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2014-11-23

なぜ消費税増税延期と解散総選挙が連動したのか

23:26 | なぜ消費税増税延期と解散総選挙が連動したのかを含むブックマーク

11月18日、安倍総理は消費税の10%への引き上げを来年10月から1年半延期し、17年4月からの増税とすることを表明しました。また、同時に衆院を解散することを表明し、21日に衆院は解散され、12月14日に衆院選を行うことになりました。*1

その前日の17日に発表された7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は、事前の民間予測を大きく下回る年率換算1.6%減となっていて、消費税増税による景気後退の凄まじさを示したばかりでした。

この状況で消費税を再増税することは無謀としか言いようがなく、延期を判断したのは当たり前のことでしょう。ただし、これまでの政権ではしばしば当たり前のことが行われなかった事を考えれば、安倍政権の決定は賞賛されるべきだと思います。

 17日に発表された7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値が、事前の民間予測を大きく下回る年率換算1.6%減となり、国内のみならず海外にも衝撃が走っている。米国の著名な経済記者デイビッド・ウェッセルはツイッターで「リセッション(景気後退)!」と書いた。経済統計的にも2四半期続いての成長率の落ち込みはリセッションとなり、ショックを受けた東京株式市場でも日経平均株価の終値が前週末比517円03銭安の1万6973円80銭にまで落ち込んだ。

 かねてから財務省や同省と近しい政治家、エコノミストたちは、「4月の5%から8%への消費増税による成長率反動減はせいぜい夏前までに終わり、その後日本経済は回復経路に乗る」と楽観的な見通しを示し、来年10月に予定される10%への再増税を正当化していた。しかし今回の実質GDP大幅減は、そのような楽観的な見通しがいかに間違ったものかを明らかにした。


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しかし、消費税増税延期は分かるとしても、なぜ同時に解散を行う必要があるのか、疑問に思っている方も多いと思います。

実はこのブログでは、昨年9月の消費税を8%に上げるかを判断する前の時期に、増税を延期するには解散総総選挙が必要だと書いたことがありました。

このように、自民党内部が消費税増税賛成一色では、安倍総理もその声を無視するのは難しいでしょう。

かつて、小泉総理は、自民党内部が郵政民営化反対一色の状況で、あえて郵政民営化を公約にして解散総選挙を行い、反対派を離党させて「刺客」候補を立てて追い詰め、その結果大勝しました。安倍総理が消費税増税反対を貫くのであれば、同じ事をやる覚悟が必要になるでしょう。

ただ、今は野党がボロボロの状況ですし、世論調査では消費税を8%に上げることについては反対の方が多いですから、そこまでやっても安倍総理は勝てるでしょう。ただ、その覚悟が安倍総理にはないのでしょう。

だから総理は増税実施に傾いているのだと思います。


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この記事にも書いたように、自民党内部は元々財務省の影響下にある増税派が多数派で、増税に反対する勢力は少数派です。連立を組んでいる公明党も似たような状況でしょう。僕はこのような状況を打開して増税を止めるためには、郵政解散のような手法で強引に総理の言うことを聞かせるしかないと考えていました。

今回、11月に入ってから急に解散があるという観測が広がり、これまで予定通りの増税を主張していた議員達が一人残らず増税延期に賛成してしまったのは、まさにこの見方が正しかったことを裏付けていると思います。

今回の解散については様々な内幕記事が出ていますが、いずれも総理官邸と財務省や増税派の議員達の間で対立や政争があったことが書かれています。このような反対を押さえつけるための解散だったと言って良いでしょう。

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ただ、今回の増税延期で一つだけ残念なのは、今回の増税延期の根拠となった景気条項の削除が決定されてしまい、今後は経済状況によって増税を延期することができなくなりそうなことです。大きな金融危機や大災害が起こったときは新規立法で延期すると安倍総理は言ってますが、今回の消費税増税による景気後退の大きさを考えると、2年半後に一度に2%も上げて大丈夫なのか、不安が残ります。

 安倍晋三首相は18日夜、首相官邸で記者会見し、2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げを1年半延期し、17年4月に変更するとともに、21日に衆議院解散・総選挙に踏み切る意向を正式に表明した。17日に公表した7〜9月期の実質国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となったことや、有識者による政府の点検会合での意見などを踏まえて最終判断した。ただ「再び延期することはない」と断言した。

 17年4月の再増税に関しては「(経済情勢を踏まえて増税の可否を見極める)景気判断条項を付すことなく確実に実施する」と表明。2020年度の財政健全化目標は「しっかり堅持していく。来年の夏までにその達成に向けた具体的な計画を策定する」と述べた。


首相、消費再増税「景気条項付すことなく確実に実施」1年半延期で :税金HOTニュース :年金・保険・税 :マネー :日本経済新聞 首相、消費再増税「景気条項付すことなく確実に実施」1年半延期で :税金HOTニュース :年金・保険・税 :マネー :日本経済新聞 首相、消費再増税「景気条項付すことなく確実に実施」1年半延期で :税金HOTニュース :年金・保険・税 :マネー :日本経済新聞

 安倍晋三首相は18日夜、TBSの報道番組に出演し、将来リーマン・ショック級の金融危機や巨大な天変地異が発生して消費税率10%引き上げを再延期する場合、「国会で議論して法律を新たに出す。めったに起きないが、そうなったらやるのは当たり前だ」と述べた。

 首相は、消費税再増税の1年半延期と同時に、経済情勢が悪い時に消費税率引き上げを先送りできる消費税増税法の景気条項の削除を表明した。同番組では「今回のような景気判断をして先送りはしない」と語った。


時事ドットコム:金融危機なら増税再延期=法改正で対応−安倍首相 時事ドットコム:金融危機なら増税再延期=法改正で対応−安倍首相 時事ドットコム:金融危機なら増税再延期=法改正で対応−安倍首相


また、今回の選挙で与党が大きく議席を減らした場合、増税派の議員達もすでに賛同してしまった増税延期を覆すことはできないでしょうが、その代わりに倒閣運動が広がる可能性もあります。前回の記事にも書いたように、今後、日銀にリフレ政策に賛同する審議委員を送り込むためには、安倍政権が存続する必要がありますから、今後も安倍総理が与党内部を掌握できるかが焦点となるでしょう。


今回は解散総選挙について論じてきましたが、ここまでの話で出てきたのは与党内部や財務省との対立の話ばかりで、野党の話が全く出ていません。今回の選挙は与党が議席をどれだけ減らすのかは注目されても、野党がどれだけ議席を増やすかはほとんど注目されていません。

2012年の年末、民主党政権が崩壊して安倍政権が誕生した頃に、僕はこんな記事を書いたことがあります。

このように振り返ってみると、リベラル左派政権だったはずの民主党政権は、結局リフレ政策に否定的で、消費税増税を進めて、リーマンショック以降の日本経済を衰退させてしまいました。一方で、自民党の中でも右派と言われる安倍氏は、リフレ政策を推進し、消費税増税にも慎重です。

しかし考えてみれば、リフレ政策そのものは需要管理政策ですから、本来はリベラルな政策だと言えるでしょう。アメリカでも、この政策を理論づけたポール・クルーグマン教授は、リベラル派の代表的な学者です。

ところが日本では、リベラルな政策のはずであるリフレ政策や公共事業を右派が推進するという、ねじれた構図になっています。

なぜこうなってしまったかと言うと、日本ではリベラル・左派の経済学に対する無理解があまりにも酷く、その影響を受けていた民主党の議員達が、財務省や日銀の説明をあっさりと受け入れてしまったのでしょう。id:finalventさんが今日のブログで日本のリベラルや知識人を批判していましたが、僕もそれに同感します。


(中略)


一方、右派は中国や韓国の台頭に対する危機感もあって、日本経済の立て直しを本気で考えざるを得なくなり、リフレに好意的になってきたのだと思います。安倍総理自身は前回の政権の頃から、高橋洋一氏を起用するなどリフレに近い立場でしたが、最近はそれが右派に広く広がってきたように思います。

安倍政権のような右派政権は、生活保護などの社会保障削減や、教育政策にトンデモな考え方が入り込む、マンガやアニメなどの表現規制が強まるのではないかという懸念もあるので、一概に歓迎ばかりもできないのですが、ここまでリベラル・左派の経済音痴が酷いと、他に選択肢がなくなってしまいます。

今年の民主党の迷走と崩壊は、そのことをはっきりさせてしまったのだと思います。


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ここに書いたように、あのとき日本はリベラル・左派という政治的選択肢を失ってしまったのだと思います。その理由は、リベラル・左派が本来自らのものであるはずのリフレ政策を否定し、安倍政権がリフレ政策を取り入れて、(少なくとも消費税増税までは)景気を回復させてきたことにあると思います。

リベラル・左派の人達がその過ちに気づかない限り、日本がリベラル・左派という政治的選択肢を取り戻すことはないでしょう。

そこに気づかずに安倍批判を繰り返している勢力は、いずれ消費税増税に邪魔な安倍総理を排除しようとする財務省に利用されるだけでしょう。財務省は消費税増税を10%で終わらせるつもりは全くないのですから。


