『資本論』第一巻第一章第一、二節の労働は、マルクスが現実の労働をどのようにして考察したものなのか マルクスは、『資本論』第一巻第一篇第一章第一、二節において、商品にふくまれている労働について考察した。われわれは、マルクスがこの労働についてどのようにして明らかにしたのかということをつかみとるためには、彼が現実の労働から出発して、これをいかに下向的に分析したのかということを省みなければならない。 現にあるものが商品であるためには、それが労働生産物であり、種類の相異なる使用価値でなければならない。種類の異なる使用価値でなければ、面々相対した労働生産物同士が交換されることはなく、それらが商品となること…