日本酒の作り方の一つ。生酛(きもと)仕込みの一つ。
山廃とは山卸(やまおろし)廃酛の略。山卸とは、精米技術がひくかった江戸時代、麹がきちんと働けるように仕込んだもろみ(蒸米とこうじと「酛」を仕込んだもの)を櫂を使ってすりつぶす工程のこと。精米技術が向上し、この工程を廃止したので山卸廃止酛という。
近年、発酵の過程で雑菌を排除するために、乳酸をあらかじめ加えおいて雑菌を除去し、優良酵母に加えて作った速醸酛を使う方法が開発され、この手法が一般的である。速醸酛を使うと二週間で完成し、山廃仕込みより早く発酵が完了するメリットがある。
山廃仕込みの場合、発酵完了まで時間がかかる分複雑な味や濃い味わいになる酒が多い。ただし蔵の方針によってはきれいな味わいになることもある。