レヴィ=ストロースの『親族の基本構造』「第5章 互酬原理」を読んでいると、沖縄のシマ社会の習俗と重なる部分が多い。たとえば北極海に面するシベリア東部のヤクート族は、隣人のところに行けばたやすく食事の相伴にあずかることができたので、飢え死にする人の存在を信じることはできなかった。同じように今帰仁村の古宇利島ではお腹が空けばどこかの家で食事の相伴にあずかることができ、そのような生活も一ヶ月くらいなら批判されることもなかった。だから飢え死にする人は一人もいなかったということである。 隣人のところへ行けばいともたやすく食事の相伴にあずかれるのに、この世のどこかで人が飢え死にするとは、ヤクートにはよもや…