「部下から信頼されているか」と問われたとき、胸を張って「はい」と答えられる管理職は、どれほどいるでしょうか。 多くの管理職が口にする悩みのひとつが、「部下との関係構築の難しさ」です。指示はしている、評価もしている、声もかけている——それでも、どこかぎこちない。部下が本音を言ってくれない。そんな壁を感じている方に、ひとつの文学作品を読み返していただきたいと思います。中学2年生の教科書に掲載されている、太宰治の『走れメロス』です。 ディオニスという上司の「失敗」 物語の冒頭、王ディオニスは「人を信じることができない暴君」として登場します。友を処刑し、肉親すら疑う。彼の独白はこうです。「人は、これだ…