今日、晴れて48歳になった。休みだったので朝、総合病院に行く。そして先生に会い、自分の精神状態について話す。この「ドクターとの信頼関係をいかにして結ぶか」という問題についても自分は苦労してきたことを思い出す。かつて、ぼくは先生に対して過大に期待していたフシがあったとも思う。「とにかくドカンと薬を出してくれ、そしてぼくを救ってくれ」というように。その一方で「どうせどんなにこちらが悩みを言っても、あなたは『ハイハイ』と『仕事』で処理するんでしょ」「1度も生活費に困ったことなんてないんでしょ。医者はサラリーもいいだろうし」なんてことを心のどこかで(いや、「心のド真ん中」で)考えていたとも思う。そう思…
最後に。1994年冬、担任にハブられた私に両親は「もう学校行かなくていいよ」と言いました。愛で受け止めてくれたからこそ、翌日も何食わぬ顔をして学校へ行くことを自ら選びました。いつも多様な「正しさ」を見せてくれる両親に感謝します。親孝行するまではこの世を去ってはいけないね。ここからは巻いていきますよ、まだまだお付き合いをお願いします。(勅使河原真衣『「能力」の生きづらさをほぐす』どく社、2022) こんばんは。先週の水曜日の夜に、勅使河原真衣さんの『「能力」の生きづらさをほぐす』の刊行記念として行われたトークイベントに参加してきました。イベントのタイトルは「いのちをかけて探究した、他者と生きる知…
こんな記事が話題になってたよね。 anond.hatelabo.jpだけども。「若く美しい異性」に熱を上げてキャーキャー持ち上げる事って、きり子さんが白雪姫で痛烈に批判した「ルッキズム」であり「エイジズム」なんじゃないか?ともまた思った。 もし百鬼丸が特に見目麗しくも無い中年の親父でもこのきり子さんが変わらずどろろの事が好きで作品愛から二次創作をバンバン描いていたならともかく、そうじゃないでしょう? だってよ。確かにそうだよ。不毛なんだよな。 media.lifull.com ──では、自分が価値観を共有しているコミュニティーの中に「理想体形」のようなものがあった場合、それを目指すことは否定し…
だからこそリスクを提示し介入を試みる専門家は、自らが行う介入が、直接経験を情報経験に塗り替える実践であることに自覚的であるべきだろう。介入によって直接経験を漂泊し続けたのちに、リスクを恐れた被介入者が生活の中で身動きがとれなくなるのなら、それは介入対象を受動的なゴンドラ猫に仕立て上げたのと同じである。もちろん介入者と被介入者が、計算されたリスクを避けることが生きる上で何より大切という価値観を持つならそれも是であろう。しかしここからは介入者と被介入者の人生観の問題だ。(磯野真穂『他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学』集英社新書、2022) おはようございます。睡眠アプリの Sleep C…
書籍紹介(読書ログ) 『他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学』 磯野真穂(著) <目次> 1.書籍紹介 【こんな人におススメ】 2.医療人類学に触れてみよう @YouTube P.S. エビデンスについて社会学で深掘り 1.書籍紹介 医療人類学・社会人類学を身近に!ということで紹介させていただきます。人類学者であり、専門が文化人類学と医療人類学の磯野真穂さんの著書になります。医療関係者にはおそらく身近なところから考えながら読んでいきやすい人類学の1冊として紹介させていただきます。 【こんな人におススメ】 「他者」への理解を深めたい 「病気」と「健康」について考えてみたい エビデンス以外…
Salut 「急に具合が悪くなる」を読みました。 急に具合が悪くなる 作者:宮野真生子,磯野真穂 晶文社 アマゾン 哲学者 宮野真生子さんと、人類学者 磯野真穂さんの二か月間で10便の往復書簡をまとめた本です。 冒頭から、きっとこの書簡は今までの価値観を変えてくれると確信した。 はじめに、2018年11月、磯野さんは宮野さんから”急に具合が悪くなる”かもしれないから、イベントを取りやめてほしい。」というメールをもらいます。 8年前から乳がんを患っていると淡々と話す宮野さんに、自身のもっている乳がんの情報から、医学の進化で治るのでは? という思いが頭にあった。”急に具合が悪くなる”とは、一体どう…
