政府の市場への介入を最小限にし、個人の自己責任を重視し、国家による経済政策・社会政策を最小限にする考え。Limited government。 アダム・スミス以来の伝統的な自由主義に立した思想。この思想に特化した場合、夜警国家・最小国家とも言う。 日本における推進派は政党としてはみんなの党、日本維新の会が、個人としてはマック赤坂などがいる。
中国政府が営利目的の学習塾を禁止して2年が経ちましたが、中流家庭が学習塾ではなく家庭教師を利用した結果、かえって教育費が増大しているという記事を読みました。学習塾の禁止はつめこみ教育から脱却や親の経済的負担を軽減させることを目的としていたようですが、入学試験がペーパーテストである限り学習の必要性に変わりはなく、それゆえ闇市場で家庭教師を利用することになっているようです。こうした事情が中国社会の中でどこまで一般的なのかは分かりませんが、入学試験という競争に勝つために教育にお金をかけざるを得ず、教育にお金をかけることができる家庭で、かえって教育費が増えてしまうのは理解できます。今回の記事で面白いと…
だいぶ前のことになりますが、政府による新興企業の育成支援策が記事になっていました。記事によると米航空宇宙局(NASA)がスペースXを顧客として支援し、同社の立ち上げに貢献した事例をモデルケースにしているそうです。小さい政府を信奉する私は、企業の育成は政府が行うべきことではなく、投資家や融資を行う金融機関が行うべきと考えています。ただ今回の事例は政府が経営に口を出すのではなく、顧客として発注することを通じて企業を支援することを想定しているようで、それであれば政府が企業を育成する余地はあるように思えます。ただし顧客としての支援にも限界はあります。まず政府からの発注を希望する企業は無数に存在するはず…
物価上昇対策が世界中で検討されており、日本でもガソリン補助金や給付金等の措置が検討されています。小さい政府を信奉する私は、こうした対策は本当に困窮している人・企業に絞られるべきで、また既存の生活保護のような制度(生活保護という仕組みに運用上の改善点があることは認識していますが)を活用することで、困窮している人に対する援助は可能と考えています。このように考えている私ですが、この対策は確かに必要だろうと思える対策が記事で紹介されていました。エネルギー取引において、価格変動の拡大に起因した巨額の追い証が発生しており、これを政府が一時的に肩代わりすることが考えてられているそうです。追い証を払う必要があ…
前回、相対的貧困率について触れてみた。 fukuchanstudy.hatenablog.com 日本の所得分布図 所得分布に関する実際のグラフ・ヒストグラム 等価可処分所得金額階級別世帯員数の相対度数分布 貧困線以下に注目 格差の拡大 相対的貧困率を低下させるには ベーシックインカムという政策 日本の所得分布図 言葉の説明だけではピンとこなかったかも知れない。そこで見える化を図ってみよう。まず、そもそも日本の場合、所得の分布図はどのような形だと思うか?下の分布曲線から選んでみよう。 おおかたの先進国はCの形をとるようで、低~中所得層が多く、富裕層は少ない。ただし、富裕層の中にはとんでもない富…
日本政策投資銀行がその主力業務を融資から投資へ切り替えることを計画しているようです。日本政策投資銀行については株式会社に転換し、国が100%保有するその株式を売却する方針が決まっていますが、東日本大震災に関連した融資への対応もあり、売却計画は棚上げされている状態と認識しています※。今回の投資事業への注力は、将来的な株式売却に備え、国が株主であり、それゆえにリスクの取れる現在のうちに、企業としての収益性を高めておこうということかと思いました。民間銀行が貸出先の確保の苦心する中、政策投資銀行も貸出先の確保には苦労しているでしょうから、投資事業に注力する方針は経営方針として正しいように思います。問題…
香取照幸『教養としての社会保障』(24) 今回は、第7章 【国家財政の危機】「将来不安」を払拭するために何をすべきか 第2節 社会を覆っている「不安」である。*1 「将来不安」を払拭するために何をすべきか というタイトルであるが、日本社会を覆っている「不安」についての記述がほとんどで、具体的に「何をすべきか」についてはふれられていないようだ。 香取は、「社会を覆っている不安」について3つあげている。 1.経済や社会の将来への不安 世界経済が大きく変動する中で、昔のように日本は安定的な経済成長ができなくなっている。働けど働けど給料は上がらない。会社が潰れたり、リストラされたりする。 その不安を増…
