天藤真さんの小説を初めて読んだ。ちなみに名前の読みは「てんどう・しん」である。「大誘拐」については、ただただ面白かったとの言葉しか出てこない。そもそもユーモラスな作品で好みであることも理由だが、テンポがいいし、そんなバカなって話を夢中で読ませるだけの説得力もある。卑劣な犯罪のはずの誘拐をネタにしながら、すこぶる読後感がいい。いやはや恐れ入った。1979年に日本推理作家協会賞受賞、週刊文春ミステリーベスト10の20世紀国内部門1位だそうである。米澤穂信さんの本を読むまで知らなかったのが、むしろ恥ずかしい。 大誘拐 天藤真推理小説全集 作者:天藤 真 東京創元社 Amazon 映画化されているのは…