初バイトに行く息子の背中を見送った朝 〜あの小さな手が、いま“働く男の手”になっていた〜 「じゃ、行ってくる」 その一言だけを残して、息子は玄関を出た。制服じゃない。今日は“高校生”じゃなく、“働く男”としての第一歩。 初バイトの朝だった。 小さな手が、大人になっていた 小さかったあの手。初めて自転車に乗れた日、転んで泣いた日。ランドセルを背負って初登校した日。 全部が一瞬、脳裏に浮かんだ。 あんなに小さくて、頼りなくて、何をしても「父ちゃん〜」って甘えてきた息子が――今、自分で働く選択をして、“社会”の中へ飛び出していこうとしてる。 父ちゃん、玄関で泣きそうやった 何も言えなかった。「頑張れ…