上海毎日新聞社員の深川経二と大阪毎日新聞上海特派員の渡邊洸三郎が成都にて暴徒らによって殺害されたのは昭和十一(1936)年8月24日であった。ここで紹介するのは『日本評論』(日本評論社,1936年11月号,268-280頁)に掲載された深川の遺稿となった手記で、8月1日、3日、5日、8日、10日、14日、15日の日付が見える。題名は編輯者が付けたものだろう*1。手記(日記?)ということもあり、落ち着いた筆致でその日の出来事や当時の状況等を書き記しつつ、ところどころに漢籍や故事の引用も見られる。 写真が二枚掲載されているため、スキャンしたものをアップロードすることにした(死の巴蜀行 - Goog…