漫画ナツ100(2007最終版)

 というわけで最終回。一昨日、昨日と分けてUPしたものの体裁を整え、キャラ編を追加しております。


 *集計用はこちら。一覧だけ見たい人もこちらのページをご覧下さい。


 企画主は「酔拳の王 だんげの方」さん。この漫画ナツ100という企画は去年もやっていたのですが、去年は参加できず残念だったので今年は記事を見つけた瞬間に選定を開始。無事締め切りに間に合いました。(企画トップページはこちら

 で、今年はマイナー漫画を100個との事で、企画自体にちょっとした縛りがありました。
 そのルールとは、

・少年週刊ジャンプ 少年週刊サンデー 少年週刊マガジンで連載していない漫画

 (過去・現在にわたって連載していた漫画は駄目です。 雑誌を移ったものに関しては発行巻数で判断です。)

・連載中、連載終了どちらでもOK

・最低ラインは30個です。(100個選べない人用)

・前回の100位以内に入ったものはノーカウント(選んでもらってもかまわないですがカウントはしません)

・あなたの好きなキャラクター 10人 (これはどの雑誌でもOKです)

 との事。まーでも折角だから(?)自分ルールも導入して企画を目一杯楽しんでやろう、と。
 
 そんなわけで自分ルール。

・一作者一作品限定。

・柔硬・今昔とりまぜた選定を。

・規定に合う中でもメジャー寄りのものとマイナー寄りのものの両方を。

・ジャンル別に分け、1ジャンルに偏らないように。


 それでは私が選んだ「漫画ナツ100(マイナー編)」、暑苦しい事に全作品にコメント付きでお送りします。

 はっきり言ってかなり長いので、覚悟を決めてから読んで下さい。ではゴー。


漫画ナツ100(マイナー作品100編)


<ジャンル:ギャグ漫画>クソ暑い夏を笑い飛ばせ!



カラスヤサトシカラスヤサトシ
  作者のイタい話を綴った実録漫画。的確に描かれたリアルオタクのイタさが共感と笑いを誘います。ナンパなチョイオタはカラスヤに土下座だ。


・がんばれ酢めし疑獄!!(施川ユウキ
  「何か笑える漫画ない?」と聞かれて最初に貸すのがコレ。パロディに依らない言葉の力だけで笑わせる稀有の才能を持った人です。


・岸和田博士の科学的愛情(トニーたけざき
  とにかくハイテンションで突き進むバカ漫画(褒め言葉)。でもその裏に哲学的なテーマが良い塩梅で仕込まれてます。


ギャグマンガ日和増田こうすけ
  独特のノリで笑わせる恐るべき破壊力。今学生じゃなくてホントに良かった。松尾芭蕉とか小野妹子とかテストで出たら間違いなく吹くよ俺。


・グルームパーティー(川島よしお
  何ともいえない味のあるギャグ漫画。この人の投げっぱなし感あふれるギャグは結構好き。


ケロロ軍曹吉崎観音
  キャッチーなキャラとオタクネタの絶妙な配合。アニメ版よりも漫画版の方が毒が多くてグッドです。


サルまん相原コージ竹熊健太郎
  漫画教室の体裁をとった爆笑最終兵器。漫画好きほど笑える仕掛けが盛りだくさんのギャグ漫画の金字塔です。


・じみへん(中崎タツヤ
  地味な笑いの中に人生のワビサビが。絵に癖があるけど、それが気にならないなら是非。


・進め!聖学電脳研究会(平野耕太
  「ヘルシング」の平野耕太の初期傑作。想像を絶するセリフ回しで繰り出されるゲームネタは破壊力抜群。お腹がよじれ切れる覚悟完了してから読め。


・スペースアルプス伝説田丸浩史
  高校の登山部を舞台に描かれるドタバタギャグはひたすら下らなくて死ぬほど笑えます。コレで一気に田丸ファンになりました。


男爵校長(OYSTER)
  「あずまんが大王」系の4コマ。最近キャラが立ってきて面白くなってきました。たまに入るちょっと良い話も良い出来。


チャッピーとゆかいな下僕どもながいけん
  「モテモテ王国」のながい閣下の初期傑作。中学生の時にコレを読んだ衝撃は忘れられません。


デトロイト・メタル・シティ若杉公徳
  超人気メタルバンドのリーダーは本当は気弱な男の子。主人公の二重人格っぷりと受難を悪魔的言語センスで綴った笑殺の黙示録。笑い死んだら地獄でクラウザーさんと握手!


