kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

社保庁「民営化」で「夢よもう一度」か?(笑)

先日の菅直人をターゲットにした自民党のチラシには笑った。
だって、あれはネット右翼にはバカ受けだろうな、と思ったからだ。
とにかく、中国・韓国・北朝鮮朝日新聞と民主・社民両党さえ叩いておけば、ネット右翼は延髄反射を起こして大喜びする。
安倍晋三が、いつも鋭い安倍追及記事を書く「週刊ポスト」ではなく、「週刊朝日」のつまらない記事にいちゃもんをつけて、秘書に朝日新聞社を「告訴」させたのも、ネット右翼受けを狙ったのではないかと私などは推測している。今回の菅直人叩きも、同じ発想だろう。
民主党社民党では、特に菅直人土井たか子を叩くのがネット右翼ウケに効果的だ。「シンガンス」の釈放を求める署名をしたのが、彼らの罪状としてネット右翼がいつも挙げる理由だが、「シンガンス」の正体を知る前の過失に粘着するあたり、政権が危うくなると「拉致問題」に頼る安倍晋三と親和性が高いのだろう。
なお、北朝鮮はなぜかそんな安倍に呼応するかのように、絶妙のタイミングで日本を刺激するような行動を起こす(笑)。安倍が祝電を送った統一協会はかつて反共だったが、いまでは北朝鮮と強く結びついているのだが、そのことと関係があるのだろうか?
産経新聞なんかはバカだから、記者がネット右翼が流したデマ(「土井たか子=李高順」)を真に受けて雑誌(「WiLL」)に記事を掲載し、その雑誌が土井氏に訴えられる失態を演じた。産経の記事のレベルがネット右翼並みの低劣さであることを示す好例だろう。
結局、菅直人叩きのビラは、大多数の国民にそっぽを向かれ、仲間のはずの田原総一朗からも批判された。このことにより、政権がネット右翼を通じて広めようとしていた言説が、国民にほとんど浸透していないことを、はしなくも露呈した。
そこで政権は方針を転換し、社保庁解体をめぐる官公労叩きに絞ってきたようだ。
今日の「報道2001」では、竹村健一国鉄電電公社の民営化を引き合いに出して、自民党案に人心をなびかせようと世論誘導をしていた。民主党の長妻議員や社民党の福島党首が出演していたが、彼らを「官公労の利益の代弁者」と印象づけようと必死だった。
いうまでもなく、「郵政民営化」のシングル・イシュー選挙で圧勝した「夢よもう一度」の発想だろう。
だが、年金が争点になった04年の参院選は、厚生年金違法加入の疑惑が持たれたコイズミの「人生いろいろ」発言などもあって自民党は惨敗し、安倍晋三自民党幹事長を更迭されたのだった(笑)。

本島等・元長崎市長の「加憲論」

少々古いが、東京新聞の5月14日付記事より。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/consti/news/200705/CK2007051402015909.html

【試される憲法
長崎市長本島等さん 環境、人権取り入れ加憲
 戦争が終わった時、僕は軍隊にいた。すべての若い連中はぼうぜん自失の状態だった。そんな中で今の憲法ができた。何もないところに、「おまえたちはこれで行けよ」という一つの教訓として憲法を受け取ったわけさ。

 軍隊生活は若者の「考える能力」を完全にぶち壊した。だから、ぼうぜん自失で憲法を受け取ったんだけど、スーッと入ってきて次第にありがたくなってきた。「これで長生きできる」って。

 戦争というのは、支配者にとっては勝ちたい、勝てばまた勝ちたいっていうもの。国民にとって戦争に負けることは、自由を得ることになるわけさ。今の九条改正の動きを見ていると、絶望に近い状態だね。もういっぺん戦争ばしないと、どうにもならんのじゃないの。

 「九条を守れ」と言う人たちも非常にまじめで理論的だけど、その話を聞いて立ち上がり、選挙運動のように「九条を守ろう」と言うて回る人はいやしない。話が面白くないから。それに「現憲法を死守する」と言うが、環境や人権の問題への取り組みは憲法に書かんちゅうことか。

