高齢者の健康を維持する上で、運動器の果たす役割は重要なポイントとなる。運動器とは、骨や関節、筋肉などを含む、体の動きを支える器官の総称である。これらの器官が連携して働くことで、私たちは歩く、立つ、座る、物を持ち上げるといった日常生活における様々な動作を行うことができる。 これらの運動器は、加齢に伴い徐々に機能が衰えていく。そのため、高齢期においては、健康維持のために運動器のケアを意識することが大切になるのだ。 まず、骨は体の支柱として体を支える役割を担っているだけでなく、カルシウムなどのミネラルを蓄える働きもしている。年齢を重ねるにつれて骨の密度が低下し、骨粗鬆症という状態になるリスクが高まる…