小さな政府論の愚かさ 小さな政府論の愚かさ 時流か?思想の退廃か? 小泉・竹中構造改革以降、保守と言われていた人達は小さな政府論に流される現象が起きていた。この姿勢はとても保守とは言い難く、新自由主義に乗っかったにしろ、思想の退廃と見るべきではないだろうか。市場に任せる「市場原理主義」のような、なんでも民間に任せてしまおうとする思想に同意した時点で保守の肩書は外すべきである。なぜならば、自然災害や予測できないことが起きた場合、合理化を求める民間企業ではそれら危機に対して非常に脆弱だからだ。 今すぐ来ない災害だと思っていても、災害は常に起き続けてきた。金融危機にしろ貿易にしろ、不確実さに対する民…
この記事では、医療についての数字をみていくことで、日本の医療提供体制について考えてみたい。 医療提供体制の強化については自民党総裁選の討論会でも記者から質問がでるなどメディアの関心は高い。候補者の中にはホームページで医療提供体制の強化に関する自らの政策を主張している者もいる。 私は専門家ではないが、各候補が医療提供体制について語る際に具体的な数字が出てこないことが非常に気になった。「医療提供体制を拡充します」という言葉を発することは誰でもできる、では具体的にどの程度の拡充が必要なのか、そうした具体的な数字が出てこないということは真剣に検討をしていないのではないかという疑念が拭えない。 自宅療養…
リベラルってなに? リベラルという英語の意味 リベラルとは なにか ヨーロッパでのリベラルについて アメリカでのリベラルについて 日本でのリベラルはどっちか 日本は大きな政府なのか小さな政府なのか GDPに対する政府支出の割合 追記 就職・転職サイト集 コロナ感染防止グッズ 熟睡グッズ スキンケアグッズ マイナポイント リベラルってなに? テレビなどで政治の話題になったとき、政治家やコメンテーターが「リベラル」という言葉を発することがあります。 こんなとき、家族から「リベラルってなに?」と聞かれたらすんなり答えられますか? 私は以前読んだ本、前総理の安部晋三氏の書かれた「新しい国へ」に書かれて…
「ますます特権を増大させるわれらが特権階級は、逆説的だが、ますます欲求が満たされず、ますます貪欲になり、ますます国家に敵意を抱くようになる。 基本的所得格差が法外な比率で増大していくような世界では、富裕者は、己の納税額が減少することを要求し、現に認められる。彼らは、ますます小さな政府、ますます数少ない公務員を望むのである。これは、もはや経済的有効性の論理ではなく、権力の力学である」(E・トッド) 〈以下の引用は長文ですが、読むに値する論考です〉 「日本経済の未来について、経済団体(経営者団体)や有名企業経営者がその予想、改革への提言を行うことは何ら珍しいことではない。様々な競争を勝ち残ってきた…
たまの政治批判記事。
いよいよ大阪万博まであと1年です。 TVでの特集が組まれて居るが、気になる。 前回の大阪万博は、子供だったので微かに覚えている。 しかし、父の仕事が忙しくて、結構、近所の人は行っていたのに 行かずじまいで悔しい思いもある。 大阪万博は、開催について賛否があった。 でも、東京中央集権が嫌だと思っているので、この際、 道州制に移行する事も踏まえて、関西圏で独立自治区が出来るところで、 大阪万博を盛り上げて欲しいですね。 中央政府は、小さな政府にして、国会議員を3分の1にして欲しいです。 もう、自民党とかいらない。 関西圏は、関西自治区にすべきです。 東京が地震で潰れても、なんとか関西圏で日本国を支…
『アマゾン文明の研究/実松克義』『雪に撃つ/佐々木譲』『孤独の絆/藤田宜永』と『世界6月号』『前衛6月号』を書きます。 『アマゾン文明の研究/実松克義』 世界一の大河、アマゾン流域に古代文明があったという本です。先行研究の分析と現地調査に基づいて書かれてありました。まだまだ謎が多く、すっきりと終わりませんが、とても面白い本でした。注)も含めて340頁の大部です。 文明もそうですが、アマゾン川自体もとてもすごい川だと思いました。日本の川とは根本的に違います。 最遠の源流はペル-・アンデスで6800kmの長さで、流域面積は約700万㎢(米国より広い)です。 河口にあるマラジョ島は4万㎢と九州より大…
