序文・秀吉から家康へ 堀口尚次 安土桃山時代に、尾張国海東郡二ツ寺村〈現・愛知県あま市二ツ寺屋敷〉で生まれた。母は、秀吉〈のちの豊臣秀吉〉の母〈のちの大政所(おおまんどころ)〉の妹〈秀吉の叔母〉にあたる人物。少年に成長すると、母を通じた縁で秀吉の小姓(こしょう)になる。 賤ケ岳(しずがたけ)の戦いにおいて、一番槍・一番首として敵将を討ち取るという大功を立てて賞され、「賤ケ岳の七本槍(しちほんやり)〈秀吉方で功名を上げた七人・加藤清正などの兵〉」の中でも突出して5,000石を与えられた〈他の6人は3,000石〉。 その後、正則は石田三成らと朝鮮出兵を契機としてその仲が一気に険悪になり、の前田利家…