・はまり道/ニューはまり道(吉田戦車
  任天堂好きほど陥穽に嵌る恐るべきゲームネタの数々。あの宮本茂に「笑っちゃいけないんだけど笑ってしまう」と言わしめたゲーム漫画の傑作。


○本の住人Kashmir
  変な人に囲まれた眼鏡っ娘小学生の日常を描いた4コマ。ドタバタの裏に独特の寂しさと暖かさがある作風はハマれば脱出不可能。


・陸軍中野予備校(安永航一郎
  この作品と「県立地球防衛軍」で安永航一郎の芸風は確立され、未だにそれは変わらない。この人のギャグは他の追随を微塵も許さない特A級の下らなさ。だがそれがいい


・漢式青春ばくはつ劇場(美川べるの
  久しぶりに腹筋が痛くなるほど笑った傑作。漫画・ゲームネタを絶妙なテンションで料理する腕前はまさに特級厨士。ただし味付けは主に毒。




<ジャンル:怖い漫画>クーラーがぶっ壊れた!そんな君はコレで納涼(強引)


座敷女望月峯太郎
  女ストーカーを描いたマジで怖い漫画。この春一人暮らしを始めた人に特にオススメ。夜の来訪者にビクつく事請け合いです。


童夢大友克洋
  基本はサイキックアクション物なんですが、「日常の裏側の怖さ」が滲み出てくる名作。


ねこぢるうどん(ねこぢる
  欝だね。この人の漫画はホント欝になれるね。きっとそれは現実世界の戯画化だから、より鬱になれるんだね。


・ハッピーピープル (釈英勝)
  日常の裏に潜む狂気と恐怖を描いた連作。リアルな人体の描写が恐怖を加速させる傑作。




<ジャンル:恋愛漫画>夏と言えば恋!リアルでも漫画でも可!夏だからな!(意味不明)


イエスタデイをうたって冬目景
  幼馴染への片想いと天真爛漫な娘からのアプローチに揺れる主人公を描いた恋愛模様。とにかくハルが可愛くてたまりません。


・ういういdays (犬上すくね
  高校生の初々しい恋愛を描いた作品。とにかく微笑ましい描写の雨あられで、思わず頬が緩んでしまう。読む時は周囲にご注意を。


ななか6/17八神健
  ハートウォーミング系ラブコメ。主人公の「ななか」よりもライバルの雨宮が悶え回る程可愛い。委員長・優等生属性の人はコレを読まないと人生損します。


・WORKING!(高津カリノ
  ファミレスを舞台にしたコメディ4コマなんだけど、3巻の伊波さんが可愛すぎるので恋愛漫画として認定。グッジョブ。




<ジャンル:戦争漫画>夏。日本人の多くが戦争について考える季節。


アドルフに告ぐ手塚治虫
  第二次世界大戦時に生きた3人のアドルフの物語。戦争で狂っていく人間の愚かさと哀しさを描ききった名作。


・石の花(坂口尚
  ずしりと重い戦争漫画。にもかかわらず全5巻一気に読ませるストーリーテリングの巧さに脱帽。


・ザ・コクピット松本零士
  二次大戦の戦記物連作。信念を持って戦う男達の生き様、死に様が心を震わせる傑作。これは戦争賛歌ではない。人間賛歌だ。


紫電改のタカ(ちばてつや
  撃墜王を描いた戦争ヒーロー物かと思いきや、中盤から強烈に描かれる反戦メッセージ。滝一飛曹の叫びはそのままちばてつやの叫びだ。


・蒼空の咆哮(滝沢聖峰
  二次大戦を舞台に描かれる戦記もの連作。巻末に掲載された8Pの短編「雷鳴」を読むだけでもこの漫画を買う価値はある。




<ジャンル:痛快・爽快な漫画>時間を忘れて漫画世界に浸れる作品を集めました。



あまいぞ!男吾(Moo.念平)
  コロコロに載ってたドタバタ+人情物の学園ストーリー。主人公の男吾を始め、漫画全編がとにかく元気満点。爽やかな読後感の良作です。


