1960年香川県生まれ。精神科医。医学博士。東京大学哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医学教室にて研究に従事。 現在、京都医療少年院勤務。治療の最前線に立つ臨床家の一人である。 心のエクササイズのために、小笠原慧の筆名で小説を執筆。「DZ」で第20回横溝正史賞受賞。
著書である「脳内汚染」はゲーム脳説と同じようなトンデモ本としてネットで叩きの対象とされ、一般に注目されるきっかけとなったようです。
娘がばあばの家に行きたいとのことで、今週の土曜日は私の実家に帰ることにしたのですが、なんだか気分が上がらずどんよりした木曜日のスタートを切っていました。 吐き気と食欲減退ありでしたが、持ち直し、乗りこえましたd( ̄  ̄) なんて親不孝なこと思うんだとお怒りになる方もいるでしょうが、もし私と同じような心境の方がいたら安心して下さいね。思ってしまうのは感情の問題なのでしょうがないです。これまでに感謝しつつも心が辛くなることはまた別の問題であると線引きして、そんなに罪悪感に悩まなくってもいいですよ。 もう知っているかもしれませんが、田房永子さんの「母がしんどい」「それでも親子でいなきゃいけないの?」…
1 本書の概要 心理学書です。 親といるとなぜか苦しい―「親という呪い」から自由になる方法 作者:リンジー・C・ギブソン 東洋経済新報社 Amazon 不適切な親との関係を書いてます。 この場合、不適切なのは「親」です。 「関係」も不適切ですが、原因は親です。 まあ、環境不全による心理不適応の一つですね。 問題は「親」が要因として大き過ぎること。 影響絶大なんです。 今風にいうと、毒親ってことですね。 毒親って言葉自体は、ただの悪口っぽくて嫌なんですが、本書の内容を想像させるにはふさわしいです。 2 どんな親がが問題か 問題があるのは、どんな親か? 簡単にいうと、人の気持ちがわからない親です。…
今回は、前回の続きになります。 ※前回の記事はこちら。 www.kininaruhokuro.com 七月の末に大学病院の精神科に行ってきた。 発達障害だろうなと思ってたけど、先生の口から出てきたのは「境界性パーソナリティ障害(人格障害)」という言葉だった。 一昔前は人格障害という病名だったらしい。ボーダーとも呼ばれてるみたい。 最近、気軽に世間に認知され始めた発達障害なんていう可愛いものじゃなく、人格障害という一切笑える要素のない、ショッキングな単語で成り立っている病名を言われたので泣いてしまった。「嫌だ」とも言いかけた。 先生も言葉を選んで欲しい。”人格障害”ではなく、”パーソナリティ障害…
世間はゴールデンウィークムード。しかし私は今日からしばらく仕事の日々が続きそうだ。連休中、1日か2日くらいは出かけられるだろうか。 だけど全然やる気が出ないので今日もとりあえずパソコンの前でこんなものを書いている。 「くら寿司」にて 昨日は久しぶりに会う10年以上付き合いのある友達が、「お寿司が食べたいけどくら寿司に行ったことがない」というので、「私アプリあるから予約するよ」ということで「くら寿司」に行った。どうでもいいけど後になってから実は2人とも本当は「はま寿司」派であることが判明した。 そして私が早々に「ほたるいか沖漬け」を頼んでいたら「江戸さんお酒飲まないのに酒飲みが好きそうなの食べる…
4月2日は「世界自閉症啓発デー」だそうである。この日から1週間は「発達障害啓発週間」だ。正直、自分に子どもができるまではそんなに関心がなかった。この本によると、自閉スペクトラム症と診断される人は、1970年代は1万人に1人だったのが、いまや、59人に1人だそうである(2018年の数字。米国)。確かに自分の周りでも増えた気はするが、そのような症状を表す言葉ができたことによってカウントされる人が増えたと理解していた部分があった。でも、そうではないらしい。 岡田尊司「発達障害「グレーゾーン」」(SB新書)を買いに行ったのだが、ベースの理解が足りないので、同じ筆者の本書を手に取った次第だ。この精神科医…
2度目まして。 相変わらず生きづらさに喘いでいるタロさんです! これでも愛着障害の勉強を始めてからは少し良くなりました~♪(日によって大きく差はある) ブログは全く進んでいませんが、下書きはたくさん書き留めてあるからだと思います( *´艸`) あとiPadも届いたし書くの楽しい!卒論とか就活の論文もそうだったんですけど、私はネタとか記憶が小出し?断片的?なんですよね。(多分ここには虐待の影響があると思うorz) 一気にワーッと書き連ねるにはキーワードが必要で、逆にそれさえ出てくれば止まらないので卒論時期には寝る時も枕元にメモとペンを置いてました。 まるで締め切りに追われる小説家だね…(-_-メ…