アルゼンチンのミレイ大統領の言動はリバタリアンの熱い注目を集めていますが、彼が今年2月に米国の「保守政治行動会議(CPAC)」で行った演説は、オーストリア学派経済学のマニフェストというべき内容で大きな話題になりました。 自由主義経済学について紹介しておられる自由主義研究所*1のサイトにこの演説の素晴らしい翻訳がありますので、ぜひご覧ください。 「自由のための戦いを諦めてはいけない」~ミレイ大統領CPAC演説全文 |自由主義研究所 (note.com) 演説はCPACのような政治集会にはやや不似合いとも思える理論的内容ですが、オーストリア学派経済学者としてのミレイ氏の信念を知る上で非常に興味深い…
【竹中平蔵は維新の会のブレーンだった!!】「民営化」日本を欧米に売り飛ばす役回り「竹中平蔵と維新の深い関係」~竹中平蔵と維新「民営化」売国政策!日本を米国に売る方法~ ■コロナ拡大の大阪でさらなる危機 IR誘致が泥沼化し、血税投入へ「竹中平蔵氏との関係」危惧も AERA dot. (アエラドット) 2022/02/17 https://dot.asahi.com/dot/2022021700050.html?page=1 ~~~ 新型コロナウイルス感染拡大が深刻化し、「緊急事態宣言」の要請も視野に入っている大阪。 感染拡大をよそに着々と進んでいるのが、大阪府と市がベイエリアの埋立地、夢洲(大阪…
その日読んだ漫画や本の雑感をまとめておくエントリです。 リンク切れや無料期間公開終了などご容赦くださいませ。 本日は漫画7件、本1件の感想です。 【comics】 『ミライライフライ』3話 アフタヌーン2024年5月号 『ごぜほたる』 「とある実験とシカクについて」 『百姓貴族』ウィングス2024年4月号 『犬』※Twitter発表 『サチ録~サチの黙示録~』[第二十一話] 『つやを編む』 【books】 『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』 【comics】 『ミライライフライ』3話 アフタヌーン2024年5月号 afternoon.kodansha.co.jp 中国、熾烈な学歴社会で自…
大幅な政府支出の削減を求める共和党下院の(強硬派の)主張が退けられ、今年度の予算が上院でも可決成立してバイデン大統領はほっと一息。なんとか政府閉鎖の危機だけは免れた(*1)形だ。 今棚上げになっているウクライナ支援はもちろん、米国政府閉鎖となったらさまざまな問題が生じる。直接的には、 ・連邦職員の多くが自宅待機となり、業務ができない ・国立公園、博物館等は閉鎖、パスポートなどの申請も遅滞 ・政府と契約している民間企業でも、業務継続不能になりかねない などだが、政府支出はGDPの25%であって、長引けば経済そのものに影響する。これは1980年頃から「政府は予算が無ければ支出できない」との予算法の…
TBS 日本維新の会が勢いを欠いているのは、様々な不祥事の影響があるだろう。改革を 標榜ひょうぼう するだけで、目新しさが薄れた面も否定できない。 大衆迎合色の強い政策を転換できるかどうかが、浮沈のカギを握るのではないか。 維新が党大会を開き、新たな活動方針を決めた。次期衆院選の目標について、従来の「野党第1党の獲得」に加え、与党を過半数割れに追い込むことを掲げた。 馬場代表は昨年、維新の立場を「第2自民党でいい」と述べ、自民党への協力姿勢を示していた。「与党過半数割れ」の目標を打ち出したのは、政治資金問題で支持を失った岸田政権と距離を置く狙いがあるようだ。 維新は昨年の統一地方選で地方議員や…
原題:Bigger Government: The Future of Government Expenditure in Advanced Economies (Arolla Press, 2020) 著者:Marc L. Robinson(1953-) 財政学。財政コンサルタント。 訳者:月谷 真紀[つきたに・まき](1967-) 英日翻訳。 装幀:野網デザイン事務所 件名:財政 NDLC:DG8 経済・産業 >> 財政 >> 財政史・事情 NDC:342 財政 >> 財政史・事情 日経BOOKプラス 政府は巨大化する 小さな政府の終焉作者:マーク・ロビンソン日本経済新聞出版Amazon …
