それは今年の一月二日の夕方でした。 家内の下半身のたるみが伝播して脳までたるんでボケられては困る、などと結構なディスりを吐きつつ家内をコンドのジムに連れていき、共にひとあせ流してジムから出ようとしていたところでした。 私を見る家内の顔がどんどん曇ってゆきます。家内は私に近寄ると、やおら私の右腕をグイと引っ張り上げます。え? 何するんだよ!やめてくれよ、大丈夫だから。いやほんと大丈夫だから。大丈夫だから。 でも、自分で自分の声に気づきました。 「だひひゃうぶだはあ」 喋れていないのです。 そして、自力で立っていることもできない状態でした。 ベンチプレスに腰を下ろし、家内が私を落ち着けます。 右半…