仕事で相談を受けたり、交渉したりと、 人と会話することが多いのだけど、 それが「対話」になっているかどうか、 一度立ち止まって振り返ってみることは大事ですね。「あの人、何言っても通じないんで」 「すぐにキレるんですよ」 「こんなに説明しているのにわかってもらえない」などの困り感をよくご相談いただくのですが、 具体的にどんなやりとりをしたのか詳細に尋ねてみると、一方的に説明や説得をしていたり、 あちらの思いよりこちらの思いを伝える時間と認識していたり、 こちらの提案が正義であり、なぜ正義を受け取れないんだ?みたいなかんじだったり。それだと残念ながら対話になっていないんですよね(;^_^) 人と人…
年末帰省 年末に長女家族と次女が帰省の予定でしたので、長崎まで足を延ばし、両親や弟家族も交え、卓袱を囲もうという算段でしたが・・・ 次女が心身ともに不調で、昨夜飛行機をキャンセルしたようです。 彼女が読んだという本(「母という病」岡田尊司著)について、私が余計なことを言ってしまったのが一番の原因でしょう。 その本の帯に書かれている症状・・・そのほとんどが当てはまっているようです。 せっかく《関係修復》を願って、すべてを話す気になってくれていたのに、私が台無しにしてしまいました。 今、職場で退職者、休職者、欠勤者が続いていて、心身ともに私もクタクタで余裕がなかったこともあるのですが、仕事よりなに…
生きるのが面倒くさい人 ~回避性パーソナリティ障害~ 岡田尊司著 朝日新聞出版 <回避性パーソナリティ障害> ー自分に自信が無くて人から批判されたり 恥をかくのが怖くて社会や人を避けてしまう。 愛されたいが冷たい仕打ちが怖くて相手に近寄れないー 人と会うのが面倒くさい。 喋るのが面倒くさい。 考えるのが面倒くさい。 生きるって超絶面倒くさい。 人と親密な関係になれない。 他人の批判や拒否に敏感。 いつも皆に嫌われてると思う私。 自己肯定感自体がない私。 そんな私は愛着スタイル回避型だから =回避性パーソナリティ障害だろうと 思っていたが両者は、別物だった。 両方が同居することはあるけど、本質的…
岡田尊司さんの「母という病」を読みました。 前回読んだ「シック・マザー」の兄弟本のような著作です。 「シック・マザー」をもう少しかみ砕いて読みやすくした本でした。 分かりやすくする過程で,少し極端に走ったようなところも感じました。 この本の感想を述べます。 特に心に残ったことは,愛着の臨界期という考え方です。 「愛着の臨界期」といういい方は,私独自のもので岡田さんは使っていません。 岡田さんが述べているのは,一歳半までに母子の愛着形成が適切になされなければ,子は人間関係を適切に結ぶような情緒形成ができないということです。 それで愛着形成に臨界期があるんだなと思ったのです。 しかし,これはそこま…
悪とは何か。弱さから生じるすべてのものだ。 (ニーチェ) 【大衆の生態】 【弱者の良心】 【罪人の良心】 【同情の害悪性】 【反逆の強者】 【希望】 【自己犠牲と変態】 『参考文献(?)』 【大衆の生態】 「大衆」とは、ひとりでは右顧左眄眼を彷徨わせて命乞いすることしかできない「貧弱な小人物」だが、寄り集まると大義名分という暴力的動機を手にし、一般的な価値基準から逸脱する存在を踏み躙り、高々と吊るし上げ、首を晒して血祭りに上げ、共同体から葬り去ろうとする「巨悪な集産体」だ。 彼らは、自分の"身の保全"を至上価値に掲げ、危険を感じる人物を察知するや否や、その「不純物」を鉦や太鼓で放逐しようと躍起…
死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係― : 1 (アクションコミックス)作者:中原ろく,松本俊彦双葉社Amazonまあまあ面白い。 低偏差値帯の人への教育と一緒で「報われないのが当然」くらいに思わないとやってられないお仕事 日本は自殺者自体は3万人程度だが、1年間の自殺未遂者数は53万人いる?? うーん・・・。このマンガ大丈夫なのか? https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2018/12/wha_pro_sui_mea_05.pdf 胡散臭い資料がベースになっている!! CASE1 軽度の知的障害。家庭環境は最悪で学校でもい…