王ドロボウJING熊倉裕一
  何でも盗む快盗を描いたアクション物。アメコミ調のディフォルメと陰影を強調した絵は美麗の一言。絵を眺めているだけで楽しい良作です。


・おまかせ!ピース電器店能田達規
  発明家一家の電器店を軸に描かれるコメディ漫画。作品全体がとにかく楽しい雰囲気で、読後に「あー面白い漫画読んだなー」と思える傑作です。


・光路郎(村枝賢一
  「RED」は知名度高いんで敢えてこちらを。暖かい話が多い型破り教師物。村枝漫画の底に流れるアツさと優しさの原点がここにあります。


シャカリキ!曽田正人
  夏って事で敢えて暑苦しい漫画を。自転車レースに燃える高校生達を描いた、異常にアツい名作です。コレで燃えなくてどーするよ男の子!


・週間石川雅之石川雅之
  「もやしもん」が面白いのは、この人がこれだけ多い引き出しを持ってるからだと確信できる短編集。全10編、どれも退屈させません。


湘南爆走族吉田聡
  不良漫画の永遠の金字塔。ギャグ漫画としても最高に面白いし、青春物としても素晴らしい出来。完全版も出始めたし、集めるなら今でしょ。


ディアスポリスすぎむらしんいち/リチャード・ウー)
  松田優作の「探偵物語」風の刑事物。コメディとシリアスのバランスが絶妙で、グイグイと物語の中に引き込まれてしまう。


・DearMonkey西遊記(白井三二朗)
  文句無く面白い冒険活劇。こんなに熱い西遊記は見たこと無い。「ジョバレ」の頃は単純に絵買いだったけど、本作で化けたねこの人。


へうげもの山田芳裕
  数寄者(茶器等を好む趣味の人)を主人公に描かれる、一風変わった戦国時代物。生き生きと描かれた武将達がとにかく痛快。漫画の面白さここにあり。


・要塞学園(ヒロモト森一/鳴海丈)
  勢いのある描写、勢いのあるキャラ、勢いのある物語。全7巻脳髄痺れっぱなしのマンガドラッグ。頭の栓をカッ飛ばしたい時に読め。


ワイルド7望月三起也
  無法者には無法者を!凶悪犯罪者を処刑する破天荒な特殊警察を描いたアクション物。緻密なストーリーと個性溢れるキャラは30年経った今でも色褪せません。




<ジャンル:メカ・SF漫画>ロボットやSFが大好きな大きな男の子にはコレ。



・UNDER THE GUNDAM(うしだゆうじ)
  「MJ(模型情報)」に連載されてた激熱ガンダム漫画。連載版のラストが好きで、未だに掲載誌持ってます。


・EATER(うすね正俊)
  地球にやってきた異星人達のバトルアクション。銃器+クリーチャーの描写が凄い。続編読みたいなあ。


銃夢木城ゆきと
  サイボーグの少女「ガリィ」が主人公の近未来バトルアクション。とにかくアクション描写と緻密な設定が凄い!


・空想科学エジソンカサハラテツロー
  「ライドバック」のカサハラテツローが贈るSF冒険活劇。ギミックとかガジェットといった言葉に反応するメカオタには堪らない漫画です。


鉄のラインバレル (清水栄一/下口智裕)
  ロボット!メカ!少年少女!熱血!あと何が必要なの?小難しい事は夜空の彼方にぶっ飛ばして、王道ロボットアクションを楽しみましょう。


・TACHYON FINK樹崎聖
  バイオテクノロジーとか科学用語を盛り込んだSF短編。全1巻で綺麗にまとまってる良作。


電人ファウスト上山徹郎
  ロボットに狙われる少女と、彼女を守護するサイボーグの物語。敵味方含めてメカデザインが非常にグッドです。


東京クレーターのアカリ磯本つよし
  明るい主人公、魅力的なメカ、後味の良いストーリー。これだけ揃ってるのに余り知られて無い作品。読んどいて損は無いよ。




<ジャンル:考えさせられる漫画>時間のある夏休み、これらを読んで思索に耽ってみては?



