Susan Sontag、1933年ニューヨーク生まれ、 ハーヴァード、パリ大学で哲学を学ぶ。 雑誌編集者を経て大学で哲学を講じる。 2004年12月28日没。
アメリカの批評家、作家。代表作に『隠喩としての病』『反解釈』『写真論』など。
なぜ「スーザン・ソンダク」と誤って記憶している人が多いのかは疑問。
一味違うソンタグの入門書 スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想 (集英社新書) 作者:波戸岡 景太 集英社 Amazon 波戸岡景太『スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想』は、ソンタグの著書『ラディカルな意志のスタイルズ』の翻訳も手がけた著者による、ソンタグ入門として書かれた新書だ。 スーザン・ソンタグは1933年に生まれ、2004年に没したアメリカの批評家にして作家である。『反解釈』『写真論』などの著書で特に知られ、またベトナム戦争から9・11に至るまで、社会問題についても積極的な発言を行っていたという。また60年代のデビュー時にはスター的な存在となり、さらにその私生活は波乱万丈…
2020年6月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 ちょっと不思議なことがあった。 今年の正月、私はかなり具体的な初夢をみた。起きてからしばらく残っていたので、私はそれを、フェイスブックに投稿した。 夢をソーシャルメディアで書くことなどまずないが、誰かがその意味を教えてくれる気がして書いてみたくなった。 <初夢は70代のスーザン・ソンタグと意気投合し、この人のために何かしてあげたいと思っている夢。ずいぶん前に読んだ人だが、なぜ今頃。途中で止めた「火山に恋して」に何かヒントがあるのか。してあげたいというのが、おこがましい感じで嫌だなと思って目が覚める> 友人数人からは「自分も昔…
こんにちは。 今日読む予定の本。 「隠喩としての病」は、できれば今日中に読み終えたい。 「ヨブへの答え」のほうは、他の本と並行したら読むことになりそう。 ヨブへの答え 作者:C.G. ユング みすず書房 Amazon ユングの本って、ちゃんと読んだことがなかった気がする。読了したのは、ずっと前に読んだ伝記マンガくらいだろうか。 マンガ ユング深層心理学入門 (講談社+α文庫) 作者:石田おさむ,大山郁子 講談社 Amazon 分析心理学・自我と無意識 (まんがで読破) 作者:ユング イースト・プレス Amazon たぶん上の二冊のどちらかを読んだのだろうけど、もう手元に本がないので確認できない…
随分前に読んでいたのだが、まとまらないので書くのは止めていたが、別に論じるわけでもないし、きちんと理解できていないのを認めた上でそれなりに整理しようと思い、また手にとってチャレンジすることにした。著者の波戸岡景太さん(明治大教授)は「こいつ、読めていないな」と思うだろうが、それはしょうがない。 スーザン・ソンタグ(1933-2004)に出会ったのは(もちろん著書に)、たぶん1980年代後半か90年代前半。自分の給料で本を買えるようなった頃。「隠喩としての病い」が最初だった(原書は1979年刊)。ソンタグ氏はすでに知識人として名は成していて、こちらからすれば「背伸び」の対象。当時は、みすず書房や…
朝のオキザリス・バーシカラー 閉じた状態のオキザリス・バーシカラーは、上画像のようになっている。というか、もっともピントがきているヤツはまだ、あまり開いていない花かもしれない。後ろのボケたヤツは閉じ方が緩いので、そのアタリの加減がどの様なコトになっているのかは分からない。 真剣に観察して追及する情熱もないのだが・・・そのうち気付くかもしれない。 地植えのビオラたち さて、寒いので、庭に出ないで窓際から撮影。望遠レンズは便利だ※。そしてオリンパス改めOM SYSTEMだけど、ワガハイの機材はまだオリンパス時代に購入したモノだ。やっぱり軽量だから助かる。腰痛持ちには巨大な望遠レンズは拷問でしかない…
読んだ本 ヴァルター・ベンヤミン『来るべき哲学のプログラム(新装版)』晶文社 (2011) スーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている:日記とノート 1947-1963』河出書房新社 (2010) 大江健三郎『新装版 大江健三郎同時代論集10 青年へ』岩波書店 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『新装版 大江健三郎同時代論集10 青年へ』 メモ "ガストン・バシュラールによる、次のような想像力の定義を、※※君よ、僕はこれまでいくたびか自分の考え方の根幹に置くといってきた。《いまでも人々は想像力とはイメージを形成する能力だとしてい…
