幼少期のお気に入りの本は、「名探偵のテクニック」(藤原宰太郎著)。 その後の私の、読書遍歴の原点。 というのは、私が今でも、探偵小説好きだからではなく、 何かを探るためのワザを教える、という所が気に入ったからだ。 私の読む本は、まず、何かを探るための秘伝書である。 物事の急所が知りたい。 南方熊楠の用語に、萃点(すいてん)がある。 「ことわりが集まる場所」である。そこを知りたい。 俳句を始めれば「俳句のための文語文法入門」。 テラヤマに凝れば、「寺山修司の情熱の燃やし方」。 岡本太郎に凝れば、「画文集 挑む」。 手塚治虫に凝れば、「紙の砦」という自伝マンガ。 赤塚不二夫に凝れば、「ギャグほど素…