・ありがとう(山本直樹
  冒頭からレイプシーン。山本直樹のダークサイド本領発揮の鬱漫画。しかし嫌悪感だけでなく、暴力と家族のあり方について考えさせられる作品。


イキガミ間瀬元朗
  国家からランダムで配布されるイキガミ(逝き紙)を受け取った人は24時間以内に死ぬ。罪も無いのに死を宣告された人々の最後の一日を描く人間ドラマ。


・ICHIGO−二都物語−(六田登
  戦後の高度成長期を舞台に、一期(いちご)という殺人鬼を描いた作品。重くて暗いけど、六田作品では一番好き。


ザ・ワールド・イズ・マイン新井英樹
  圧倒的な暴力描写。その裏側に隠された「愛すべき世界」への渇望。流れる血を慟哭の涙に置き換えた時、この漫画の見え方は反転する。


シートン谷口ジロー
  良い原作を良い漫画家が描くとこうなる、という好例。特に1巻の「狼王ロボ」は少年時代に読むのにふさわしい定番の名作。


絶望に効くクスリ山田玲司
  山田玲司が絶望の日本を救う為に色々な人に話を聞くノンフィクション対談物。出てくる人出てくる人、皆良い事言うんだコレが。マジで元気出る漫画です。


忍者武芸帳白土三平
  物語の面白さ、深さともに一級品。カッコ良さと哀しさが同居した忍者の魅力溢れる傑作です。


リバーズ・エッジ岡崎京子
  川に近い町に住む高校生の少年少女達。ちょっとずつ狂った歯車は、やがて悲劇の連鎖を生む。痛くて重いのに、物語の底に流れる優しさが沁みる名作。




<ジャンル:アクション漫画>銃や肉弾戦はもちろん、あんなものまでアクションに?



いばらの王岩原裕二
  孤島からの脱出劇を描いたホラーアクション物。B級映画的になってしまった後半がちと残念だが、全体的に見れば良く出来たエンターテインメント作品。


GUN SMITH CATS園田健一
  銃器工(ガンスミス)の二人の女性を主人公にしたアクション物。映画のような展開と魅力的なキャラで読ませるガンアクションの傑作。


攻殻機動隊士郎正宗
  TVアニメも映画も面白いけど、原作世界の濃さは異常。未読の人は近未来サイバーアクションの原点にして頂点を是非。


シグルイ山口貴由南條範夫
  臓物飛び交う残酷無残チャンバラ劇。しかしそこから見え隠れする彼らの狂気に等しい情熱は読者の心臓を灼きつくす。喝を入れたい人は読むが吉。


・ジャバウォッキー(久正人
  何?トンデモ学説を交えた痛快なバディ・アクションが読みたい?ならばジャバウォッキーを読め。絵に抵抗が無いなら、そこは既に約束の地だ。


砂の薔薇デザート・ローズ新谷かおる
  「エリア88」が去年ランクインしてるんでこちらを。女性ばかりの傭兵部隊を描いたアクション作品。ラストのどんでん返しは素でびっくりしました。


TRIGUNTRIGUN MAXIMUM内藤泰弘
  西部劇の荒野に似た未来の植民地星を舞台にした超絶ガンアクション。ハッタリの効いた構図で目を引き、テーマ性で心を引き込む素晴らしい出来。カッコいいガンマンを見たければコレははずせない。


ドロヘドロ林田球
  血しぶき溢れるアクションとコミカルな部分が産み出す独特のドロヘドロ世界。主人公じゃないけど、煙ファミリーが異常に良い味出てます。


鋼の錬金術師荒川弘
  言わずと知れた大ヒット冒険活劇。意外にも前回のナツ100で入ってなかったんで一応上げときます。完成度が高い良作。読んで損なし。


バガボンド井上雄彦
  チャンバラですね。哲学っぽい所もあるけど、詰まる所チャンバラ好きなんですよ。どいつもこいつも。良い仕事してます。


ハチワンダイバー柴田ヨクサル
  将棋なのにアクション扱い?そんな馬鹿な!と思った人は百聞は一読に如かず。こんなに血沸き肉踊る将棋漫画は初めてだ!