 それでは「孫たちの生活も考えずに、憲法死守ってやってるのか」と言われるよ。だから、僕はそういう取り組みを憲法に入れて、九条を今のまま残すという、いわゆる「加憲」の立場。

 僕はキリスト教の信者だから、暴力というのはどんな条件や理由があろうとね、ダメだということ。暴力とは反平和っちゅうことですよ。平和を訴えてきた長崎で、長崎市長への銃撃事件が二件も起きたのは恥ずかしいですわな。

 平和にも、絶対的な平和主義と相対的な平和主義があると思う。

 「核兵器に殺されるよりも、核兵器に反対して殺される方を選ぶ」との言葉を残した故宇都宮徳馬さん(元参院議員)や、「たといひきょう者とさげすまれ、裏切り者とたたかれても、『戦争絶対反対』の叫びを守っておくれ」とわが子に訴えた故永井隆さん(被爆医学者)の主張が絶対的な平和主義。

 今は相対的な平和主義ですよ。自衛隊イラクに行って、ダーンって撃たれたら、ダーンって撃ち返すふうになってるでしょ。この相対平和は、戦争と絶対平和の間にある。絶対平和を守らないと、戦争の状態になるということですよ。今の日本は見事にその道を歩いてるように感じるよね。

 憲法は米国の手でつくられたっていう議論があるけど、世界の変遷というのは、考えも及ばない事件が起きたりして続いていく。その時代の人が受け入れて、誰もが「なるほどな」と思えばいいんであって、出発の段階をあれこれ論じて「だから本来の日本じゃない」っていうのは違う。

 もとしま・ひとし 1922年長崎生まれ。京都大卒。79年から95年まで長崎市長。88年に市議会で「天皇の戦争責任はある」と発言、90年に右翼団体「正気塾」の男に短銃で撃たれ、重傷を負った。85歳。

東京新聞 2007年5月14日)

小林よしのりも小林節も反対する「安倍政権下での改憲」

「きまぐれな日々」に下記記事を公開した。
きまぐれな日々 こういう時にこそ、憲法をきっちり論じたい
なお、上記ブログ記事中でも触れたが、明月さんのブログ「反戦な家づくり」が、民主党自民党参院選候補予定者に出した「憲法九条改変の賛否を問う質問」への回答結果を公開した(下記URL参照)。
反戦な家づくり 9条改憲の賛否を問う質問 回答まとめ (一部訂正)

「きっこさん祭り」(「きまぐれな日々」版)

「なごなぐ雑記」さんが、「きっこの日記」に紹介されて、アクセス数が急増したそうだ。
http://miyagi.no-blog.jp/nago/2007/06/post_f529.html

当然ながら、同じ記事で紹介された「きまぐれな日々」もアクセスが急増した。以下にFC2の新アクセス解析がカウントしたアクセス数を示す。

6月7日は、ユニークアクセス数で過去最多、翌8日はトータルアクセス数で過去最多を記録した。

国民投票法:成立 届かぬ「おじいさまの声」 「護憲」三木さん悔し(毎日新聞)

「戦争回避訴えた安倍首相の祖父」といっても、岸信介ではない。安倍晋三の父方の祖父・安倍寛のことである。
これもちょっと古い新聞記事。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070514dde041010056000c.html
以下引用する。

国民投票法:成立 届かぬ「おじいさまの声」 「護憲」三木さん悔し

 ◇戦争回避訴えた安倍首相の祖父

 安倍晋三首相が提唱する「美しい国」への大きな一歩−−。14日成立した国民投票法は、憲法改正の手続きを細かく定めた。平和憲法の象徴である9条も例外ではない。「成立は遅すぎたくらいだが、憲法を考えるいい機会になる」と評価する声がある一方、暗い時代の歴史の証人からは「冷静に考えて」との声も上がっている。

 「(安倍首相の)天国のおじいさまが、何とおっしゃるかしらね」。憲法改正を政権の重要課題に掲げ、国民投票法成立を主導した安倍首相に、故・三木武夫元首相の妻睦子さん(89)=東京都渋谷区=は苦言を呈した。安倍首相の父方の祖父寛さん(故人)は太平洋戦争中、三木元首相とともに対米戦争反対を唱えた人物だったからだ。

