の上に新たな創造が…
センス 「センスは知識からはじまる」(水野学, 朝日新聞出版) を読んだ. 話の入り口は芸術系でも知識が有効ということだったが,メインの話題はセンスを形式知化 (言語化) するのが...『センスは知識からはじまる』水野 学 https://t.co/zJFdHRyDQn— Masahiro SAT0 (@satomshr) 2023年10月7日 私がこの本から得たのは, 下記である. センスを言語化 (形式知化) することの大切さ & センスは言語化 (形式知化) できる センスには賞味期限がある 企業として美意識を醸成することの大切さ 暗黙知 上の本を読み終わったのとほぼ同じタイミングで, …
暗黙知(Implicit Knowledge)は、個人が持つ知識やスキルのうち、意識化されずに行われる、言語化されにくい、または説明しにくい形態の知識を指します。暗黙知は個人の経験、直感、感覚、習慣、感情、身体的な技能など、さまざまな要素から成り立っています。 暗黙知は、言葉や論理的な形で明示的に表現されることが難しいため、他人に直接伝えることが困難な場合があります。例えば、自転車に乗ることや泳ぐこと、絵を描くことなどは、暗黙知の一例です。これらの活動は実際に経験しながら身につけるものであり、説明するだけでは完全には理解されません。 また、経験に基づく専門知識や職業上のスキルも、暗黙知の一部と…
AI ChatGPTの学習データ量から、今のChatGPTの現状などを考察してみようという記事です。まだ突っ込み所満載なのですが、お暇ならお付き合いください。 目次 1.ChatGPTの学習データ ChatGPTの学習データ量 世界の公開データ量と比べる 2.形式知と暗黙知から 世界のデータ内訳を推定する 形式知は全体の10% 3.形式知でAIが利用可能なデータ量 世界データの61%は画像データ? 4.おわりに 1.ChatGPTの学習データ ChatGPTの学習データは、インターネット上に公開されている大量のテキストデータを使用していると言われます。具体的な例として、Wikipediaやウェ…
【連続投稿1449日目】 「命がけでやっていますか。」 昨日ある勉強会に出て、講師から問いかけられました。つい先日も「時間は命~」と題した記事を書きましたが、それを思い起こさせる問いかけでした。 eitaroh7407.hatenablog.com 何かをやるにしてもそこには時間を費やすわけです。時間は命と考えたら命を費やしていることにほかなりません。しかし日々生活していると実はそのことをあまり意識していない。 だからこそブログで書きながらも「命がけでやっていますか」と問いかけられて、はっとしてしまう自分がいるわけです。 これはもう刷り込みするしかないと思っています。一度言われただけでは分から…
PDCAは品質管理や業務管理を継続的に改善するフレームワークとして広く知られています。 Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の4つの過程を繰り返して回すことで業務を継続的に改善していくもので、その効用についてはここで改めて書く必要もないでしょう。 しかし、万能のようなPDCAサイクルですが、うまく回らない、つまり改善につながっていないとお感じになっている方も少なくないのではないでしょうか。 私はこれまで、PDCAを回すうちに、「評価」から「改善」への過程で、どうしても評価の視点が近視眼的になってしまうのか、目まぐるしく変わる企業環境など周囲の変化に追い…
今日は久しぶりの出張で新幹線に乗りました。 車中ではゆっくりとする時間があったので、データ分析の必要性について思考を巡らせていました。 私の部署は先日ブログで少し書いたように、KKD(「経験」「勘」「度胸」)が重要視されてきました。この経験と勘は本当に重要だと思います。 でもこの経験と勘は暗黙知であり、暗黙知のまま先輩社員から後輩社員に引き継がれています。それこそ長時間をかけ、OJTにより自然継承されてきました。 当社の課題と言うより多くの会社の共通の課題であると思いますが、多くのベテラン社員の退職による技術、ノウハウの断絶に対応していくためには、この暗黙知を形式知に変換する事が重要となります…
”暗黙知”という言葉はたいていネガティブな文脈で使われます。 ”暗黙知”でGoogle検索すると、対義語の”形式知”について触れつつ「どうすれば暗黙知を形式知に転換できるか」についてのノウハウが書かれた記事がたくさん出てきます。 暗黙知(個人が持つ知識・ノウハウ)を形式知(文書・マニュアルなどに落とし込んだ他者が共有できる形のもの)に変えるメリットとしては、属人化の防止やスキルの伝達などがよく言われます。 しかし逆に暗黙知のほうが優れている点については語られているのは見たことがありません。 今回は『暗黙知を形式知化するのが常に正解というわけではない』というテーマについて書きます。 ======…