11/24 補足その1

この記事の最後でポール・クルーグマン氏の話を出しましたが、今回の消費税増税延期の判断でも、クルーグマン氏は安倍総理に増税延期を助言してます。

本来ならばリベラル派であるクルーグマン氏が、米国のリベラル派からは歴史修正主義者という批判をされている安倍総理に助言するというのは奇妙な話なのですが、日本のリベラル派や左派がクルーグマン氏の声に耳を貸そうとしないために、このようなことになっているのでしょう。

日本の「リベラル」というものが、いかにアメリカのリベラルと異なっているかを示す、良いエピソードだと思います。

11月6日(ブルームバーグ):米国の経済学者でノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏が6日、安倍晋三首相と会談し、2015年10月からの消費税率10%への引き上げを先送りするよう促した。本田悦朗内閣官房参与がブルームバーグ・ニュースの取材に明らかにした。

本田氏によると、クルーグマン氏は予定通りに増税した場合にアベノミクスが失敗する可能性を指摘。これに対し、安倍首相は自分の考えは明言しなかった。会談には本田氏のほか、浜田宏一内閣官房参与も同席した。

首相は7−9月期の国内総生産(GDP)などを見た上で、年内に最終判断する意向。本田氏や自民党の山本幸三衆院議員は1年半延期するよう求めている。本田氏によると、クルーグマン氏は安倍首相との会談で、いつまで延期すべきかについては言及しなかった。


クルーグマン氏が安倍首相に消費増税延期を促す−本田内閣官房参与 - Bloomberg クルーグマン氏が安倍首相に消費増税延期を促す−本田内閣官房参与 - Bloomberg クルーグマン氏が安倍首相に消費増税延期を促す−本田内閣官房参与 - Bloomberg

11月21日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者、ポール・クルーグマン氏の訪日予定を耳にした際、本田悦朗内閣官房参与は、再増税をめぐる議論を慎重派に有利な方向に導く好機が到来したと思った。

安倍晋三首相にとって、消費税率を2015年10月に10%に引き上げることの是非を決断する期限が近づきつつあった。今年4月の8%への引き上げの影響で、日本の景気は四半期ベースとして世界的な金融危機以降で最も深刻 な落ち込みに見舞われ、その後の回復の足取りもおぼつかない状況だった。

安倍首相と30年来の知己である本田氏(59)は、4月の増税反対に続き、15年の増税延期を首相に助言。そこに登場することになったのが、自身のコラムで日本の増税延期が必要な理由を説いていたクルーグマン氏だった。

本田氏は20日、オフィスを構える首相官邸でインタビューに応じ、「あれが安倍総理の決断を決定づけたと思う。クルーグマンはクルーグマンでした。すごくパワフルだった。歴史的なミーティングと呼べるものだった」と、首相とクルーグマン氏の会談を振り返った。


クルーグマン氏が決定的役割−安倍首相の増税延期の決断で - Bloomberg クルーグマン氏が決定的役割−安倍首相の増税延期の決断で - Bloomberg クルーグマン氏が決定的役割−安倍首相の増税延期の決断で - Bloomberg


11/24 補足その2

今回の記事で僕が言いたかったことを、より詳しく言っている記事を紹介しておきます。

長谷川幸洋氏は、今回の消費税増税延期と解散総選挙の可能性を最も早く主張したジャーナリストであり、高橋洋一氏は財務省が政治家、エコノミスト、マスコミ、経済学者などに利益供与を行うことで、自らの代弁者としていることを長年主張している学者です。高橋氏は元財務官僚であり、その内側を熟知していることでも知られています。

増税派たちは「解散」で総崩れ 安倍首相が削除表明した「景気条項」とは何か  | 長谷川幸洋「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社] 増税派たちは「解散」で総崩れ 安倍首相が削除表明した「景気条項」とは何か  | 長谷川幸洋「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社] 増税派たちは「解散」で総崩れ 安倍首相が削除表明した「景気条項」とは何か  | 長谷川幸洋「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]

衆院解散「大義なし」批判は財務省からのアメを失った増税派の遠吠えにすぎない!   | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社] 衆院解散「大義なし」批判は財務省からのアメを失った増税派の遠吠えにすぎない!   | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社] 衆院解散「大義なし」批判は財務省からのアメを失った増税派の遠吠えにすぎない!   | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]


11/30 補足その3

安倍総理自身が「解散の背景に財務省の増税多数派工作があった」と発言したそうです。

「財務省が善意ではあるが、すごい勢いで対処しているから党内全体がその雰囲気になっていた」。安倍晋三首相は30日のフジテレビ番組で、衆院解散・総選挙を決めた背景に財務省による消費増税の多数派工作があったことを明らかにした。


解散の背景に財務省の増税多数派工作 首相明かす  :日本経済新聞 解散の背景に財務省の増税多数派工作 首相明かす  :日本経済新聞 解散の背景に財務省の増税多数派工作 首相明かす  :日本経済新聞

*1:この時の総理声明の全文が公開されています。「【全文】「総選挙で過半数を得られなければ退陣します」安倍総理が会見 (1/2)

*2:余談ですが、この記事の財務官僚の発言はひどいですね。いかに財務省が甘やかされて増長してきたかがよく分かります。このような財務省には国民が鉄槌を下す必要がありますね。→「社会保障費が膨れ上がる中、消費税率がこんなに低いのは、国民を甘やかすことになる。経済が厳しくても10%に上げるべきだ」

べっちゃんべっちゃん 2014/11/25 21:12 私も、当たり前の方針転換がなされたことを評価したいです。ここ10年くらい、非合理的な判断でも押し通すことが「ぶれない」とか言って変に評価されて、そういう人達がもてはやされる風潮が内外で続きましたからね。

論壇では財政再建派は増税先送りをしたゆえに、福祉国家を目指す人や公共事業による景気回復を目指す人も景気条項がなくなるゆえに安倍総理の今回の決断を非難しています。

しかし、財政再建派がいかに権力を持っているかは、麻生政権の崩壊(公共事業をやり過ぎた)と民主党政権の崩壊(財務省に乗せられて増税をした)を私は思い知りましたので、牛の歩みでも増税が延期され、それが選挙によって追認されることで私は満足したいです。

中福祉中負担を目指す身としては、福祉国家派にも多少経済が悪化しても構わないから消費税を引き上げろとか、どう考えても消費税以外に原因がない今回の景気の低迷に別の原因を見つけようとする言動は止めてもらいたいんですよね。かえって国民に福祉へ反感を醸成します。

少しづつでも進んでいることを評価したいです。

BaatarismBaatarism 2014/11/29 22:44 >べっちゃんさん
本当にもどかしいくらいゆっくりとした歩みですが、それでも当たり前の決定が行われ、とんでもない政策が止められたことは素直に評価したいですね。
白川日銀と民主党政権は大きな過ちを犯しましたが、同時にそれが過ちであることに気づいた人も増えていると思います。アベノミクスも安倍総理だけの力で可能になったわけではなく、そのような過ちに気づいた人が増えてきたために支持され、続いているのでしょう。今度の総選挙でそのことが証明されることを期待したいですね。

アレキアレキ 2014/12/03 21:58 初めまして。

>財務省が政治家、エコノミスト、マスコミ、経済学者などに利益供与を行うことで、自らの代弁者としている

このご指摘に関してですが、財務省高官2名が実名で意見を開陳している雑誌記事があります、古いものですけれど。

ジュリスト 2011年10月15日号(No.1431)
◇〔座談会〕日本財政のゆくえ●金子 宏●眞砂 靖●古谷一之●中里 実(司会)……14
http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/018465

また、自分は未読ですが、次のような号もありました。
シリーズ化してくれると面白いですね。

ジュリスト 2013年6月号(No.1455)
◇〔座談会〕新政権下の経済政策●中里 実●田中一穂●佐藤慎一●米田 隆……12
http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/018868

ちなみに「ジュリスト」は法律系では有名な雑誌ですので、どこの図書館にも置いてあると思います。

BaatarismBaatarism 2014/12/06 21:58 >アレキさん
情報ありがとうございます。
ただ、なかなか図書館に行く暇が取れないんですよ。

2014-11-01

薄氷の上のリフレ政策

00:15 | 薄氷の上のリフレ政策を含むブックマーク

10月31日(ブルームバーグ):日本銀行は31日の金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切ることを5対4で決めた。長期国債の買い入れを「保有残高が年間約80兆円に相当するペース」に増やすほか、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J−REIT)の買い入れも「それぞれ年間約3兆円、年間約900億円に相当するペース」に拡大する。

マネタリーベース目標額は「年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」として、従来の「年間約60兆−70兆円」から引き上げた。今会合まで長期国債は「保有残高が年間約50兆円に相当するペース」で、ETFとJ−REITはそれぞれ年間約1兆円、同約300億円に相当するペースで買い入れを行っていた。

この決定に対し、木内登英審議委員、佐藤健裕審議委員、森本宜久審議委員、石田浩二審議委員が反対票を投じた。エコノミスト32人に対するブルームバーグ・ニュースの事前調査では、3人が追加緩和を予想、29人が現状維持を見込んでいた。

