ある大学の研究室で、国文学者のF先生と話していた。 私「先生、そろそろ穀雨でしょ。畑仕事は始まりましたか?」 F「はは・・・いやぁそれより、今、原稿書きにいそがしくてねぇ。畑仕事どころじゃないんですよ。学校からの帰り道で、春の花を愛でるのがせいぜい自然との戯れですかね」 私「春の花ですか・・・」 F「ええ。 ♪ 山には山の愁いあり・・・咲しあざみの花ならばぁ・・・ (『あざみの歌』(作詞:横井弘 作曲:八州秀章) なんてね。知りませんか?」 私「ぇぇ・・・」 F「そうですか、まぁちょっと古いからねぇ。私が大学生のとき、はやった曲で今なら倍賞千恵子なんかが歌ってるんですがねぇ。 あざみ。野原で紫…