パチンコ 若い頃からやって来たパチンコは、結婚と同時にピッタリ止めてしまった。どうして、それまで続けて来たのかと思い返すと、独り身の寂しさへの癒しやお金の使い方に目的が持てなかったからだった。 当時の給料では車は持てなかったし、勿論持ち家のローンを組むことも出来なかった。良い身なりも出来ず、卑屈になった精神では彼女も作れなかった。それならばとそこから脱出する努力もしない無為の日々が続いた。 そう言う時を紛らわすのにパチンコは実に現実逃避の手軽な手段だった。 パチンコも、毎日通うと依存症になって道を歩いていて「チンジャラ」という音が聞こえてくると、まるで磁石に吸い寄せられるみたいに入ってしまう。…