日銀はまた、長期国債買い入れの平均残存年限を7−10年程度とし、最大3年程度延長する。さらにETFの買い入れ対象に新たにJPX日経400連動型ETFを加える。

黒田東彦総裁は28日の参院財政金融委員会で、日本経済は2%の物価目標の達成に向け順調に道筋をたどっていると言明。展望リポートも同様の内容になるとみられていたが、世界経済の減速懸念を背景とした原油価格急落から、2%の早期実現に黄信号が灯っており、日銀の強気な姿勢に対する不信感が高まりつつあった。


日銀会合:追加緩和決定、国債買い入れ年間30兆円追加 - Bloomberg 日銀会合:追加緩和決定、国債買い入れ年間30兆円追加 - Bloomberg 日銀会合:追加緩和決定、国債買い入れ年間30兆円追加 - Bloomberg

31日の東京株式市場は、日銀が追加の金融緩和に踏み切ることを決めたことで買い注文が一気に膨らみ、日経平均株価の終値は700円以上値上がりし、およそ7年ぶりの高値となりました。

31日の東京株式市場は、朝の取り引き開始直後からアメリカ経済が着実に回復しているという見方から、買い注文が先行しました。さらに、午後に入って日銀による追加の金融緩和の決定が発表されると同時に、買い注文が一気に膨らむ展開となりました。

日経平均株価は一時、前日と比べて800円以上上昇し、終値は前日と比べて755円56銭高い1万6413円76銭で、平成19年11月以来、およそ7年ぶりの高値となりました。


株価700円超上昇 約7年ぶり高値に NHKニュース 株価700円超上昇 約7年ぶり高値に NHKニュース 株価700円超上昇 約7年ぶり高値に NHKニュース

【ニューヨーク=越前谷知子】31日の米金融市場は、日本銀行が追加の金融緩和に踏み切ったことを受けて、大幅に円安・株高が進んだ。

 ニューヨーク外国為替市場の円相場は一時、1ドル=112円47銭まで下落し、約6年10か月ぶりに1ドル=112円台に値下がりした。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の終了を29日に決めたばかりで、日米の金融政策の違いが鮮明になっている。米長期金利が上昇し、日米の金利差が拡大することを見込んで、円を売ってドルを買う動きが広がった。

 午後5時(日本時間11月1日午前6時)現在、前日(午後5時)比3円09銭円安・ドル高の1ドル=112円26〜36銭で大方の取引を終えた。

 為替市場について、「年末にかけて1ドル=115円まで下げる場面もある」(米為替ストラテジストのウィン・ティン氏)との見方が出ている。

 一方、ニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価(30種)が前日終値比195・10ドル高の1万7390・52ドルと、9月19日以来、約1か月半ぶりにこれまでの最高値を更新して取引を終えた。

 日銀の追加緩和で、余剰資金が供給されることへの期待が米国市場でも高まり、ダウの上げ幅は一時、200ドルを超えた。日本の公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)が、国内外の株式の比率を増やす方針を示したことも、上げ相場を支えた。

 ナスダック店頭市場の総合指数は、64・60ポイント高の4630・74と14年7か月ぶりの高値で取引を終えた。日銀の追加緩和については、「時期、規模ともに想定外。これをきっかけに年末に向けて買い基調が続く」(米アナリストのマット・キング氏)と好感する声が出ている。


日銀緩和受け米で大幅円安、NY株は最高値更新 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 日銀緩和受け米で大幅円安、NY株は最高値更新 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 日銀緩和受け米で大幅円安、NY株は最高値更新 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

31日のヨーロッパの主な株式市場は、日銀が追加の金融緩和を決めたことを受け、株価指数が大きく上昇しているほか、ロンドン外国為替市場では円を売る動きが強まり、およそ6年10か月ぶりの円安ドル高水準で取り引きされています。

31日のヨーロッパの主な株式市場は、日銀が追加の金融緩和を決め、東京市場をはじめアジアの市場で株価が上昇したことを受けて、幅広い銘柄で買い注文が増えています。この結果、各市場の株価指数は、日本時間の午後7時時点で、前の日の終値と比べ、パリ市場でおよそ2%上昇しているほか、フランクフルト市場でおよそ1.6%、ロンドン市場でおよそ1.2%、それぞれ上昇しています。また、31日のロンドン外国為替市場では、日銀の追加緩和を受けて円を売る動きが強まり、円相場はおよそ6年10か月ぶりの円安ドル高水準となる1ドル=111円台半ばまで値下がりしています。


欧州株 日銀追加金融緩和で上昇 NHKニュース 欧州株 日銀追加金融緩和で上昇 NHKニュース 欧州株 日銀追加金融緩和で上昇 NHKニュース


昨日10月31日、日銀は新たな金融緩和を決定しました。この金融緩和により日本のみならず欧米でも株価が上昇し、円ドル相場でも1ドル111〜112円台の円安になっています。

今回の追加緩和は誰もが予想していなかったサプライズであり、株式市場の動きを見ると、世界中が驚きとともに歓迎していると言って良いでしょう。

しかし、金融政策決定会合で採決する政策委員の賛否は5対4であり、中央銀行の採決としてはまれに見る僅差の採決でした。日銀執行部は辛うじてこの追加緩和を成立させたことになります。


今年4月の8%への消費税増税以降、景気は一向に回復せず、もはや景気が落ち込んだ原因が消費税増税にあることは明らかと言って良いでしょう。その結果、来年の2%のインフレ目標達成を疑問視する見方も広まっています。

このような状況を回復させるためにも、追加の金融緩和は必要でした。しかしこれまで日銀は動かず、僕も黒田総裁は前任の白川総裁のように「白く」なって*1、インフレ目標2%の達成をあきらめてしまったのではないかと疑っていました。黒田総裁が消費税の10%への増税を容認していることも、この疑いに拍車をかけていました。

ただ、今回の採決を見て考えを変えました。黒田総裁は追加緩和の必要性は分かっていたが、決定会合で過半数を取る見込みがなかったため、追加緩和を打ち出せず、現状維持を続けていたのではないでしょうか。


 日銀は31日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価見通しを下方修正した。消費者物価指数(CPI)の上昇率は2014年度1.2%、15年度1.7%と、7月時点の見通しより0.1〜0.2ポイント引き下げた。原油価格の下落が主因だ。14年度の実質成長率見通しも従来の1.0%から0.5%に下げた。

 日銀が半年ごとにまとめる展望リポートでは、正副総裁を含む9人の政策委員見通しの中央値が注目される。消費増税の影響を除く物価見通しが、日銀が目標とする2%にいつ届くかが焦点だ。


物価見通し1.7%に下げ 15年度 日銀展望リポート  :日本経済新聞 物価見通し1.7%に下げ 15年度 日銀展望リポート  :日本経済新聞 物価見通し1.7%に下げ 15年度 日銀展望リポート  :日本経済新聞


今回、決定会合と同時に日銀は「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を出しています。*2それによると、15年度のCPI上昇率の見通しは1.7%と、インフレ目標の2%を下回っています。

このことが明らかになったことで、これを材料にして黒田総裁は他の審議委員を説得し、何とか過半数を取り付けることができたのでしょう。これまで追加緩和が行われなかったのは、そのような材料がなかったのが理由だと思います。

マスコミでは10%の消費税増税決定が行われた後に追加緩和が行われるという観測も流れていましたが、この状況では黒田総裁にそんな取引をしている余裕はないと思います。


おそらく、僕自身も含めたリフレ支持者も、逆にリフレ政策に懐疑的・否定的な人たちも、これほどまでに黒田日銀のリフレ政策が脆弱だとは思っていなかったのではないでしょうか。だから黒田総裁のデフレ脱却への意志を疑ったり、黒田総裁が追加緩和を消費税増税の取引材料にするという見方が出ていたりするのでしょう。*3

ただ、決定会合ではではまだ白川総裁時代に任命された審議委員が多数派で、リフレ政策は彼ら多数派を切り崩しながら行わざるを得ません。言わばリフレ政策は薄氷を踏みながら行われているような状況であり、いつ頓挫してもおかしくない状況です。

この状況を変えるためには、審議委員の交代の際にリフレ政策を支持する人を任命しないといけませんが、審議委員を任命するのは総理大臣であり、国会の同意を得る必要もあります。そのため、(他の面では問題があるにせよ)リフレ政策を推進している安倍政権が続いていかなければ、いずれ黒田日銀のリフレ政策は頓挫し、インフレ目標の達成や維持も困難になっていくでしょう。

今のリフレ政策がこのような脆弱な基盤の上に成り立っているということを改めて認識させたのが、今回の追加緩和だったと思います。

11/30 補足

日銀が25日発表した10月31日の金融政策決定会合の議事要旨では、個人や企業の物価上昇への「期待」を追加緩和で強められるかが争点だったことが明らかになった。追加緩和で物価上昇への期待の再浮揚が可能と見る緩和派に対し、反対派は「期待」が高まる効果より副作用が大きいと主張した。平行線のまま5対4の採決で追加緩和実施が決まったが、黒田東彦総裁ら執行部が押し切った構図だ。


日銀追加緩和、「期待」巡り賛否真っ二つ 決定会合議事要旨  :日本経済新聞 日銀追加緩和、「期待」巡り賛否真っ二つ 決定会合議事要旨  :日本経済新聞 日銀追加緩和、「期待」巡り賛否真っ二つ 決定会合議事要旨  :日本経済新聞