[要旨]稲盛和夫さんが京セラの社長時代に、社長印を経理部長に押してもらうようにしたそうです。ただし、社長印を押印する書類は経理部長は作成してはならないこととし、また、印鑑が入っている金庫の鍵は、経理部長以外に持たせるようにしたそうです。このように、稲盛さんに代わって社長印を押す場合は、単独でできないようにすることで不正が起きないようなしくみとしたそうです。[本文]今回も、前回に引き続き、稲盛和夫さんのご著書、「京セラフィロソフィ」を拝読して、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、稲盛さんは、京セラを起業する前に勤めていた会社で、先輩社員が器具を丁寧に洗っている姿を見かけたことがあ…
こんにちは!スマートバンクでUXリサーチャーをしているHarokaです。 私が所属しているプロダクト本部で、先日、第2回目の「自由研究会」が行われたのでレポート形式で紹介します! 自由研究会、2回目の開催! 今回は、プロダクト本部のみならず、マーケ・広報・経理など他部門のメンバーも混ざって実施しました!他職種がチームに入ることにより、アイディアの幅も広がりました。みんなが使いやすいオフィスにしよう、だったり、はたまた物理の財布を作ったり…?前回を超える枠組みで実施したプロダクト本部2回目の自由研究。 初回の自由研究会は予算立てを楽にする「AI FPくん」が選ばれましたが、今回は果たしてどのチー…
[要旨]稲盛和夫さんが京セラを起業する前に勤めていた会社で、先輩社員が器具を丁寧に洗っている姿を見かけたことがあるそうです。当初は要領が悪い人と感じていたそうですが、後になって、器具を丁寧に洗わないと、思った通りの製品をつくることができないということが分かりました。このように、現場にはたくさんの暗黙知があり、それを経営者が把握したり、会社内で共有する仕組みを構築したりすることが大切です。[本文]今回も、前回に引き続き、稲盛和夫さんのご著書、「京セラフィロソフィ」を拝読して、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、稲盛さんは、従業員の方に原価意識を持ってもらうために、ビスやナットなど…
暗黙知になりやすいシステムの障害対応が形式知として体系的にまとめられていてとても良かったです。障害対応レベルや対応フローなどの仕組み化が出来ていない組織では特に有用かと思います。また、後進育成を考えるインシデントコマンダーなどにもオススメです。内容は業界関係なく参考になりますが、SIer業界ならではの複数ベンダと障害対応をする難しさについても説明があり大変面白かったです。 本書籍の一つの特徴として、インシデントコマンダーの考え方が根幹となっている点が挙げられます。日本ではSRE本により広まった感じがありますね。インシデントコマンダーは障害発生時の意思決定者です。障害対応の方針を決め、全体を導き…
おはようございます!イトクラです!😊 今回は、チームリーダーがやるべきテクニックの一つ『SECIモデル』をご紹介します。 【ナレッジマネジメントとは?】 ナレッジマネジメントとは、個々が持っている知識やノウハウなどを、チームや組織全体で共有するための環境構築のことを指します。 チーム全体が他者の知識やノウハウを共有することで、生産性をグンと向上させることが可能になります。 そこで、まずは『暗黙知』と『形式知』というキーワードを覚えておきましょう。 暗黙知・・・個人の知識やノウハウ 形式知・・・言葉や文章で表現(共有へ) SECIモデルとは、みんなでこの暗黙知を形式知に変換して、各々がそこから自…
序章 プラトン以後、理論というものに寄せられた期待は過剰すぎるものだった。第三者的に物事を見下ろし、その様子をまとめ、未来を見通す一冊の本を完成させようという目論見は人々にとって刺激的な考え方だった。最初のページには誰の心の内を覗いても明らかな原理が書いており、それは一切の文脈とは関係のない無色のものである。彼らに対して、「そもそもその一歩目を踏み出すためにはこれが必要なのだ」と言っても甲斐はない。彼らはその背景に対してもやはり同じように理論を求め、そして同じようにそれぞれの頭の中、あるいは心の中を基礎に据え、それでいてやはり第三者的に世界を眺めている。私たちがどうしても認めなければならないの…
生活はつまらない。日記にしてもおもしろくない。そう思って5月から始めた私の日記。気づけば半年経っていた。 書き始めて気づいたのは、捨てるものの多さ。事実列挙が嫌で心の動きも含めたところ、ただひとつの事柄で数行にもなった。それをいくつも組み合わせ、1週間分にすると、「誰が読むんだろう、少なくとも私は読まない」長さのものができあがった。たくさんのおもしろいことを取捨選択した。日記はおもしろいことがあるから書くのではなくて、書くから、おもしろいものが見つかるんだと思った。 私と夫の日常をブログに載せると、生活がインターネットの波に飲み込まれるのではないか、思いがけない個人情報が出てしまうのではと心配…