自分の愛着の型を知れただけでも良かったと思おう。私は機能不全家族で育った故の不安定な愛着の型を持っているんだ、という自覚があるだけでも違う気がする。 個人主義で不安定、回避型愛着パターンの女、それがわたし。『家』族主義で安定、不安型愛着パターンの夫。だいたい不穏に騒ぎ出すのは私から。 夫婦という病 (河出文庫) 作者:岡田尊司 河出書房新社 Amazon この本でも、この動画でもYOUが夫婦はもっとセックスすればよろしいと言うんだけど、それができてればこんなに悩んでる人いませんわって話だよなと思った。 www.youtube.com 久しぶりだと充分に濡れていてもかなりの確率で痛くなるし、その…
カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら (角川新書) 作者:岡田 尊司 KADOKAWA Amazon 「ナントカ症候群」という症状をよく耳にするようになったけど「カサンドラ症候群」というのは初耳っ!へーっ!なんか分かるような気がするなー!もしかしたら、芸能界で結婚数年後に離婚することが多いのは、このせいなのかな!?φ(..)メモメモ 「知っていれば、お互いラクになる。身近な人がアスペルガーだったら。「カサンドラ症候群」とは、ある種の障害や特性により心が通わない夫(または妻)をもったパートナーに生じる心身の不調。現在、明確な診断基準は定められていないが、発達障害の急増とともにカサンド…
怒りを抑える方法アンガーマネジメントとはについて 怒りを抑える方法アンガーマネジメントとは 怒りという名のモンスターに立ち向かえ! 「もうダメだ!」。仕事や人間関係で怒りに飲み込まれそうになった経験はありませんか?怒りは誰にでも訪れる自然な感情ですが、コントロールできなければ、周囲を傷つけ、自分自身を苦しめるモンスターに変貌します。 しかし、大丈夫!アンガーマネジメントという魔法の剣があれば、怒りを撃退し、心穏やかに過ごせるのです。このガイドでは、アンガーマネジメントの基本から、すぐに使える実践テクニックまで、怒りを抑えるための秘訣を余すことなくお届けします。 さあ、あなたもアンガーマネジメン…
「解毒ノススメ」というブログをご存じでしょうか? 人生どん底の時期にこの方の毒親戦記に救われました。自分が内省を始めたころは、まだまだ「毒親」という言葉は耳慣れない時代でした。そんな頃、イギリス在住で現地の方と結婚した解毒のススメさんの等身大の解毒記事はとても印象に残っています。毒親本のバイブルである「毒になる親」をはじめ、愛着障害や人格障害の書籍を多数執筆されている、精神科医の岡田尊司氏の書籍紹介など、彼女のブログは当時の自分にとって、目から鱗の連続でした。 残念ながら、現在はブログを閉じてしまっているようです。最後の記憶は、解毒ノススメさんが、ヨーロッパで友人を募集していたことです。着実に…
*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.63 目次・「テレビのニュースでアナウンサーがわたしの噂話をしている」・思い出された実例「授業中に先生がわたしのことを話している」・自信にもとづく現実修正解釈を別の角度から・外出先で周囲に監視されていると思い込む・電車で隣に座っていた人の貧乏ゆすりを自分への暗号だと信じ込む・周囲のすべてが敵に思える 先日、あるアプリを覗いていたところ、若いときに統合失調症と診断された、ひとりの女性を紹介する記事に出くわしました。 その記事には、当該女性がそのころ抱いていた考えや思いが、「統合失調症による妄想」として紹介されていました。 <><><><><><>…
「イエスは彼に答えて言われた、「わたしのしていることは今あなたにはわからないが、あとでわかるようになるだろう」。」 ヨハネ13-7 神の計画や意図が信仰の視点から人々には理解できないが、将来的には明らかになるということがあります。私たちが現在直面している出来事や状況が、神の計画の一部であると信じるものは幸いだとおっしゃるのです。 幼い頃から自分の存在を否定され、心の拠り所を求めて、親や周囲の人のご機嫌を取り続け、他人の心の重荷を負い続けてやがて自分自身の心が崩壊する時も迎えることがあります。怒りを爆発させ、周囲に攻撃を加えることもあれば、周囲との接触を断って、アルコールや異性関係に依存し、最悪…