10月31日の金融政策決定会合の議事要旨が公表されました*4が、この時の賛否は「期待」を巡る判断であったようです。インフレ期待(インフレ予想)に金融政策で働きかけることがリフレ政策の基本にある考え方ですから、この時の賛否はリフレ政策の考え方を受け入れた委員と、受け入れない委員の対立であったことになります。現在の日銀における対立軸は、正にリフレか反リフレかであるわけです。

*1:反リフレ政策の「白川」総裁からリフレ政策の「黒田」総裁に代わったため、「白」を反リフレ政策・デフレ容認、「黒」をリフレ政策・デフレ脱却の象徴とする、ジョーク的な表現です。

*2:展望レポートはこちらで公開されています。経済・物価情勢の展望(展望レポート) :日本銀行 Bank of Japan

*3:例えばこのような意見があります。追加緩和が実施された本当の理由?増税後押し、GPIFと連携 - Bloomberg

*4:全文(PDFファイル)はこのURLで公開されています。 https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2014/g141031.pdf

2014-10-13

財務省と安倍政権は消費税を国民に返せ

23:58 | 財務省と安倍政権は消費税を国民に返せを含むブックマーク

消費税増税が8%に増税されてから、もう6ヶ月が過ぎました。景気は低迷を続けていて、もはや消費税増税によるものは明らかと言って良いでしょう。

政府や財務省、そしてそれに近いマスコミやエコノミストは、この不景気が天候によるものだとか、駆け込み消費の反動だとか言ってますが、どちらも影響が6ヶ月も続くはずはありません。消費税増税のために景気が落ち込んだことを誤魔化して、今年末に行われる予定の消費税の10%への増税を実現させようとする小賢しい小細工なのは間違いありません。


この消費税増税の影響について、エコノミストの片岡剛士氏が雑誌『Voice』11月号に「“アベノミクス・マーク?”のすすめ」というタイトルで記事を書いています。まだネットでは公開されていない記事ですが、経済学者の田中秀臣氏が簡潔にまとめていたので、紹介します。


 片岡剛士さんの消費増税の影響の検証と今後の日本経済の見通し、そして対策を提起したすぐれた論説。すでに僕とのトークイベントでも本論説の内容と同じものを話されていましたが、活字媒体で読めるのは便利です。ぜひお手にとって一読してください。消費税増税の影響が深刻であり、それが日本経済を再び悪循環に陥らせる可能性が高いことがわかるでしょう。要点を列挙。


1 実質GDP成長率の落込みが厳しい。マイナス7.1%(前期比年率)。特に内需の落込みは、前回の消費税増税、リーマンショック直後、東日本大震災のときを大きく上回るマイナス11.4%の惨状である。その主因は民間消費の落込み。もろに消費税の悪影響である。民間在庫が増えているが、それは意図せざる在庫の増加、つまりはケインズ的な図式でおなじみの総需要の急低下を表現している。外需の内容もよくない(詳細は片岡論説参照)。


2 耐久消費財の落込みの深刻さの指摘。実質所得の低下に伴い、消費低迷が長期化することを意味している。低所得者層・子育て世帯に悪影響が深刻。詳細は論説本体と同時に、こちらの動画も参照ください。


3 実質GDP成長率は0%という片岡試算。


4 予想インフレ率が低下基調。インフレ目標の達成のために政府と日本銀行が政策協定(アコード)を結び、よりデフレ脱却にコミット(追加緩和など)。また日本銀行法改正も重要(物価安定と雇用の安定明記)。


5 財政政策は消費税増税延期、各種減税が必要。いまのままだとプライマリーバランスの政府目標は確実にみたされない。トークイベントでは2015年度予算での税収の減少が示唆されていた(増税でむしろ減収! まさに97年の消費税増税以降の経験の繰り返しになる可能性大きい)。


6 「併せて安倍政権としては、社会保障制度改革に本腰を入れることが求められる。拡大する社会保障費の財源を確保するために消費増税を充てることは、消費税増税→景気悪化→景気悪化を抑制するための財政支出の拡大→社会保障費の拡大→消費税増税→景気悪化→財政支出の拡大→… という無限の悪循環を続けながら、消費税や社会保障にかかわる制度上の矛盾を深刻化させることにつながる。こうした流れを断ち切ることが必要だ」。


片岡剛士「“アベノミクス・マーク?”のすすめ」in『Voice』11月号 片岡剛士「“アベノミクス・マーク?”のすすめ」in『Voice』11月号 片岡剛士「“アベノミクス・マーク?”のすすめ」in『Voice』11月号


片岡氏が言うように、消費税増税によって民間消費が落ち込んだことが、景気が大きく落ち込んだことであることは間違いないでしょう。

また、経済学者の高橋洋一氏は、消費や景気が明らかに落ち込んでいることをデータで説明しています。


前年同期比GDPが示す増税の影響


 最後に「1〜6月期のGDPを平均してみるとプラス」。これは慰みにならない。しばしば、マスコミはGDP統計を前期比で見ている。前期比で見た各四半期GDPの伸び率は図1の通りだ。


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 しかし、これは近視眼的になってしまう。そこで対前年同期比も見たほうがいい(図2)。


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 これを見ると、2013年10〜12月期、2014年1〜3月期で2%より上の部分が駆け込み需要増(大体1%程度)、2014年4〜6月期は前年同期比の伸び率が微減となり2%減ったが、そのうち、1%が反動減(これは駆け込み需要増程度と相殺される)、残りの少なくとも1%程度以上が可処分所得減による消費減となる。


 麻生財務相が、1〜6月期を平均してみればたしかにプラスであるが、それでも、それ以前の巡航速度の2%よりは下回っている。それが可処分所得減による消費減となるわけだ。この部分は、消費増税がなければ避けられていた部分だ。

 以上のことは、8月の家計調査、住宅着工、鉱工業指数(これらはいずれも9月30日公表)、7月の機械受注(9月10日公表)を見ればいえる。この後に、参考のために、各種統計をアップデートした図3を掲げておく。図は少ない(新聞記者が苦手!)日本の新聞ではなかなか見られず、ウェブの本コラムの利点だろう。


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在庫は景気循環の終わりを示唆


 最後に在庫循環分析をしよう。内閣府では従来から景気分析に使われてきたものだ。

 在庫循環の典型的なパターンとしては、景気回復の初期には、まず出荷の増加に伴ってそれまで積み上がっていた製品在庫が減少に転じる。次に、在庫調整が進展して在庫が適正水準に近づくと生産の増加テンポが速まって在庫の減少が止まる。さらに、景気が成熟化して出荷の増勢が鈍化すると在庫が増加に転じる。最後は、景気後退局面で、出荷が減少する中で、在庫が積み上がっていく。

 これの様子を、横軸−在庫、縦軸−出荷とする図の中で描くと、時計回りのような動きになる。実際のデータを当てはめたものが図4のグラフだ。


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 ぐるっと一周すると危険領域なのだが、8月のデータでついにほぼ一周になってしまった。これは景気循環の終わりを示唆している。本来であれば、今国会は景気対策が必要だ。しかし、今のところ、政府は補正予算を頭にないという。これでいいのだろうか。


やはり景気はよくない ツッコミどころ満載の麻生財務大臣発言|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン やはり景気はよくない ツッコミどころ満載の麻生財務大臣発言|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン やはり景気はよくない ツッコミどころ満載の麻生財務大臣発言|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン


この中でも、最後の在庫分析のデータが僕には衝撃でした。安倍政権発足と黒田日銀誕生によるインフレ期待で改善した景気が、消費税増税によって引きずり下ろされて、元に戻ってしまったことを示しているデータです。


このような景気の現状を肌で感じているのか、世論調査でも消費税増税反対が7割を超えています。


 本社加盟の日本世論調査会が九月二十七、二十八日に実施した全国面接世論調査で、来年十月に予定されている消費税率10%への再増税に反対する人が72%に上り、賛成の25%を大きく上回ったことが分かった。安倍晋三首相は予定通り再増税するかどうかをことし十二月に決めるが、景気に配慮して判断時期を先送りするよう求める声も出ている。

 四月に税率が8%に上がった後、家計のやりくりが厳しくなったと感じている人は「ある程度感じている」を含めて82%に達した。財政再建の必要性に一定の理解を示す意見もあるが、再増税でさらに負担が増すことへの懸念が強い。

 税率8%への増税が決まる直前の昨年九月に実施した共同通信社の電話世論調査では、賛否がほぼ並んでいた。これと比べて再増税への反対論は広がっており、消費低迷も続く中、首相は難しい判断を迫られている。


東京新聞:消費税再増税反対72% 「12月の判断先送りを」:経済(TOKYO Web) 東京新聞:消費税再増税反対72% 「12月の判断先送りを」:経済(TOKYO Web) 東京新聞:消費税再増税反対72% 「12月の判断先送りを」:経済(TOKYO Web)


また、昨年の8%増税の時は賛成が多かった有識者*1でも、この1年で賛成派が大きく減少しています。


今日の日経新聞朝刊に、「消費税、予定通り10%」が6割 有識者アンケート と題した記事が載っています。消費税が8%に増税された4月以後、多数の経済指標が大幅悪化していますが、これは字句通りに受け取って良いのでしょうか。