Pumpkin Scissors岩永亮太郎
  大戦後、戦災という名の戦争を戦う部隊を描いたアクション物。キャラの魅力もテーマ性も良く出来ていて新人とは思えない完成度。


ブラック・ラグーン広江礼威
  東シナ海の現代の海賊を描いたガンアクション物。セリフ回しもストーリーも俺のツボ直撃。特に双子編の完成度はピカイチ。キャラ的には地獄メイドのロベルタちんが最高です。


無限の住人沙村広明
  トンデモ武器が出てきたり見開きで見得を切った殺陣を見せてくれたりする素敵なチャンバラ漫画。最近失速気味なのがファンとしてはちと辛い。




<ジャンル:物語が面白い漫画>ストーリーが秀逸な作品を集めました。



栄光なき天才たち森田信吾/伊藤智義)
  不遇の天才を描いた連作。「才能だけでは天才にはなれない。情熱を失わなかった者だけが才能を開花させる資格を得る」という真っ直ぐなテーマが清清しい。


・王道の狗(安彦良和
  「王道」を行く主人公と「覇道」を行くライバルを描いた骨太な作品。全4巻とは思えない圧倒的な濃さ。漫画の面白さが詰まった良作です。


俺節土田世紀
  歌手を目指す男を描いた漫画。頭の天辺からつま先までアツい連中が織り成す物語は読者の心もアツくする。


サンクチュアリ(史村翔/池上遼一
  漢前(おとこまえ)を描くのはこの二人のお家芸。加えてこの作品は物語性、テーマ性ともに高い水準でまとまってる傑作です。


鉄コン筋クリート松本大洋
  架空の町「宝町」を縦横無尽に飛び回る少年「シロ」と「クロ」の物語。ある普遍的なテーマを幻想的な物語に乗せた名作。


・茄子(黒田硫黄
  茄子をテーマにした連作。どの話も物語の面白さにあふれかえってます。黒田入門には最適の全3巻。


・なつのロケット(あさりよしとお
  ナツ100といって最初に思いついたのがコレ。かけがえのない少年時代の夏を閉じ込めた名作です。


人魚の傷人魚の森高橋留美子
  高橋留美子作品でめぞん一刻の次に好きなのがこの人魚シリーズ。怖い中にも人間の哀しさが伝わってくる名作です。


パイナップルARMY浦沢直樹工藤かずや
  元傭兵の戦闘インストラクターが主人公のアクション物。浦沢お得意のちょっといい話を織り込んだ名編ぞろいの良作。キートン好きならこっちも読んどけ。


ヤマタイカ星野之宣
  邪馬台国のルーツを探る伝奇物。この人のストーリーテリングの巧さは異常。全6巻なんて微塵も感じさせないで一気に読んでしまいます。


・山猫の夏(柳澤一明/船戸与一
  ある南米の町に「山猫」と名乗る男が現れた。その日から平凡な生活を送っていた主人公は凄絶な抗争に巻き込まれていく。主人公が男らしくなっていく様がカッコイイ快作。




<ジャンル:暖かい漫画>素晴らしい読後感の漫画を集めました。優しくて暖かい名作ばかりです



アタゴオル物語(ますむらひろし
  幻想的で暖かい世界を描いた極上のファンタジー宮沢賢治しかり、こういう空気を出せるのは何故か皆東北出身者だったりする。


・岳(石塚真一
  山岳救助に従事する主人公を軸に、山の魅力と怖さをリアルに描く物語。山と人間が大好きな作者が、漫画という表現手段を持っている事に素直に感謝したい。


金魚屋古書店芳崎せいむ
  漫画好きを描きながらも単なる薀蓄漫画にしないで、人情あふれる暖かい話を描くのが素晴らしい。前作「金魚屋古書店出納帳」も是非。


神戸在住木村紺
  神戸に住む大学生達を描いた作品。基本は癒し系の暖かいお話なんだけど、たまに刺さるようなキツい話が入る。それがまた良い出来だから堪らない。


・死神くん(えんどコイチ
  いつも命令違反を繰り返す優しい死神を主人公に、一話完結方式で描かれる心温まる物語の数々。何度読んでも泣けます。


・少女・ネム木崎ひろすけ/カリブ・マーレイ)
  登場人物は皆ネコ型人間。漫画家を目指す少女ネムの物語。どこか幻想的な絵が非常に好きでした。作者夭折の為未完。


・スケッチブック(小箱とたん
  高校の美術部を舞台にした癒し系4コマ。葉月の所帯じみたネタがツボ。おでこちゃん好きだしな。


・菫画報(小原槇司)
  高校の新聞部を舞台にした学園コメディ。小原槇司のどこかレトロな魅力のある作風は、ハマる人にはたまらない。


・だって愛してる(むんこ)
  凸凹夫婦の生活を描いた4コマ漫画。誰かに想われる事、誰かを想う事…そんな「日常の暖かさ」をしっかり描いた感涙必至の名作。万人にオススメできます。


