東京で「青葉」を食べたことがあった。最初は高校時代、弟と夜行バスで奈良からやって来たとき。中野の名画座で松田優作の『最も危険な遊戯』を観る前、美味いと評判だった青葉の本店に並んだ。だが、風邪気味だったせいもあるのか、その味に感動はなかった。二度目は、上京してから。新宿バルト9にあった支店で食べたが、それも満足するものではなかった。 そして今、東京を離れる前に三度目の正直として、錦糸町の青葉に来た。喧騒を抜けるまでもなく駅ナカの店で、改札を出ればすぐ。ラーメンは、近ければ近いほどよい。 錦糸町の喧騒に溶け込むように「青葉」はあった。凛とした佇まい。東京の街は、どこへ行っても時間が流れているようで…