 寛さんは、旧帝国議会の元衆院議員。1942年の翼賛選挙では、翼賛政治体制協議会の推薦を受けずに当選し、同じく非推薦で議席を得た三木元首相とともに、軍部主導の国会を批判した。

 握り飯とわらじ履きが、寛さんの思い出となっている。寛さんは戦争回避などを訴える街頭演説を終えると、東京都豊島区の三木家に寄り、「腹が減った」とよく言った。睦子さん手製の握り飯をほおばると、すぐにわらじを履き直し、また演説に出かけた。寛さんには、特高警察の監視が絶えなかった。「行って来る」と、毅然(きぜん)と言い残し、街に消える幅広の肩が忘れられないという。

 終戦後の46年1月、寛さんは新憲法の公布を見ることなく51歳で病死。その後、自民党に合流した三木元首相は、睦子さんがその真意を尋ねると、「僕が党に残らねば、(戦争放棄を定めた)憲法9条はなくなってしまうよ」と話した。

 睦子さんは04年、護憲を求める「九条の会」の呼び掛け人となった。2人の遺志を継承しようと思ってのことだ。「力及ばず、改憲への道のりが作られてしまった。安倍首相には2人の声が聞こえなかったようね……」。この夏に90歳を迎える声に、悔しさがにじんだ。【平川哲也】

 ◇「声を反映」に疑問/遅きに失したが歓迎

 教員や公務員の地位を利用した運動の禁止規定、テレビを中心とした広告規制、最低投票率が定められていない点など、国民投票法の問題点を指摘する声も強い。

 広島で被爆し、家族を失いながらたくましく生きる少年の姿を自らの体験を基にして描いた漫画「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さん(68)は「米国の意のままに憲法改正を急ぐ政府の姿勢がありありと見えるようだ」と憤る。投票権者を18歳以上としたのは、若者なら問題意識が低いから安易に憲法改正に賛成するだろうと見下しているからとみる。

 有権者相手に授業をする大学教員からの批判も強い。専修大の隅野隆徳名誉教授(憲法)は「教員の意見表明は自由とされているが、地位利用の定義があいまいで、処分の可能性もあり、萎縮(いしゅく)効果がある」と話す。社会保険庁職員の国家公務員法(政治的行為の制限)違反裁判を担当する加藤健次弁護士は「何が地位利用に当たるかなど最後まで明確にならないままだった。萎縮効果や乱用の危険性が大きい」と批判した。

 国民投票の賛否を呼びかける有料CMは、投票日前14日間、禁止された。メディア研究誌「放送レポート」の岩崎貞明編集長は「何が国民投票を呼びかけるCMに当たるのか、表現内容を行政が判断するのは、検閲となりかねず危険だ。政党がまず自主規制ルールを示すべきだった。国会の怠慢だ」と批判する。

 公募に応じて先月5日の衆院憲法調査特別委員会の中央公聴会に出席した千葉市の主婦、田辺初枝さん(53)は疑問を投げかける。田辺さんが公述人に決まったのは、公聴会の3日前で、資料が届いたのはその翌日。委員会では「準備の時間もなかった。拙速なやり方に異議を唱えたい」と訴えた。法案についても、有効投票総数の過半数では、投票率が低い場合、国民の意見が十分反映されているとは思えず、反対だ。

 一方、日大法学部の百地章教授(憲法学)は「60年前にできていなければならない法律で、遅きに失したが歓迎している。3年の凍結期間も必要でなかった」と評価する。【臺宏士、長野宏美】

毎日新聞 2007年5月14日 東京夕刊

[参考記事]
手前味噌で恐縮だが(笑)。
きまぐれな日々 安倍のもう一人の祖父は「平和主義者」だった
きまぐれな日々 安倍晋三は「安倍家の面汚し」

おまけ。A級戦犯の方の祖父関連。
宮崎学『安倍晋三の敬愛する祖父岸信介』 - YouTube