こんにちは。きのひです。 「裏店(うらだな)とんぼ」 稲葉 稔 著 を読みました。 2019年10月20日 初版第1刷発行 2019年11月25日 2刷発行 荒金菊之助(あらがねきくのすけ)はむかし侍でした。 いまは長屋で包丁研ぎの職人をしている。 一日の仕事が終わると大川沿いにある小さな煮売り屋に行きます。 店の長腰掛けに居座り、酒を飲み皿の肴(さかな)をつまむ。 それは菊之助が一日のうちで一番くつろげる時間でした。 酒を舐(な)めるように飲み、衣(きぬ)かつぎを頬張ったとき、気になる子供の姿を見た。 「親爺、あの橋のそばに立ってる子供だが、昨日もいたな」 「ああ、あの子ですか。このところ毎…