はじめに 本記事は A Tester's Journey: A Time of Transition - Eight Months on a New Team を日本語訳したものです。 この記事は、著者のLisi Hockeが、新しいチームにJoinして8ヶ月間で起きたことを赤裸々に語っています。その中で、どのようにチームにフィードバックを促し、どのようにチームを変化させていったのかが詳細に語られており、大変良い記事だと感じたため、今回翻訳することにしました。 なお、元記事が長文なため、翻訳記事は計5回に分けてお届けします。 Joinする前のチーム状況 チームに入ってから8ヶ月間で起きたこと …
反動的な態度の例 1.冷戦体制 大きな政府と小さな政府 計画と自由 →20世紀初頭からソ連崩壊までに書かれた本には、はしがきに資本主義と共産主義の対立を念頭に置いた一文が置かれていることがままある。無意識に相手側が特に強調している価値観を否定しようとする向きがあったのではないかと疑ってしまっている。 https://www.amazon.co.jp/%E6%9A%97%E9%BB%99%E7%9F%A5%E3%81%AE%E6%AC%A1%E5%85%83%E2%80%95%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%8B%E3%82%89%E9%9D%9E%E8%A8%80%E8%AA%…
世界標準の経営理論についてまとめる。自分なりに各章をまとめるとともに、自分の考えも補足する形で整理した。800ページにおよぶ膨大な本となるが、このうち第一部~第四部の各種理論に関する内容のみをまとめた。(それでも600ページ以上に及ぶが)。まとめきれていない論点が多々あったり、また自分の理解のために記載を改めなおすことで正確性が失われている部分も多いが、あくまで自分の自己研鑽目的で作成したもののためご了承。 第1部 第一章 SCP理論 概要 自分としての考え 第二章 SCPを前提としたフレームワーク 概要 自分としての考え 第三章 RBV 概要 自分の考え 第四章 シュンペーター型の競争 概要…
今年98冊目読了。起業家、経営学者にして、ビジネス・ブレークスルー大学教授の筆者が、やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかたを説く一冊。 畏敬する先達が薦めていたので読んでみたら、なるほどこれは薦められることが納得だ。組織論を様々な方向からまとめ上げたらこうなるのか、という整理力がすごい。 本の目的を「知識社会にふさわしい組織のあり方を解き、変えるメソッドとして最新の組織論を体系化すること。組織の経済至上主義を変えて人々が幸せに生き、持続可能な社会を築くための組織基盤をつくること」と筆者は定義。 コロナ禍を受けての働く価値観の変化を「①能力発揮成果創出主義から、人の役に立つ自分らしさへ②会…
高校時代の友達に東工大に行った奴がいます。 今でも付き合いがありますが、 「まあ、でも東工大には勝ってるけどな(注意:知名度のこと)」 「うるせえよ」 みたいな会話を何回かした記憶があります。 もちろんこれは入試難易度が旧帝大より東工大の方が上であるという暗黙知があって成り立つ会話です。 入試難易度が逆だったら上記の会話をする意味がわかりません。 関東だと旧帝大(正確に言うと東大京大を除く地方旧帝大)も東工大も知名度はありません。。 早慶はもちろん、箱根駅伝に出てくる大学(例えば大東文化大)より圧倒的に知名度は低いでしょう。 そして、知名度がないことを旧帝大出身の自分も東工大出身の友達も認識し…
17時限目は、長野県事研の秋の全県研修大会でのプレゼンについて書きます。 2021年の新型コロナウイルスがまだ蔓延している時の研修大会です。当然というか、全員集合は難しいためオンラインによるビデオ講演でした。県事研から講演の依頼があり、専門家たちにお願いしていた全体講演に元事務職員の「えっ、私でいいのか?」というのが正直な気持ちでした。 現職相手となると、新人からベテランまで経験年数の幅があり、そして学校事務職員の職業意識度も経験年数に関係なく幅がある。15時限目の大学生、16時限目の新人学校事務職員に行ったプレゼンは焦点を絞りやすかった。それを考えると、現職600人相手に「何を伝えたいか」を…
本日、仕事でキャリア座談会という社内イベントがあった。先行き不透明な時代の中、大企業でシャブ漬けになることを不安視する若者に向けて、先輩社員が座談会形式で自分たちのキャリアパスについて語る会だ。 そこで、業務で身につくスキルをハードとソフトに分けて説明していたのが印象的であったため、この場を借りてちょっと紹介したい。まずそれぞれの定義なのだが、ハードスキルは資格や専門知識に裏付けられる形式知である一方、ソフトスキルはコミュニケーション力や調整力など、個人の経験に帰属する暗黙知である。またゲームに例えると、プレイする上で絶対必要なのがハードである一方、そのクオリティを左右するのはソフトとなる。 …