Salut この本はダイエット方法を紹介する内容ではありません。 著者は文化人類学者の磯野真穂さん。 文化人類学とは・・・外の文化を知ることで、 いかに自分たちが常識にとらわれて 頭が固くなっているかを自覚し、 日常にある「変」に注目する。 \ダイエット幻想はこちら/ ダイエット幻想 ──やせること、愛されること (ちくまプリマー新書) 作者:磯野真穂 筑摩書房 Amazon 内容 第1章 やせたいのか、やせたいと思わされているのか? 第2章 人に認めてもらいたい 第3章 かわいいの落とし穴・・・「女の子」はいつまで続く? 第4章 シンデレラ体重 第5章 愛されること、競うこと 第6章 数字の…
宮野真生子・磯野真穂『急に具合が悪くなる』を読みました。 私はタイトルを誤解した状態でこの本を手に取りました。 人間は「急に具合が悪くなる」ことがあります。それはいわゆる「急変」と呼ばれる、生死にかかわる体調の急激なる悪化ではなく、どちらかと言えば精神的に追い込まれ急に体調が悪くなることがあるのではないか、と。それはどういう現象なのか、私は知りたくて手に取りました。蓋を開けてみれば、そこにあったのは私が想像していた「急に具合が悪くなる」ではなく、生きるとは何かという命題に対する宮野さんと磯野さんの全力のキャッチボール(という名の往復書簡)でした。まず、この偶然性に感謝したいです。 印象的だった…
『ないようである、かもしれない』のウェビナー(zoomでのオンラインセミナー)に参加しました!(2021/03/27土曜 19:00〜) zoomといっても、対談トークの閲覧だけでした。 Sponsored Link // サイン本とウェビナー3,370円のものを購入しました! ラスト1冊だったようで私が買ったら売り切れになりました。 サイン入りの著書! 懐かしい!星野概念さんらしいサインでした! 私は星野さんのバンド時代のファンでした。未だにあんなに気持ちよさそうに歌う人はみたことありません(笑) ないようである、かもしれない 発酵ラブな精神科医の妄言 [ 星野概念 ] posted wit…
9月に入った途端に太陽の力が弱まり、最近はめっきりと涼しくなった。連休最後の火曜日は空も風も澄みわたる素晴らしい秋晴れで、この気候があと三ヶ月続いてくれたらいいのにと思わずにはいられない。でも台風12号が来ていて、今日からは雨。気圧の頭痛はこの際耐えますから、どうか進路が逸れますように。 急に具合が悪くなる 作者:宮野真生子,磯野真穂 晶文社 Amazon 夏の盛りに、何となくネットサーフィンをしていたら見つけた書評ブログを読んで気になり、本屋で平積みになっていたのを手に取った。 哲学者の宮野真生子さんは再発乳がんの肝臓への転移が発覚し、主治医から急に具合が悪くなる可能性があることを告げられた…
エッセイは、筆者の個人的な経験や考えを自由な形式で綴った文章作品です。日記と異なり、人に読んでもらうことを意識して書き、読み手の心に響く物語を紡ぎます。 1. テーマを見つける 自分のしたい研究の見つけ方 どのようにテーマを決めるのか?20分で読めるシリーズ 作者:Bowing Man,MBビジネス研究班 まんがびと Amazon エッセイの出発点は、テーマ探しです。自身の経験、関心事、社会問題など、心を動かされるものを題材にしましょう。 具体的な質問を考える 何について書きたいのか、具体的な質問を投げかけてみてください。例: 「最近、自分が変わったと思う瞬間はいつだったか?」「私が大切にして…
