諏訪根自子 東寶藝術家 〔口絵写真〕 ・諏訪根自子 紹介昭和廿一年十月三日、帰国後、一ケ年の沈黙を続けた諏訪根自子は、わが国の平和的文化国家建設の一翼を担つて荒廃した日本楽壇に希望と光明の息ぶきを與えた日である。この日彼女は平和の昭和廿年末、再び平和に戻つた故国日本に帰つての最初の独奏会を東京帝国劇場に於いて華々しく開催した。 その成熟した芸術性と独自のスタイルをもつ至高の技巧は、期待に違わず、聴衆に深い印象を與え、正に世界的ヴアイオリニストとしての風格を示したものとして、朝夜の絶賛を浴びている。その後東京、京阪神、名古屋を始め、関東、東海道、北陸、山陽、九州各都市に数回の独奏会を開催し、又ラ…