2022年2月、突如として始まったロシアによるウクライナへの侵攻は、世界に大きな衝撃を与えました。肥沃な大地を持つウクライナは「ヨーロッパのパン籠」とも呼ばれ、世界有数の穀物輸出国でした。この戦争によって、ウクライナからの穀物輸出は滞り、世界の「食料安保」は根底から揺さぶられることになりました。 食料安保の危機と侵攻側の論理 ウクライナからの穀物供給の途絶は、国際的な食料価格の高騰を招き、特に食料輸入に依存する国々で深刻な食料不安を引き起こしました。中東やアフリカの一部の国々では、パンの価格高騰が社会情勢を不安定化させる要因となり、世界的な飢餓リスクの増大も懸念されました。 侵攻を行ったロシア…