読んだ本 スーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている:日記とノート 1947-1963』河出書房新社 (2010) 苫米地英人『日本転生 絶対絶命の国の考え方』TAC出版 (2023) 古川日出男『の、すべて』講談社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日から小説を少しづつ書き始めた。 もう思考実験をいっそ小説のなかでやってしまえ、ということで、書きながら、考えながら、情報を引き出しながらも仕入れながら、とにかくいろんなことに忙しい冬になりそうである。 ・・・ 『私は生まれなおしている』 メモ "私が作家、優れた作家である状態を…
読んだ本 ジェフリー・ロバーツ『スターリンの図書室:独裁者または読書家の横顔』白水社 (2023) ヴォルテール『カンディード 他五篇』岩波文庫 (2005) スーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている:日記とノート 1947-1963』河出書房新社 (2010) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 だいぶ久しぶりに紀伊國屋書店新宿本店へ赴いた。 店内がリニューアルして綺麗になったのはいいのであるが、正直なところ個人的には前の配置がよかったと思っている。 人文書関連のコーナーが非常に狭い。ひとり立ち読みしていたら狭すぎて通路が塞がれるときがある…
突如写真に興味を持ち始め、どこへ行くにもカメラを携えていた若かりし頃、「これ読んでみなさい」と知人から渡されたのが、この本だった。 「写真論」スーザン・ソンタグ著 近藤耕人訳 晶文社 原書の刊行は1977年、今から46年も前のこと。 なのに時代遅れと感じるどころか、最初から最後まで、まるで今を語っているようで、時代を超えた名著である。 この本は写真について、だけじゃない。 著者スーザン・ソンタグは写真を通して、芸術を、文化を、アメリカを、現代社会を、世界を、見据え論じる。 対象には決して介入せず、外側から見つめ、考察し、その姿勢は熱心ながら冷めており、気遣いながらも突き放し、世界を俯瞰する彼女…
昨日の補足から始めようと思う。 etsuro1.hatenablog.com スーザン・ソンタグの「写真論」って、ナニかと論じられ、註解され、引用されたりする。だが、この本を語るにしても読解するにしても、フォイエルバッハを避けて通るコトが出来ない。そして無神論とはいうものの、無神論者にもいろいろなスタンスがあるので一括りにしてしまうのも違うねぇ。 ソンタグはユダヤ系、フォイエルバッハはど~だったっけ?まあ、若い頃の著述にキリスト教批判とされる箇所があって失職したんだっけ?いずれにせよ、キリスト教という宗教・宗派については信仰が無かったり、不信感を抱いたりしていた・・・ってな感じかなぁ?だが、イ…
写真パート8科学と法医学カメラには、ダゲールとフォックス タルボットが顕微鏡の接眼レンズに取り付けて天文現象 (日食など)、小さな生き物や植物などの科学現象を記録する手段として長く傑出した歴史があります。 (顕微鏡観察において)およびより大きな標本のマクロ写真撮影に適しています。 このカメラは、犯罪現場や 1861 年のウートン橋崩落などの事故現場の記録にも役立つことが証明されました。訴訟で使用するために写真を分析するために使用される方法は、総称して法医学写真として知られています。 犯罪現場の写真は通常、俯瞰、中距離、クローズアップの 3 つの視点から撮影されます。 1845 年、キュー天文台…
2020年11月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 黒澤明の映画「七人の侍」のラストシーンに長く「偏見」を抱いていた。 平和が戻り、嬉しそうに歌いながら田植えをする百姓を眺めながら、野武士との戦いに生き残った侍がこう語る。 「勝ったのは我々ではなく、百姓たちだ」 長い映画の終わりにそう宣言するのは、志村喬演じる侍たちの長だ。百姓に雇われた浪人侍7人のうち4人が討ち死にし、土まんじゅうに刀を突き刺した彼らの墓を映してエンドマーク。そんな映像が今も残っているが、私は20代末のころから、この終わり方が少ししつこいと思ってきた。 作品を初めて見た中学2年のときはそうは思わなかった。…
こんにちは。 長女さん(27歳・ASD)の風邪が少し長引いている。 鼻水と頭痛、時々微熱。食欲もあまりない。ドラッグストアで買った葛根湯を飲むと改善するので、このまま治るかもしれないと、様子をみている。 今日(4月25日)は頭痛もないとのことで、就労支援の作業に出かけていったけど、だいぶ疲労したようだった。 (_ _).。o○ 「隠喩としての病い」を読み終えたので、同じスーザン・ソンタグの「反解釈」を読もうと思ったけど、少し柔らかいものを間に挟んでもいいかな、と思ったのが運の尽き。ラノベの大量乱読をしてしまった。 ほとんどが「小説家になろう」の作品なので、Kindleの読了数はそんなに増えてい…
●映画評論家●映画史家●他 ●映画評論も手掛けた小説家 ●映画理論家●哲学者 ●評論家・批評家出身の映画監督 ●批評家としても活躍