アンケートの対象は、昨年8月に政府が主催した消費税増税集中点検会合のメンバー60名です。

昨年の集中点検会合では、8%への消費税増税について、メンバー中賛成が44名、条件付き賛成が5名、反対が10名、意見保留が1名でした。(図表1)

これに対し、今回の日経新聞が実施した同じメンバーへのアンケートでは、賛成が26名、どちらとも言えないが8名、反対が9名、未回答が17名です。 (図表2) 


有識者の意見も昨年8月からかなり変化した


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図表1(上)昨年8月集中点検会合でのアンケート結果

図表2(下)今回の日経新聞によるアンケート結果

アンケート先は内閣府のこちらに記載。


一見しただけでも、昨年8月の集中点検会合から意見が変わった人々が少なからずいることが見て取れます。


消費税増税有識者アンケートにみる有識者らの姿 - シェイブテイル日記 消費税増税有識者アンケートにみる有識者らの姿 - シェイブテイル日記 消費税増税有識者アンケートにみる有識者らの姿 - シェイブテイル日記


さらに、アメリカのルー米財務長官からも消費税増税に懸念を示す声明が出ています。*2これまで財務省は「消費税増税は国際公約」などと言ってましたが、この説明も嘘だったことはこれで明らかでしょう。


ルー米財務長官は10日、国際通貨基金(IMF)の諮問機関である国際通貨金融委員会(IMFC)が開かれるのを前に声明を発表した。

 日本経済については「今年と来年は弱い状態が続く」と指摘し、「財政再建のペースを慎重に調整し、成長を促す構造改革を実行する必要がある」と主張した。

 来年10月の消費税率10%への引き上げに対し、慎重に検討するよう、日本に求めたものとみられる。


財政再建ペース、日本は慎重調整を…米財務長官 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 財政再建ペース、日本は慎重調整を…米財務長官 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 財政再建ペース、日本は慎重調整を…米財務長官 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)


このように、様々なところから消費税増税に対する反対や懸念の声が出ています。


消費税の8%増税だけでもこの惨状なのですから、10%に増税したら日本は再び長期不況に戻ってしまうでしょう。安倍政権は橋本政権と同じように退陣に追い込まれ、その後には自民党だろうが民主党だろうが財務省が支持する政権しか出てこないでしょう。そのような状況では消費税は15%、20%と果てしなく上がり続け、日本経済と国民生活が崩壊する中で、財務省の「歳出権」だけが強化され、財務省に尻尾を振る政治家や企業ばかりが栄える世の中になってしまうと思います。


それを避けるためには、消費税の10%増税を延期するだけではなく、最初の片岡氏の記事にあるように、各種減税や給付金などで消費税増税分を「国民に返す」政策が必要だと思います。本当は消費税を5%に戻すのが最善ですが、それが無理ならば減税や給付金で増税分を国民の手に戻し、可処分所得を元に戻す必要があります。

トリクルダウンの効果に疑問がある法人税減税や、建設業界の供給不足で十分に執行できていない公共事業では、消費税増税を相殺することはできないでしょう。消費税増税の相殺は、減税や給付金で消費税増税分を国民の手に返すことによって、始めて実現できるのだと思います。それこそが本当の景気対策でしょう。

しかし、このような政策は、消費税増税によって増えた財務省の「歳出権」を帳消しにするものですから、財務省は手下の政治家やマスコミ、エコノミストを使って妨害してくるでしょう。安倍政権が財務省と対決する覚悟をしない限り、実現できない政策だと思います。

*1:元々は消費税増税を正当化するために、財務省が賛成派の比率を多くしたメンバーです。

*2:この声明については、ニャントロ大魔神 @さんが原文と翻訳をツイートしています。「ルー米国財務長官、ついに日本のマクロ経済運営に物申す!!の巻 - Togetterまとめ

suikyojinsuikyojin 2014/10/14 23:40 住宅投資のデータを無視したため、1997年の消費税増税における悪影響が10分の1以下に過小評価されていた疑いが濃厚です。
http://kitaalps-turedurekeizai.blogspot.jp/2013/04/blog-post.html

今回の消費税増税でも、GDP2次速報の値は、民間最終消費がマイナス5.1%、民間住宅投資がマイナス10.4%でした。

JancloJanclo 2014/10/21 01:32 ていつも疑問なのですが、歳出権てどうなんですかね?

介護や医療の支出を減らしているあたり、財務省は歳出権にこだわって動いているようには見えないような。
また、本当に歳出権を拡大させたいなら、高額所得者から税金をとるとか、資産価値を増やす政策(土木予算の増加や企業のBS拡大への減税)をすればいいだけでは?

企業に親和的みたいな意見も聞きますが、事業税(企業付加価値税)の強化や、研究開発減税の縮小なんかは、労働者の賃金や企業のBSを減少させ、税収も減りますし、多くの雇用と研究開発をもつ製造業の多い経団連系の企業にとっても、悪い話ですしね。

どちらかというと、財務省は家計的財政均衡論(安定収入の向上と支出の削減)にはまっているような気がしますね。

BaatarismBaatarism 2014/10/25 00:38 >suikyojinさん
確かに住宅投資の動向は景気に大きな影響を与えるので、これが過小評価されていたら見通しは大きく違ってきますね。

>Jancloさん
「歳出権」の話は歳出全体ではなく、財務省の裁量でコントロール可能な歳出を最大化しているという考え方なので、福祉、介護、医療、教育のような裁量でコントロールできない支出が減っていても、この考え方とは矛盾しません。歳出全体の中で財務省の裁量でコントロール可能な部分の割合が大きい方が、財務省の裁量がもたらす影響力は増大し、「歳出権」が強化されると考えられます。
また、財務省の裁量でコントロール可能な歳出を安定的に確保するためには、高額所得者の所得税や資産課税よりも、高税率の消費税の方が安定的な予算が確保できるので、好ましいでしょう。
家計的財政均衡論にはまっているという考え方もできるとは思いますが、その場合は現実の歳出規模が増え続けている理由を別に考える必要があるでしょう。

janclojanclo 2014/10/25 13:02 財務省がコントロール可能な「歳出」とはどういったものがありますか?
この「歳出」というのは「政治家の政策」ではないでしょうか?

私が「はまっている」としたのは、彼らの上司である「政治家」の覚えがめでたいから、出世のため、あえて正しい理論を放棄するという組織病にかかっていると感じたからです。
一応、政治家が官僚の人事権を握っていますからね。

例えば、復興増税は所得税と法人税に課されましたし、財務省は法人税の減税には反対しています。
つまり、財務省は税収向上について消費税のみにこだわっているわけではない。

しかし、経済や会計に疎い政治家にとって、高い法人税や所得税で高所得の企業や人材の流出や、借金への恐れは非常に強い。
一方で、何か政策を行うには、お金がいる。
そうなると、消費税となるわけです。
また、安定した財源ですから、不況による税収減も避けれる、と考えてしまうわけです。

このような政治家が多くいれば、官僚はこれにあった人間ばかりになってしまうわけです。

janclojanclo 2014/10/25 13:33 私は、財務省という組織に入るほどの人間が経済・会計に疎いとはとても思えません。
しかし、政治家になるには、勉強はさほど重視されません。

だからこそ労働需給が逼迫してるわけでもないのに、移民や女性の活用という「政策」を政治家が掲げ、出世を狙う官僚は、それがおかしくてもその中身を考えていくのです。

所得税の累進性を考えれば、労働需給をひっ迫させ、労働者の所得を上げる方が、配偶者控除を無くすより税収向上に貢献します。
(年収300万が7人より年収700万が3人の方が税収は上です。)

しかし、政策を決めるのは政治家であり、決められた政策によって出世する官僚が選ばれるわけです。

官僚を責めても、政治家の思想が変わらなければ、結局同じ政策が出てくるだけのような気がしますね。


政府が相続資産減税や投資減税などのストック拡大減税をとれば、法人税や所得税などのフロー課税が高くても、高所得の企業も人材もどんどん入るでしょう。
さらに、雇用や税収も向上する好循環が生まれるんですが、こういう発想の政党がないのを見ると、いつまでも同じことがくりかえされそうですけどね。

BaatarismBaatarism 2014/10/29 23:00 >jancloさん
jancloさんは政治家が官僚よりも上位にあり、官僚は政治家の決めた政策の中身を考えていると思っているのですね。
しかし、実際の政治は必ずしもそのようには動きません。
政治学や経済学の重要な理論に「プリンシパル=エージェント理論」というのがあります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%91%E3%83%AB%EF%BC%9D%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88%E7%90%86%E8%AB%96