・ディーン・ティーン(川野ゆーヘー)
  元いじめられっ子の主人公を描いた、マイナーだけど非常にアツい漫画。ラストシーンで心が震えない奴は男の子なんてやめちまえ。


・Dr.クマひげ(ながやす巧/史村翔)
  泣ける良い話てんこ盛りの町医者物。ちょっと古いけど、探して買っても損は無い名作です。


働きマン安野モヨコ
  色々な働きマン(サラリーマン)を描いた漫画。読後に働く気力が沸いてくるのは、作者が働くという事を真摯に描いているからに他ならない。


・はれた日は学校を休んで(西原理恵子
  思春期の悩みや寂しさを叙情的に描いた短編集。読んでいるとあの頃の気持ちを思い出して、寂しくも暖かい気持ちになれる名作。


・プー一族(大橋ツヨシ
  無職(プー)の4人を描いた4コマ作品。大橋ツヨシ独特の「つまはじき者の暖かさ」を裏側に隠したコメディは、最後に感動のラストを迎える。


ふたつのスピカ柳沼行
  宇宙飛行士を目指す少年少女を描いた作品。どこか懐かしくて暖かい良い話に単純に泣けます。


南くんの恋人内田春菊
 南君の彼女「ちよみ」が突然小さくなっちゃった!ドラマ化して知ってる人もいるでしょうけど、ラストはマジ泣き必至です。


もっけ熊倉隆敏
  色々な物の怪(もっけ)を小道具に、静流と瑞生の成長に軸足を置いて描かれた本作。彼女達が悩みながらも真っ直ぐに成長する様が見ていて気持ち良い良作です。






 以上、全100作品。以前も書いたとおり1〜100位を集めたものではなくて、出来るだけ満遍なく100作品を紹介する、と言うのが自分テーマです。

 その割にはアクションとかギャグ漫画が多いよね。つーかメカ物って本来アクションだよね。あと暖かい漫画が多めなのもなんか偽善者っぽくていやらしいよね。まあ偽善者なんですけどね(オイ)。

 とか何とか言いながらお次はキャラ編。



漫画ナツ100(好きなキャラ10編)


・野中晴(イエスタデイをうたって
  ハルちゃんは俺の嫁


・雨宮ゆり子(ななか6/17
  雨宮は俺の委員長


・八重樫葉(羊のうた
  八重樫さんは俺の彼女


・乙橘蒔絵(無限の住人
  蒔絵姐さんは俺の用心棒


・ロベルタ(ブラック・ラグーン
  ロベルタちんはウチのメイド


・村岡薫子(ういういdays)
  薫子は俺の遠恋相手


・寺田街子(だって愛してる)
  街子さんは俺の嫁


間黒男ブラック・ジャック
  BJは俺の理想


・ヒョウ(うしおととら
  ヒョウさんは俺のアニキ


・ニコラス・D・ウルフウッド(TRIGUNTRIGUN MAXIMUM
  ニコ兄ィは俺の超兄貴(待て)




 嫁が二人いるのでアウト。その他諸々アウト。








 というわけでお送りいたしました「漫画ナツ100」、いかがでしたでしょうか。昨年やった『「あ〜ん」を好きな漫画で埋める』とダブる作品が多いのはご愛嬌。逆にダブっている作品はそれだけオススメと思っていただければ。


 ここまで長文にお付き合いして下さった方々、「この作者ならコレが入ってないと嘘だろー」とか「馬ッ鹿オメェわかってねえなー、面白い漫画ってのはこうだろ?」とか「自分のナツ100とダブってる作品が多いんで…わ…私のも…ちゃんと…見て欲しいな…*1」とかありましたら、コメントとかあなたの漫画ナツ100へのリンクを残して頂けると感謝の極み。

 だって漫画好きな人が思う事はきっとみんな同じ。

 「面白い漫画が読みたい!」なのですから。



 アツい夏はこれからです。

*1:誤解される書き方をするな