【66】黒田寛一の哲学をわがものに6-2 ―若きマルクスの苦闘をわがものに 1 「資本家を打倒せよ!」と、どうしたら言えるのだろうか? 「マルクスは、まさに仲間である労働者の労働がどのようなものであるのかを徹底的にあばきだし、それが、疎外された労働であることを明らかにして、この疎外された労働を廃絶するために、労働者にとっては他の人間をなす資本家を打倒しよう、と熱烈に呼びかけたのだ、と私は感じた」と松代=北井は言っている。 これは独りよがりで即物的な解釈でしかない。マルクスは「疎外された労働」という文章において「資本家を打倒しよう」となどとはひと言も言っていない。そんな無責任なことは書いてはいな…