「プリンシパル」とは業務を委任する人、「エージェント」とは業務を委任される人のことです。政治家と官僚の関係だと、政治家がプリンシパル、官僚がエージェントとなります。
プリンシパルはエージェントの業務を監視する必要がありますが、プリンシパルはエージェントほど業務に詳しくありません。そのため、プリンシパルがエージェントのエージェントの行動の適否を判断するのは困難です。このような情報の非対称性のため、エージェントはプリンシパルの意向に従わず、エージェント自身の利益を優先する可能性があります。
政治家と官僚の関係に置き換えると、官僚が政治家の選好から逸脱した政策を実施してしまう可能性があるということです。そのため、政治家は必ずしも官僚よりも優位に立つわけではなく、どちらが優位かはその時の状況によります。
自民党が一党優位体制を確立していた時代や、小泉政権のように長期安定政権が成立した時期は、政治家が官僚をコントロールしやすくなり、政治家が優位になります。逆に首相が毎年交代するような時期は、政権が不安定なため政治家は十分官僚をコントロールできず、官僚が優位になるでしょう。小泉政権が終わってから第二次安倍政権が誕生するまでの時期は官僚優位の時期であり、その中でも最も力の強い財務省が政策を左右していたと思います。そのような状況が長引いた結果、財務省は政権に対しても強い影響力を持つようになり、消費税増税法案を成立させたのでしょう。

ただ、民主主義の原則から言えば、国民が選んだ政治家が官僚よりも優位に立つべきであり、jancloさんが言うような状況の方があるべき姿でしょう。そのためにはある程度安定した政権が必要であり、首相が毎年交代するような状況は好ましくありません。
今は長期安定政権を目指す安倍首相と、これまで得てきた利益を維持しようとする財務省の力が拮抗している微妙な時期なのだと思います。ただ、安倍政権は景気を良くすることで国民の支持を得てきた政権ですから、今回の消費税増税を実施するかどうかは政権の行方を左右し、政治家と財務省の力関係も左右することになると思います。

2014-07-05

やはり消費を激減させていた消費税増税

23:59 | やはり消費を激減させていた消費税増税を含むブックマーク

消費税増税直前に思うこと - Baatarismの溜息通信 消費税増税直前に思うこと - Baatarismの溜息通信 消費税増税直前に思うこと - Baatarismの溜息通信


消費税増税前にも、僕はそれを懸念する記事を書きましたが、やはりその懸念は当たっていたようです。


株式市場・労働市場が比較的堅調であることから忘れられがちだけど...消費の現場に近い人ほど6月に入って景気に急速に暗雲が立ちこめてきていると言う.今月の家計調査を見るとかなり心配な結果になっているみたい.

 そこで,ちょっと前回の増税と今回の増税の違いをまとめてみた.


まずはデータから


 ここでは家計調査の家計消費水準指数を使おう.ニュースなどで見る家計支出額等だと世帯人員数や物価の変化が混在しているので(それでも以下の傾向はほぼまんま維持される),これらの調整を行った指数値の方が実態を反映していると考えるからだ.

 増税の半年前から増税後1年間の消費動向を見ると...


f:id:Yasuyuki-Iida:20140628114505p:image


となっており,今次の増税の影響は過去の比を見ないものだとわかるだろう.ここまで極端な下振れを想定内だという論理が僕には分からない.


(中略)


これまでの消費増税と今回の消費増税は全然違う


 なぜこんなにも今次の増税の影響は大きいのだろう.一昨年来,それこそ政権交代前から繰り返してきたとおり,89年増税の際は物品税の廃止や所得・資産課税減税でマクロではむしろ減税が行われている.97年増税も同時に所得・住民税減税が行われ,これに社会保障給付の増大を含めると増税分と減収分はほぼ同じ.

 これに対して,今回の増税は純然たる増税! その影響は当然大きく異なる.経済学好き向けに言うと,これまでの消費増税は代替効果だけ.今回はそれに(負の)所得効果が乗っているんだ.増税の影響を前回と同じ程度にとどめるためには,デフレ脱却が達成され,一般世帯の所得上昇が明確になってからでないといけなかったはず...

 今年4月の消費増税は現時点でのデータからは失敗だとしか判断できない.7月に消費動向の急激な回復がおきる可能性は否定できないが,その可能性は薄いだろう.


消費増税後の消費動向 / 2014-06-28 - こら!たまには研究しろ!! 消費増税後の消費動向 / 2014-06-28 - こら!たまには研究しろ!! 消費増税後の消費動向 / 2014-06-28 - こら!たまには研究しろ!!


総務省が27日に発表した5月の家計調査で、ちょっとびっくりするような数字が出た。

マスコミ報道では、「1世帯当たりの消費支出(2人以上世帯)は27万1411円で、物価変動を除いた実質で前年同月比8.0%減った。減少幅は4月の4.6%から拡大した」「家計調査の実質消費は、東日本大震災があった2011年3月(8.2%減)以来の落ち込みだった」と書かれている。

ちょっと長めのデータを見てみよう。それには、家計調査にある「消費水準指数」がいい。これは、1世帯当たりの実質消費と似ているが、消費支出から世帯規模(人員)、1か月の日数及び物価水準の変動の影響を取り除いて計算した指数で、家計消費の面から世帯の生活水準をより的確に把握することができるものだ。

5月の消費水準指数の対前年同月比は▲7.8%と、たしかに東日本大震災があった2011年3月の▲8.1%以来の落ち込みなのだが、下図からわかるように、最近33年間における最悪が2011年3月なので、なんと2番目に悪い数字なのだ。

駆け込み需要の反動減が出るのはわかっていたので、4月の▲4.5%には驚かなかった。しかし、5月が4月よりこれほど悪くなるとは、驚いたわけだ。

まあ、3月が7.4%と過去33年間で最も高かったから、その反動減で悪くなったと説明できればいいのだが、以下に述べるように、そうは問屋が卸さない。


(中略)


政府は、この数字でもまだ楽観的だ。

甘利明経済財政・再生相は27日の閣議後の記者会見で「基調としては消費も回復に向かっていると判断していい」と発言している。事務方は、もう少し数字をきちんと説明したほうがいい。総務省も「想定の範囲内の動き」というが、何を想定していたのか、前に明らかにしていないので、なんとでも言える。このような言い方の時は危ないと思ったほうがいい。

まず、消費税増税の影響であるのは間違いないので、前の増税時と比べてみよう。以下の図は、筆者が講演などで消費税の影響を説明するときに使うものだ。増税は過去2回、1989年増税(創設時、つまり0%→3%の増税)、1997年増税(3%→5%)なので、その前後1年で経済指標の推移を書いたものだ。数字はGDPや消費などの前年同期比を取っているが、本コラムでは消費水準指数の前年同月比とする。


http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/b/9/550/img_b9d56142d933a96749ecaa8a1a3e7d3793335.jpg


1989年と1997年を見ると、それぞれ4月の増税後6か月ぐらいは似たような景気動向で、消費税増税の影響はあまり現れていない。しかし、6か月を過ぎるあたりから両者の景気動向に差がつき始める。1年後になると、89年増税時と97年増税時では大きな差がついた。

この理由はまず、89年は景気が良かったこと、97年はそれほどでもなかったことだ。消費税以外の税では、89年は減税もあったこと、97年ではならしてみると、増税減税ニュートラルだったことなどで、89年は消費税増税の影響は97年より少なかった。

それが今回は、図からわかるように、増税後の2か月で89年と97年を大きく下回っているのだ。2か月だけみると、今回の下げは異常に大きい。


過去33年でワースト2!消費税増税がもたらした急激な消費落ち込みに政府は手を打てるか 過去33年でワースト2!消費税増税がもたらした急激な消費落ち込みに政府は手を打てるか 過去33年でワースト2!消費税増税がもたらした急激な消費落ち込みに政府は手を打てるか


このように飯田泰之氏も高橋洋一氏も、今回の消費税増税による消費の減少は、1997年の消費税増税以上に悪いものだという意見です。その原因についても、1997年の時は所得・住民税減税や給付の増大があったのに対し、今回はそれがない純然たる増税であることで一致しています。

この消費減少は、ある程度のタイムラグを置いて経済成長率や雇用にも影響を及ぼすでしょう。昨年の金融緩和やインフレターゲット導入によって実現したアベノミクス好況も、消費税増税によって大きなダメージを受けることは確実だと思います。

これを避けるためには、年末に決定する予定の消費税10%への増税を見送るだけではなく、1997年のような所得・住民税減税や給付金の支給で、8%への増税を相殺することも必要でしょう。しかし、安倍政権は法人税減税には積極的ですが、消費税増税による消費減少を食い止めるための所得・住民税減税、給付金支給については発言すらしていません。

このままではアベノミクスは大きな危機を迎えるでしょう。すでに集団的自衛権の問題で安倍政権の支持率は下がっていますが*1、経済政策が失敗すれば、安倍政権の支持率は底抜けしかねません。


やはり安倍総理は、財務省の歳出権を確保するための消費税増税には応じてはいけないのだと思います。そのために自民党内の親財務省派と対決する必要があるならば、衆院解散してでも彼らを押さえつけるべきでしょう。そこまでの覚悟がなければ、財務省が悲願としている消費税増税を撤回することなどできないと思います。

*1:ただ、僕自身は日本が集団的自衛権を保持することは支持しています。朝鮮半島、台湾海峡、南シナ海の危機が懸念される状況では、これらの地域で当事国の要請によりアメリカと共に軍事行動するオプションは確保しておくべきだと考えています。

