薄い月が 病理診断をしている時、これまで習ったいろいろな、師というべき先生の言葉が頭をよぎる。 テレビドラマや漫画で、主人公の頭に唐突に浮かんでくる回想シーンのような感じだ。 中には、その先生オリジナルではなく、広く病理医の間で言われている言葉もある。 代表的なものが、「標本の中には必ず所見があると思って視ろ」だ。 だが、それ以外にも、いろいろと頭に浮かんでくるものがある。 これまで多くの病理医に、病理診断や研究について教えてもらってきた。そして、多くの師との間には、多くの言葉のやり取りがあり、少なからず病理医としての私の血となり骨となっている。 実はこの記事は、診断中にこのことに気がついて、…