科学的管理法というと、作業の動作を綿密に観察する、ストップウォッチで動作の時間を計測する、そういうイメージが持たれる。動作研究や時間研究を厳密に行うことは、科学的管理法のあり方として、半分正しい。 フレデリック・W・テイラー著「新訳 科学的管理法」(ダイヤモンド社 2009年)は、200ページに満たない読みやすい古典である。この著書を読むと、科学的管理法の別の側面が存在することがわかる。 1 従来は現場の働き手が優秀な成果を上げても、賃金の単価を雇用主は意図的に下げてしまう。だから、働き手はやる気をなくしてしまうのである。 科学的管理法では、働き手に成果の目標が与えられるが、雇用主も賃金の約束…