ウサギの耳が長いのは、敵から逃げるため。眠っているときも微かな音を聞き逃さない。 ところがウサギの中にも変わったウサギがいる。アマミノクロウサギ。 耳はネコほど。爪がうんと発達している。木に登る、穴を掘る。 生まれる赤ん坊は一匹だけ。南向きの斜面に掘った別の穴の中に赤ん坊だけ残し土で大きな壁をつくって、指で空気穴をつくる。それからコケを取ってきて植え付け、草も植える。敵に見つからないよう念には念を入れて、これで安全安心。 「でも、赤ん坊はもうおっぱい飲まなくてもいいのかい? 次の日になるとおなかがすくだろうね。どうやっておっぱいやるだろう?」 椋鳩十さんの問いかけに、私もはたと考えた。 (参考…