沈黙を読んだときにも思いましたが、遠藤周作の小説はとても読みやすいです。本作に至っては難解なテーマですらないのでなおさらです。 タイトルからすると、太宰治の「人間失格」のような物語なのかなと思いましたが、男性の醜くはあるものの、誰しも心の奥底で(何ならだいぶ浅いところで)抱いている感覚を見事に描写しているという点で、ドストエフスキーの「地下室の手記」と通ずるものがありました。 alarm-mezamashidokei.hatenablog.com 主人公の吉岡に棄てられた森田ミツの「自分のせいで誰かが辛い想いをするのが我慢ならない」という心情はとても共感するものがあったのですが、吉岡にあそこま…