www.yamakei.co.jp フレデリック・グロ著 谷口亜沙子 翻訳山と渓谷社2025 メモ (ルソー「告白」) ルソーは1日中歩きながら、ふと遠大すぎる計画を思いつく。 自分の中に「ホモ・ヴィアトール(歩く人)」を見いだそうとするというものだ。書物やサロン以前の、社会や仕事以前の原始的な人間が自分の中にもいるはずだ。 何かのために存在するのではなく、何かに抗うして存在するのでもなく、何者かである必要もない。ただ木々や石に囲まれて、道の上でかすかな震えとして存在するだけでいい。風景の中のひとつの息となって歩いているだけでいい。 (徘徊癖(ドロモマニー)) 歩くことはアルベールを幸せにし、…