* 記号接地問題--AIに言語は「理解」できるのか 時に1990年前後、当時の人工知能(AI)研究に対して「記号接地問題」と呼ばれる批判が提起されました。この問題を最初に提唱した認知科学者スティーブン・ハルナッドはAIがある記号(例:りんご)を別の記号(例:赤くて丸い甘酸っぱい果物)へと送り返しているだけの状態を「記号から記号へのメリーゴーランド」と呼びました。 ある記号を別の記号で表現するだけではいつまで経ってもその記号の本当の意味を「理解」したことにはなりません。記号の意味を本当に「理解」したといえるには、その記号が示す対象について身体的な経験が必要となります。 このようなハルナッドが提起…