呉座勇一著 これの前に勝俣鎮夫『一揆』を読んだ。 呉座氏のこの本はこれまでの一揆研究に付きまといがちだった左翼的イデオロギーからの解放を目指し、そのうえで現代において一揆のあり方を知る意義を捉えようというもの。 例によって読了からすこし間をおいてしまったのでごく簡単に要点をまとめると ・中世の一揆と江戸期の一揆は分けて考えよう 一揆というと百姓一揆が思い浮かぶかもしれないが、中世に寺社が行った強訴がオリジナルである。一門が集い、内裏へ列参して要求をとおす。興福寺や延暦寺といった有力な寺社がおこなった。その集団(神輿をかついだりしている)があるエリアまで侵入すると要求を受け入れるといった一種のサ…