01.登場人物の紹介 02.はじめに 03.陽気な男 04.空飛ぶ男 05.初めての出逢い 06.精神科医エリザベス 07.エリザベスを口説くジョーンズ 08.診断 09.スーザン 10.美しきもの 11.喜びの歌 12.収監 13.自由を得たい気持ち。守りたいという気持ち 14.波打ち際のデート 15.親友 16.うつの闇へ 17.対話 18.見舞い 19.去られるということ 20.恋心 21.主治医と患者 22.もっと知りたい 23.トラウマ 24.土砂降りな心 25.医師として 26.最期の挨拶 27.もう終わりにしたい... 28.最後に 29.参考図書 ※精神疾患の方へ。もし読みづら…
【雑感】 メンタルがね、ダメになったので、お休みをとっておりました。悲しいことです。20日と21日はひたすらYoutubeを見ておりましたのよ。 それでも今日は頑張って仕事に行ってまいりました。普通に気持ち悪くなったのですが何とか定時まで耐えきったね。 【労働】 虚無すぎる。何もかも終わりにならないかしらん。 【ニュース】 今日は他人のブログをひとつ紹介します。が、リンクフリーなのかがよく分からないので、言及だけします。文化人類学者の磯野真穂氏のブログの「在野研究者として生きるということ――お金についての真面目な話」という記事です。 内容としてはざっくり言ってしまうと、磯野氏の自身の経験から、…
大谷翔平の水原一平通訳がドジャース解雇…米報道 大谷資金で巨額の賭博疑惑 開幕戦翌日に衝撃 - スポーツ報知 ドジャース、水原一平通訳を解雇 違法賭博に関与か…米報道(Full-Count) - Yahoo!ニュース 『食べ放題で「上タン50人前」注文しすぎて激怒されたと書かれた焼肉店が反論…1億超の表示で「食べ放題に節度は必要?」議論呼ぶ - Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]』へのコメント ハラスメントは組織の外で認定してもらうべきだ - 紙屋研究所 お母さん私、手紙が書けない 海外「日本の貢献は計り知れない!」 日本が人類にもたらした影響の大きさが外国人の間で話題に 画像生…
なんかここで出てきたようだが。 急に具合が悪くなる 作者:宮野真生子,磯野真穂 晶文社 Amazon wikipedia:マルティン・ハイデッガーがなんか言ってるそうだ:『死は確かにやってくる、しかし今すぐというわけではない』*1 現代医療の現場は、確率論を装った《弱い》運命論が多い wikipedia:エビデンスにもレベルがあるそうで:研究デザインの種類とエビデンスレベル | セラピストプラス | 医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報 医療者が「患者の意思を尊重」という時、その患者の意思の中に医療者の意思が相当に組み込まれている 「(がん*2が)治る」ことと「がんが治らない」ことの間には…
こちらをきっかけに。以降、Twitterのフォロワーの方々の見て自分も絶対やりたい!と思って。各カテゴリに分けた後もおおよそ出会った時系列になっていますが、オールジャンルの時系列にもまとめました。楽しすぎる。 テレビ・ネット番組(バラエティ・アニメ) ・ガチンコ! ・爆笑問題のバク天! ・週刊ストーリーランド ・明日のナージャ ・USO!?ジャパン ・M-1グランプリ ・高校生ラップ選手権 ・クイズ☆タレント名鑑/クイズ☆スター名鑑/クイズ☆正解は一年後 ・いろはに千鳥 ・ラップスタア誕生! ・勇者ああああ ・水曜日のダウンタウン テレビ(ドラマ) ・3年B組金八先生(第5シリーズ〜第7シリー…
2024/01/13 (土)19:00 - 21:00 磯野真穂×青木真兵「実感手放さずに生きていく」隣町珈琲 http://ptix.at/MmuUBJ 急に具合が悪くなる 作者:真生子, 宮野,真穂, 磯野 晶文社 Amazon 手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ 作者:青木真兵 晶文社 Amazon