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2014-05-11

ブラック企業の温床である「サドマネタリズム」と「サドファイナンス」

00:18 | ブラック企業の温床である「サドマネタリズム」と「サドファイナンス」を含むブックマーク

最近、労働者に長時間労働やサービス残業、薄給などを強いている、いわゆる「ブラック企業」の苦境を伝えるニュースが目立ちます。

牛丼チェーン大手「すき家」の店舗が次々と閉店している、などとネットで騒ぎになっている。ツイッターや掲示板には閉店情報と閉店した店舗の写真がアップされていて、店の入り口には「従業員不足に伴い、一時的に閉店させていただきます」などといった張り紙が出ている。

どうやら従業員が2014年2月下旬以降に大量に辞めたことが原因のようで、掲示板「2ちゃんねる」のすき家クルー(従業員)専用スレには従業員と思われる人たちの「みんな辞めるなら俺も辞めたい」「まじで同時退職しようぜ」といった呼びかけが出ていた。


「すき家の春の閉店祭り始まったぞw」「閉店理由がシュール」などとネットが騒がしくなったのは14年3月中旬から。ツイッターや掲示板で閉店店舗の写真が次々にアップされていった。この閉店はゼンショーの業績悪化のためとか不採算店舗、ということではないらしい。入口の張り紙には「機器のメンテナンスのため」「リニューアルのため」などと書かれていて「一時的な閉店」を強調している。特に目立っていたのが「従業員不足」という張り紙だった。

実は、14年2月下旬からネットの掲示板などに「忙しすぎてやってられない」「もう辞めたい」などといった従業員と思われる人たちの書き込みが増えていった。その理由は14年2月14日から始めた「牛すき鍋定食」といった鍋メニューの販売で、このメニューを提供するのに時間と手間がかかりすぎる、というもの。ただでさえ他の牛丼チェーンに比べメニューの多い「すき家」だから、厨房が回らなくなっているというものだ。

掲示板「2ちゃんねる」には従業員専用のスレが立っていて、一人でオペレーションする店が多すぎる、とか、深夜帯は仕事が多すぎて処理できないことがある、人手不足が深刻で当日欠勤はまず不可能、強盗が一番入りやすい店、などの問題点が書き込まれている。そうした厳しい環境なのに手間のかかる鍋メニューが加わったとして、経営者や商品開発担当に対する批判が噴出した。


牛丼「すき家」店舗が次々と『人手不足閉店』 新メニュー「鍋定食」に従業員が憤慨? ネットに「やってられん!」の声 : J-CASTニュース 牛丼「すき家」店舗が次々と『人手不足閉店』 新メニュー「鍋定食」に従業員が憤慨? ネットに「やってられん!」の声 : J-CASTニュース 牛丼「すき家」店舗が次々と『人手不足閉店』 新メニュー「鍋定食」に従業員が憤慨? ネットに「やってられん!」の声 : J-CASTニュース

 牛丼チェーン大手「すき家」が人手不足で苦しんでいる。店舗リニューアルのために3月中旬から一時閉店させていた100店以上が、店舗従業員などが集まらず開店できずにいることが、28日までに分かった。

 すき家を運営するゼンショー広報部によると、3月中旬から改装のため167店舗を随時閉店。4月下旬までにそれぞれ開店を目指していた。しかし、現在まで開店できたのは数店舗で、百数十店舗が閉店したままだ。担当者は、「5月中に開けられる店舗を調整しているところですが、5月末までに開けられない店舗も出てきそう」と話す。

 リニューアルするにあたり、強盗などに狙われやすい深夜に1人で営業する「ワンオペレーション」を解消しようと人員を増やす方向で募集をかけているが、希望者が思うように集まっていないという。担当者は、「例年、4月は求人に対して希望者が増えるのですが、今年は想定を下回っています。新卒(採用)の応募者も減っていますし」と頭を抱える。


すき屋 人手不足で新装開店できない - 社会ニュース : nikkansports.com すき屋 人手不足で新装開店できない - 社会ニュース : nikkansports.com すき屋 人手不足で新装開店できない - 社会ニュース : nikkansports.com

 ワタミの桑原豊社長は8日、決算発表の記者会見で、ことし4月に入社した新卒社員は120人で目標の半分にとどまったことを明らかにした。桑原社長は「深刻な人手不足という外的環境の変化があった。われわれの成長戦略が曲がり角に来ている」と語った。

 ワタミでは長時間労働の問題が指摘されており、採用が苦戦した一因になった可能性もある。

 ワタミが設置した有識者による業務改革検討委員会は「所定労働時間を超える長時間労働が慢性化している」と指摘した報告書をまとめた。正社員やアルバイトの確保も難しくなっており、桑原社長は「労働環境の改善を最優先で進める」と述べた。

 今後の改善策は、2014年度中に60店舗を閉鎖し、従業員を他の店に振り分けて、1店舗当たりの従業員数を増やす。営業前などに実施している会議の時間は、これまでの年間約250時間から80時間程度に減らし、拘束時間を短くするという。

 また、人手不足を解消するため、転勤がない地域限定社員として6月以降、アルバイトからの登用などで100人を確保する計画も明らかにした。


ワタミ新卒社員、目標の半分 : 社会 : スポーツ報知 ワタミ新卒社員、目標の半分 : 社会 : スポーツ報知 ワタミ新卒社員、目標の半分 : 社会 : スポーツ報知


このように「すき家」を運営するゼンショーや、ワタミなど、代表的なブラック企業と言われていたところが、相次いで人手不足に陥っており、店舗を維持できない状況に追い込まれています。

また、同じようにブラック企業との噂があったユニクロ(ファーストリテイリング)は、従業員の正社員化を進める方針を打ち出し、人材確保のための待遇改善を目指しているようです。

 国内のユニクロ店舗に務めるパートタイマー、アルバイト約1万6000人を正社員として雇用する――。

 カジュアル衣料チェーン「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが現在、人事施策を大転換させていることが明らかになった。ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏が、本誌取材班のインタビューで打ち明けた。

 国内約850のユニクロ店舗では現在、約3万人のパートタイマーやアルバイトが勤務している。このうち、学生アルバイトなどのごく短期に務める従業員を除く、約1万6000人を正社員に転換する計画だ。

 これまでにも同社には、アルバイトやパートタイマーを正規社員として登用する仕組みはあった。かつて「パートタイマー5000人を正社員化」とぶち上げたこともある。だが従来の仕組みでは、正社員に転換した場合、フルタイムで勤務することが求められた。

 しかし今回の取り組みでは、子育てや介護といった多様な事情で、不規則な勤務時間でしか働けないような従業員に対しても正社員化の門戸を開き、多様な働き方を認めたままで待遇を正社員化する。既に今年3月初旬から正社員化に向けてパートタイマーやアルバイトの面談を始めており、今後2〜3年の間に移行を進めていく。


【特報】ユニクロ、パートとアルバイト1万6000人を正社員化:日経ビジネスオンライン 【特報】ユニクロ、パートとアルバイト1万6000人を正社員化:日経ビジネスオンライン 【特報】ユニクロ、パートとアルバイト1万6000人を正社員化:日経ビジネスオンライン


これらの記事にはなぜこのような動きが起こっているかという解説がないですが、これは明らかに安倍政権誕生や黒田日銀執行部発足以降のリフレ政策によって景気が回復し、雇用状況を改善させた結果でしょう。

高橋洋一氏がこの状況をまとめた記事を書いています。

 牛丼チェーンのすき家や居酒屋のワタミが人手不足のため一部閉店したり、ユニクロが従業員の正社員化を進めるなど、デフレ下で成長した企業で人手不足の影響が出たり、人材確保を急ぐケースが相次いでいる。

 人手不足によって生じる時給の上昇や正社員化は多くの人に良いことのはずであるが、一部メディアでは「企業が悲鳴」という形で報道されている。それらの報道では、人手不足や時給上昇の原因といえる「金融政策による景気回復」についてはほとんど触れないのも奇妙である。

 デフレ下では、モノの価格が低下していくので、名目賃金などのコストを低下させられる企業が相対的に強くなる。その場合、正規社員は賃下げをやりにくいので、非正規社員が多いほうが対応が容易だ。名目賃金のコスト低下を過度にやると、「ブラック企業」というありがたくない称号をもらうこともある。

 一方、マイルド(ゆるやかな)インフレ下では、コストの調整はそれほど難しくない。名目賃金を低下させる必要はなく、上げ幅の調整が中心となる。そして動かしにくい固定賃金ではなく、ボーナスや残業代などで柔軟に対応できるからだ。

 マイルドインフレ下で有利な企業は、正規社員が多く、社員のスキルを長期的に活用できるところだ。業績のアップは、ボーナスや残業代によって労働者にすぐ還元される。こうした現象は、かつての日本の高度成長期では当たり前の姿だった。それと全く同じことはありえないが、似たようなものだ。

 インフレ率2%になるまで、日銀は金融緩和を続けるというのであるから、人手不足は多くの業界にまで広がるはずだ。ただ、雇用は、景気に対して遅行する指標であるので、幅広い業界で人手不足を実感できるまでには少なくともあと1年を要するだろう。


【日本の解き方】悲鳴上げるデフレの勝ち組企業 正社員多い企業が有利な状況に (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK 【日本の解き方】悲鳴上げるデフレの勝ち組企業 正社員多い企業が有利な状況に (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK 【日本の解き方】悲鳴上げるデフレの勝ち組企業 正社員多い企業が有利な状況に (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK


