曲がりなりにも組織(校舎)を預かる身となった以上、いずれから見れば「ひどい」と言われる決断を取らねばならぬ時が来ると、覚悟はしていたつもりだった。 しかし実際にその場面となると、心はブレるし、胃は重いし、心臓の鼓動は強くなった。僕の軽薄な覚悟など、無いに等しい脆弱さだったのだ。 ―具体的に何があったかというと、通塾をおことわりしたのだ。 これは入塾前の段階ではなく、しばらくお通い頂いたご家庭に対して告げたものだ。将棋で言えば一手詰みの段階まで、最後の最後まで粘ったのだが、どうにもならず・・。 実際昨日は本当に大変で、心身に強い悪影響がずっと出ていた。酒を飲んで憂さを晴らし、二日酔い上等で潰れた…