なぜか年末感が全然なく、準備が手につかなかった2023年。明けてからの投稿となりましたが、2023年に読んだ本のレビューとオススメをピックアップしてみたいと思います。 都市住民としてちょうどよく暮らすには? 改めて2023年読んだ本をざっと見渡してみると、 「食」「農」「ジェンダー」「ケア」「人と経済」「人と自然」「民主政治」「武蔵野」 あたりが主なテーマでした。 以前から継続しているものが多い中、「武蔵野」が加わったことが2023年を象徴しているなぁと感じます。後年振り返れば、2023年は「東京(のような都市)に住みながらも、」というスタンスを決めた年になるのではないかと思います。仕事柄魅力…
夕食後に自宅の図書室で毎日30分読書することにした。 この記事では、12月に読んだ本を紹介する。 1.老いの超え方 2. 椅子と日本人のからだ 3.損する顔 得する顔 4. プロメテウスの罠 明かされなかった福島原発事故の真実 5.急に具合が悪くなる 6. 世界の国名地名うんちく大全 7. ウォッチメン 1.老いの超え方 吉本ばななの父・吉本隆明の本。ばななさんが紹介しているのを見て買った。 最晩年は病気が重く執筆できる状況ではなかったそうだ。この本はライフサポート社という保健・医療・福祉の専門出版社から編集者が来てインタビューしたのを書き起こしたものらしい。 老人は精神活動は活発だけれども肉…
「 コロナ禍と出会い直す 磯野真穂の人類学ノート」 いうまでもなく新型コロナのパニックもこのパターンをたどった。場合によっては感染リスクを上げることすらあるパーティションの3年間にわたる設置はその最たる例だろう。 またこれらに共通する事象として、上からの規制は弱いのに行動は画一的かつ極端になることが挙げられる。例えば日本脳炎ワクチンやHPVワクチンでとられた「積極的勧奨の差し控え」は、「積極的なお勧め」を政府が差し止めただけで接種が禁止されたわけではない。しかし両ワクチンにおいて接種率は激減し、HPVワクチンにおいてはWHOから注意喚起がなされるほど長期間の接種率低迷が続いた。コロナ禍渦中の「…
12/14 (木)19:00 - 21:30 古田徹也×磯野真穂「私たちの『複雑さ』と出会い直す── 『謝罪論 謝るとは何をすることなのか』(柏書房)刊行記念」 五反田ゲンロンカフェ 謝罪論 謝るとは何をすることなのか 作者:古田 徹也 柏書房 Amazon 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学 (集英社新書) 作者:磯野 真穂 集英社 Amazon 急に具合が悪くなる 作者:真生子, 宮野,真穂, 磯野 晶文社 Amazon
2023/11/10 - 2/16 ファシリテーター:磯野真穂 著者と読む『他者と生きる-リスク・病い・死をめぐる人類学』(集英社新書)読書会(8回) https://schule038.peatix.com 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学 (集英社新書) 作者:磯野 真穂 集英社 Amazon 急に具合が悪くなる 作者:宮野真生子,磯野真穂 晶文社 Amazon
我が友、スミス ケチる貴方 黄金比の縁 我が手の太陽 エッセイ 我が友、スミス すばる文学賞佳作で、芥川賞候補にもなった『我が友、スミス』。一番オススメしたいので最初に持ってきました。 一言で言うと、筋トレ文学です。 筋トレとかボディビルとかボディメイクに興味がある人にぜひぜひおすすめしたい。そして令和のニューウーマンノベル、であるのかもしれません。 石田夏穂さん、芥川賞候補作「我が友、スミス」インタビュー 筋トレで、私は自由な「何か」になりたい|好書好日 我が友、スミス (集英社文芸単行本) 作者:石田夏穂 集英社 Amazon 個人的にも好きなタイプの作品で、声出して笑った!実家エピソード…
『疲労回復の専門医が選ぶ健康本ベストセラー100冊「すごい回復」を1冊にまとめた本』を読んだ感想の続きを書いていきます。 今回は後編です。 前編、中編の記事はこちらです。 前編、中編の記事 【感想】『疲労回復の専門医が選ぶ健康本ベストセラー100冊「すごい回復」を1冊にまとめた本』[前編] 【感想】『疲労回復の専門医が選ぶ健康本ベストセラー100冊「すごい回復」を1冊にまとめた本』[中編] それではサクッと本題へ。