咽喉頭異常感症は、最近よく見かける疾患です。喉が詰まる、異物がある感じ、食べ物が落ちていかないなど、図1に示すような様々な症状を訴えます。内科で胃カメラ検査や耳鼻科的に検査をしても異常は見つからないことが稀ではありません。本症は図2に示すように、様々な名称がつけられています。漢方医学的には「梅核氣」や「咽中炙臠(シャレン)」と呼称されます。西洋医学的には「ヒステリー」の名称もありますが、あまりふさわしい病名とは思われません。また、米国精神医学会(DSM)では、「鑑別不能型の感覚障害」との表記があります。 一方、漢方医学的には説明が容易です。漢方では「氣血水」を重視しますが、本症では「氣 」の流…