ブラック企業と呼ばれる企業は、コストダウンを進めることでデフレに適応してきた企業です。特に外食や小売りといった業種では、人件費をカットすることでコストダウンを進める企業が、デフレ下で有利に競争を進めることができました。ゼンショー(すき家)、ワタミ、ファーストリテイリング(ユニクロ)などは、その代表と言って良いでしょう。

しかし、そのような企業はあまりにデフレに適応していたため、リフレ政策によってデフレ脱却が確実になると、生存の基盤を失います。今、すき家やワタミに起こっているのはまさにその状況でしょう。またブランド力のあるユニクロは、まだ余力のあるうちにいち早くインフレに適応しようとして、正社員化を進めているのでしょう。

このように、ブラック企業がはびこる温床となっていたのはデフレであり、そのデフレをもたらしていたのは、白川執行部までのかつての日銀でした。かつての日銀こそが「ブラック企業の元凶」だったと言っても良いでしょう。


さて、最近、ポール・クルーグマン氏が、デフレを招いたスウェーデン中銀の金融政策を「サドマネタリズム」と批判し、それに対してスウェーデン中銀は「日本とは違う」と反論しているそうです。

サドマネタリズム


スウェーデンがデフレにはまり込んだ件からは,よそ者のぼくらにも関連する教訓がいくつか得られる.

第一に,サドマネタリズムの力を実物で見せてくれてる.サドマネタリズムってのは,多くの金融当局が金利を上げたがってる欲求のことだ.上げる理由? なぜなら――エエからとにかく上げるんじゃい.2010年,スウェーデンの失業率はきわめて高くて,インフレ率は低かった〔参考〕.基本的なマクロ経済学でいけば,「いまは金利を上げるようなときじゃない」ってなったはずだ.ところが,スウェーデン国立銀行は先走って金利を上げた.なんで?

いま当局が言うには,金融の安定のためだったとか,高すぎる住宅価格と借り入れの恐れがあったためだったとかだそうだ.でも,当時言われてたのは,それとちがってたじゃんよ! スウェーデン国立銀行総裁ステファン・イングベスは,2010年12月に同銀行のウェブサイトでオンラインチャットをやった.そこで彼はこう発言してる――金利を上げるのは,インフレの問題なんだって:「金利をいま上げなかったら,この先,高すぎるインフレが生じるリスクを冒すことになります.それは,経済にとっていいことではありません.我々の最重要課題は,インフレ率2パーセント目標を達成することにあります」

奇妙な言い分だ.インフレ率が目標を下回りはじめたときにも,スウェーデン国立銀行は金利を上げ続けて,その後,正当化を金融の安定に切り替えた.


ポール・クルーグマン「スウェーデン国立銀行のおかげでスウェーデンは罠にはまった」 ― 経済学101 ポール・クルーグマン「スウェーデン国立銀行のおかげでスウェーデンは罠にはまった」 ― 経済学101 ポール・クルーグマン「スウェーデン国立銀行のおかげでスウェーデンは罠にはまった」 ― 経済学101

  4月24日(ブルームバーグ):スウェーデン人はポール・クルーグマン氏にノーベル経済学賞を授与したことを悔やんでいるかもしれない。きっかけは、プリンストン大学教授(経済学)で、米紙ニューヨーク・タイムズのコラムニストでもあるクルーグマン氏の21日付のコラム記事。

クルーグマン氏はその中で、スウェーデン中央銀行による2010年と11年の利上げが、日本経済をまひさせたようなデフレ・スパイラルを招いたと批判。低インフレ、高失業率の中でも低金利や金融緩和を直感的に嫌悪するものだとして、同中銀の金融政策運営を「サドマネタリズム」と断じた。

これにかみついたのがスウェーデン中銀当局者だ。セシリア・スキングスレー副総裁は23日、同国南部ハルムスタッドでクルーグマン氏の指摘について、「日本との比較には驚いた」と述べるとともに、「日本とは類似点よりも相違点の方がずっと大きい」と反論した。


クルーグマン氏にかみつくスウェーデン中銀-「日本とは違う」 - Bloomberg クルーグマン氏にかみつくスウェーデン中銀-「日本とは違う」 - Bloomberg クルーグマン氏にかみつくスウェーデン中銀-「日本とは違う」 - Bloomberg


このように対立している両者ですが、かつての(白川執行部までの)日銀の金融政策が「サドマネタリズム」であるということについては、共通の了解が得られているようです。日本で言われている「シバキ主義」と同様の意味なのでしょう。

先に述べたブラック企業の行動は、従業員に対する嗜虐(サディズム)とも解釈できますから、その元凶であるかつての日銀を「サドマネタリズム」と呼ぶことも、間違いでないと思います。デフレの間は、従業員をシバく企業ほど、競争を優位に進めることができた訳ですから。


ただ、ここでブラック企業の隆盛が終わったと判断するのは、まだ甘いと思います。なぜなら「サドマネタリズム」であったかつての日銀には、増税で国民をシバく財務省という、いわば「サドファイナンス」とも呼ぶべき協力者がいたからです。その財務省は財政再建や社会保障を名目にしながら、自らの「歳出権」を確保するための消費税増税を強行しました。

 ではなぜ、財務省は増税を指向するのか。それは、予算での「歳出権」の最大化を求めているからだ。予算上、増税は歳入を増やし結果として歳出を増やす。さらに、歳入は見積もりであるが、歳出権は国会の議決で決めるのが重要だ。実際の税収が予算を下回ったとしても、国債発行額が増えるだけで、歳出権が減ることはない。この歳出権は各省に配分されるが、それが大きければ大きいほど財務省の権益は大きくなる。このため、財務省が歳出権の最大化を求めるのは官僚機構として当然となる。


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まだ消費税増税後の経済指標は出ていませんが、もし消費税増税で景気が悪化するようだと、最初に述べたような人手不足によるブラック企業の苦境も消えてしまうでしょう。そしてまたブラック企業がはびこり、若者や女性などの非正規労働者が苦しむ社会に逆戻りするでしょう。

また、日銀法を改正してインフレターゲットを義務づけない限り、今後の日銀執行部がまた「サドマネタリズム」に逆戻りしてしまう可能性も大きいでしょう。

このような「サドマネタリズム」や「サドファイナンス」を阻止して、ブラック企業がはびこらないようにするために、これからも日銀や財務省を監視し、警戒していく必要があるでしょう。そしてそのような状況に逆戻りするようならば、その元凶である日銀や財務省を批判していかなけばなりません。

べっちゃんべっちゃん 2014/06/26 23:58 最近二宮尊徳の本を読みました。尊徳の農村復興策の肝は低利の事業資金貸し出しなんですね。それと大名との間に「たとえ農村が持ち直しても税率を上げない」という契約を結んだそうです。そして尊徳は用水路作りや道路作りも積極的に行っています。

まさしく金融緩和と財政政策の組み合わせなんですよ。

民間に富の蓄積ができてもそれが十分に増えるまでは絶対に取り上げないという安心感を民間に与えることを尊徳は重要視していました。これってインフレ期待に一脈通じるものがあると思うのです。

BaatarismBaatarism 2014/07/05 23:23 >べっちゃんさん
返事が遅れてすいません。
なるほど、二宮尊徳の考え方は現在の経済学から見ても妥当な政策ですね。

僕は最近「エドノミクス」(飯田泰之・春日太一)を読んだのですが、江戸幕府は貨幣改鋳というマイルドインフレ政策を続けることで、貨幣発行益による財源確保と金融緩和による経済活性化を実現し、その結果250年以上という長期の国内政治の安定と経済成長を実現したように思います。ただ、この政策は開国後、海外との金銀交換比の違いがあっために通貨政策が混乱してしまい、その結果国内の安定を維持できなくなった江戸幕府は滅亡したのでしょう。ただ、江戸時代に達成した経済成長による経済力が、明治以降に日本が独立を維持し近代化できた理由だったのでしょうね。
こう考えると、金融政策というのは本当に偉大です。

べっちゃんべっちゃん 2014/07/22 07:52 江戸幕府が鎖国を決断した理由も中国産絹糸の輸入激増によるインフレが、年金生活者である武士の生活を圧迫したからでした。しかしこれに対処した方法が国内の繊維生産力を引き上げて自給体制を作ることでしたから、非常に合理的なんですよ。

徳川幕府は通貨発行権を持ち、貿易を管理していましたので、経済のことがよく見えたのでしょう。統計も当時としてはそろっていました。貨幣改鋳によるマイルドインフレも「やってみたらうまくいった」というレベルではなく、わかっていてやったのだと思います。

鎖国を守ろうとしたのも、江戸時代前半に自由貿易で経済が揺らいだことを思い出したからではないかと。

リフレ派日銀ウォッチャーリフレ派日銀ウォッチャー 2014/07/27 01:55 日銀にはしっかりと、物価目標のコミットを達成して欲しいですね。

日銀総裁:潜在成長率が上昇しなくても物価目標の達成は困難にならず
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N7LZC76JTSET01.html

岩田日銀副総裁:潜在成長率の強化ないとインフレ下の低成長に
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N667HZ6TTDS201.html