こんにちは。 あっという間に四月が終わりに近づいている。 あと二ヶ月で、一年の半分が終わってしまう。 なんにもしてないなあ… (´・ω・`) 一昨日だったか、亭主(教師)と末っ子(学生)が、クラスにキラキラした名前の生徒が増えてきたという事例つきの話で盛り上がっていたときに、長女(ASD)が真顔で放った一言。 「読めない名前は困る」 頷くしかない。 たまたまX(旧Twitter)で、 「#エビデンスははっきりしないが合理的な見解」 っていうハッシュタグがトレンドに上がっていたのを見て、まさにそれだなと思って、ちょっと笑った。 いや、エビデンスははっきりしてるか。 読めないと、出欠取ってる先生が…
前々回、スーザン・ソンタグがナン・ゴールディンと荒木経惟について言及したと書いた。 jisuinigate.hatenablog.com 友人から、それは『スーザン・ソンタグから始まる/ラディカルな意志の彼方へ』(2006)という追悼シンポジウムをまとめた本に書いてるはずだと教えてもらった。 取り寄せてみると確かに昔立ち読みした赤い本とはこの本だった。該当箇所である浅田彰の発言を引用する。 「その後、アニー・リボヴィッツが来て、ちょっと写真のことも話しました。アラーキーこと荒木経惟について、僕が「キモノ姿の女をSM風に縛ったりしたアラーキーの写真が西洋で異常に受けているけれども、これは日本に性…
こんにちは。 あまり動かない一日だった。 体調が悪いとかじゃなくて、身体を動かす気力が全くない感じ。 かといって、抑うつ気味というわけでもなく、読書はしたし、食事も取れている。 一応、胃腸炎の病み上がりなので、養生という名目で、不動を自分に許して過ごした。 夜、夕食後になって、少しづつ動く気力が戻ってきた。明日には出歩けそうだ。 (_ _).。o○ 夕方、ケアマネさんから電話をいただいた。 息子が将来的に入居できそうな、近隣の障害者施設のリストを送ってくださるとのこと。 出来るなら、気軽に会いに行ける距離にいて欲しい。難しいかもしれないけど。 (_ _).。o○ スーザン・ソンタグ「隠喩として…
こんにちは。 台風みたいに風が強い。 (_ _).。o○ 感染性胃腸炎なのか風邪なのか分からないけど、亭主以外の家族に頭痛、発熱、腹痛、嘔吐をもたらした何かは、ほぼ終息したようだ。 末っ子(19歳・ADHD)は、まだすっきりしない様子だったけど、新学期早々に必修の講義を欠席したくないと言って、頑張って大学に行った。 長女さん(27歳・ASD)は、先日体験入所したグループホームについて、ケアマネさんと話し合いをするために、亭主と一緒に出かけた。 今回、入所中に胃腸炎をくらってしまい、少々残念な体験になってしまったこともあり、あと何回かショートステイをしてみてから、今後のことを決めることになったそ…
マシュマロを設置したところ質問などをいただいたので、すでにキャスなどで答えたのも含めて回答します。昔のプロフ帳文化が大好きで、答えを考えるのは結構楽しかったりする。でも匿名だからといって悪口を入れてくるのはダメです……。短い人生の時間をもっと他のことに使って欲しい。 マシュマロ→茅野にマシュマロを投げる | マシュマロ Q1.ジェンダーの勉強を始めたいと思っているのですが、おすすめの入門書はありますか? A1.ジェンダーの勉強といっても、あなたの関心がどのあたりに向いているのかによっていろいろですが… ざっくりLGBTとは…みたいなところだと森山至貴『LGBTを読み解とく』、フェミニズム系では…
高崎生活も残り少なくなり、プロジェクターと広い壁のある部屋ともお別れなので映画をとにかくたくさん観た一か月。充実していた。 -思想- 栗原康の『超人ナイチンゲール』、森元斎の『死なないための暴力論』という現代日本の二大アナキストの本を読んだ上で、ジェームズ.C.スコットの『実践日々のアナキズム』を読んで完全なるアナキズム脳になった。常に権威や支配や暴力に対して敏感でありたい。 暴力について考えついでに『ガンディーの真実』も読んだが、教科書的な説明とは一味違うガンディー論で面白かった。『笑いの哲学』で笑い、『スーザン・ソンタグ』で写真や映画についても哲学的に学ぶことができた。どんどん自由に批評・…
波戸岡景太『スーザン・ソンタグ』(集英社新書)を読む。副題が「脆(もろ)さにあらがう思想」。昔『反解釈』が話題になったアメリカの知識人で批評家・作家だ。私も『写真論』と『他者の苦痛のまなざし』は読んだけど、小説『死の装具』は50年近く前に買ったまま、まだ一度も読んでいない。 三牧聖子が朝日新聞で本書を紹介している(1月13日付け)。 著者が注目するのが、ソンタグの「ヴァルネラビリティ(脆さ)」に関する思考だ。ソンタグによれば撮影とは被写体のヴァルネラビリティに関与することである。この姿勢なしに苦しむ被写体を見ても、その苦痛は決して理解できない。ソンタグは、苦しむ体に興味を抱くのと同じ人間が裸体…
藤井さんへ 儀礼的な挨拶に見えるかもしれませんが、鳩アンソロジーではお世話になりました。故郷喪失アンソロジーも企画されているとのことで、バイタリティに頭が下がります。 故郷喪失について考えていたのですが、ディアスポラや災害避難、難民などに目を向けると、自分の喪失感がままごとに感じられます。自分は数年前に鬱病になって以来、だいたいベッドでゴロゴロしているのですが、喪失感を脳内物質の作用による虚無感と半分無意識に混同しているに過ぎないように思えます。実家へも、煩わしいと感じる一方で、大学の学費も、上京先のアパートの家賃も負担して貰っているのが現状です。 敷衍して「故郷」を捉えても、先日、分断と喪失…