発達障害グレーゾーンとは? 障害があると診断されるレベルではなく、診断までは至らないレベルのグレーの人。 生きづらさの原因は、障害まで至らないので認知されず、守られないため、通常の社会にでるしかなく社会的に厳しい環境におかれてしまう。 「変わった人」「身勝手な人」「どんくさい人」 などと、見られて環境になじめなかったり、不利な扱いをされてしまう。 虐待やイジメなど受けやすかったり、トラウマを抱えてしまったり、安心感や対人不信、自身のなさ、回避的な生きき方をしてしまいやすい。 ■発達障害グレーゾーンタイプ■ 同じ行動を繰り返す 空気が読めない イメージするのが苦手 共感するのが苦手 かなりの過敏…
発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン 岡田尊司 第1章 睡眠と生活リズムを整える 第2章 楽しみと心地よいルーティンをもつ 第3章 感じのいい人になる 第4章 心を開き、安全地帯を手に入れる 第5章 自分を守れる人になる 第6章 こだわりと白黒思考から自由になる 第7章 不安やネガティブな感情に対処する 第8章 人生をコントロールする 第9章 自分自身とつながる 第10章 すべての苦労が恵みとなって返ってくる この本は10章からなっており具体例なども記されてい る。 分かりやすい文章で読みやすかったです。 心に残ったのは ◎うまくいくための土台はいい睡眠と安定した生活リズム から(第1章) …
今年は個人目標として、5冊の読書を掲げているが、2月も5冊ほど読む(聞く)ことができたので、3月も前半戦が終わりそうなタイミングではあるが、ここでは2月に読んだ(聞いた)本の感想をまとめておきたい。 2月に読んだ(聞いた)本は以下のとおり。 ・価値こそすべて(紙の本) ・日本製鉄の転生(紙の本) ・Sleep, Sleep, Sleep(Audiobook) ・自閉スペクトラム症(Kindle) ・サイコロジー・オブ・マネー(Audiobook) 価値こそすべて 「価値」こそがすべて!―ハーバード・ビジネス・スクール教授の戦略講義 作者:フェリックス・オーバーフォルツァー・ジー 東洋経済新報社…
誕生日って何をしていいかわからない。 厳密にはまだ誕生日でもないのだが、誕生日前最後の休みなのでほぼ誕生日と見てよいと思う。 学生の時は友人同士で誕生日が来たら祝うというのが一般的だったし親に「ケーキでも買ってきたら?」と雑に2000円を握らされてシャバシャバの雪道を歩き家族の需要に応じたケーキを買ってきていたのでまあなんとなくやる事があった。 しかし一人暮らしで同じ毎日の繰り返しをしていると別になにか無理に誕生日を過ごす必要はない。学生の頃先生の誕生日を祝ったりしていて、その時に先生がわりとマジで己の誕生日を忘れていたりしたのはこういうことなんでしょうと気付きを得ました。 さりとて何もしない…
以前、ブログで紹介した「生きるのが面倒くさい人(岡田尊司)」の本に載っている、ハタネズミを使った愛着の研究が面白かったのでご紹介したい。 ↓以前のブログ popololo-nyanya.hatenablog.com ↑Copilotに書いてもらったハタネズミの絵(かわいい) ハタネズミのライフスタイルとオキシトシン ハタネズミ属に属する"サンガクハタネズミ"と"プレーリーハタネズミ"は、遺伝子レベルでは近縁の種であるが、ライフスタイルがまるで違う。具体的には以下のような違いがある。 サンガクハタネズミ 山地に住む 発情期にだけ異性と交わりを持つが、交尾が終わるともう二度と会うこともない 母親は…
『ラブ・オン・スペクトラム』は、オーストラリアから始まりUSでも始まった自閉症スペクトラムの人々の出会い系リアリティ番組だ。 登場人物は年齢も性別も様々で、非常に個性的。一口に「自閉症スペクトラム」といっても、その症状や個性の現れ方は非常に多彩なことがわかる。また、登場人物の中には同性に惹かれる者もおり、クィアであることが非常に自然に扱われている。 番組の中では自閉症スペクトラム当事者のためのデーティングコーチが登場し、コミュニケーションやデートの場での適切なふるまいについてレクチャーを行う。こういう手取り足取りな「デート指南」というのは、結構必要な人多いんじゃないかなと思う。先日日本の『ザ・…