中曽根康弘のブレーンだった高坂正堯は、中曽根がもくろんだ「防衛費対GDP比1%枠」の撤廃に反対した。それが今では野党の政治家までもが‥‥ - kojitakenの日記 勿論「泉立民」は岸田軍拡への批判はまるで弱い。また「れいわ山本」も批判は弱いかもしれませんが、社民党や共産党は勿論軍拡批判をしてるので「野党が軒並み軍拡批判をしてない」かのような「この記事タイトル」は全く不当です。 しかも記事本文では泉立民、れいわ山本批判ばかりで、共産、社民に全く触れないから呆れます。 あげく「そんな野党の体たらくの中で、俺は軍拡批判をしてる」と自画自賛だから「何処まで思い上がってるのか?」と心底呆れます。 い…
そんなに大そうな話が出来るわけでもなし、たぶん難しくも ない話です。 「大きな政府」「小さな政府」という言葉がありますね。 大きな政府というのは、福祉が国民の隅々まで充実していて、 その代わり税金が高く政府予算も大きい体制で、小さな政府 というのは、税金も安く政府予算も少ないので「自分で稼い で生活して」というスタイルです。 小さな政府は自由がきき易いですが、貧富の差が出やすい ですかね。 スウェーデンが大きな政府の代表で、アメリカは小さな政府 の代表のようです。 日本はアメリカに近いらしいです。 で規模は全然違いますが、自治体の住民の関係にもこの考えは 影響しているかと思います。 特に、市役…
【タグの誤入力を修正(更新:2024/03/23 sat)】 洗脳フリーレン(?).jpg2024/03/21 thu:pv 2008【記事総数:115(当記事含む)】 執筆期間:2023/10/24 tue - 2024/03/20 wed (春分の日) 執筆期間が長くなった原因として『有識者・知識人(御用学者)』の嘘言動に攪乱されて真実に辿り着くまでに無駄に遠回りさせられた現実がある。新自由主義は、人道的、道徳的に見て『駄目な経済システム』だと断言する。そうやって前途有望な人材の貴重な時間を無駄に奪っていくのは自明…もはや国家が経済成長の邪魔をしているとしか思えない。 岸田が言った『新しい…
自民党の裏金問題はなかなか全容解明が進みません。 それもそのはず政治倫理審査会には強制的な捜査権もなければ、政治倫理審査会での発言について偽証罪に問うこともできません。 そもそも今政治倫理審査会で取り上げられているのはパーティー券の売り上げをいつから議員本人に還流するようになったのかといった話なので、別にそれ自体は法律的に違法だの何だのという話ではなさそうです。 単純に還流して議員本人に入ったお金を収支報告してなかったら脱税じゃないの?脱税したら追徴課税されるんじゃないの?それが実行されないのは何でなの?権力者の罪は問わないってなったらもはや法治国家って言えないじゃん?という、一般市民の素朴な…
2024年3月18日投稿 前回からの続き 「改革の時代」は終わり、「政治の再イデオロギー化」が、2000年代中葉から20年の政治のテーマだ、とするのが本書の著者の見解である。もちろん、その中心人物は、安倍晋三である。日本政治は憲法問題や防衛政策といった保革対立争点が、再び政治の焦点となってきた。著者は、55年体制的な政策的対立構造への回帰の過程とも述べている。 2005年9月の郵政選挙で自民党を大勝に導いた小泉は、2006年10月の総裁任期満了で勇退した。この時の自民党の派閥の状況は、小泉を出した清和会(清和政策研究会)がもっとも存在感を示していた。旧竹下派(経世会)は、小泉から古い自民党の象…
映画「汚れた手(原題:Likaiset kädet)」を、ユー・チューブ(You Tube)で無料で英語字幕で観た。 この映画は1989年のテレビ映画で、映画のジャンルは第二次大戦ナチス・ドイツ暗殺ものだ。 この映画には、原作がある。それは、フランスの哲学者ジャン・ポール・サルトルの描いた劇の「汚れた手(原題:Le mani sporche)」だ。この劇の「汚れた手は」、このアキ・カウリスマキのテレビ映画「汚れた手」とは、舞台が違う。原作のサルトルの劇の方は舞台は、エドリア海の東岸のイッリリアというモンテネグロからアルバニアの北にかけての架空の国だ。アキ・カウリスマキのテレビ映画「汚れた手」の…