本日は宇内さんがお休み。宇垣さんが代理パートナーとして出演。 TaiTanさんによる入魂の一冊紹介。 TBSラジオ「脳盗」パーソナリティにして"Dos Monos"のメンバー。 入魂の一冊 超異常言語感覚 乗代 雄介著『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』 (※何度聴きなおしても「ビッグエブリーのアンダーパーツ」にしか聞こえなくて検索に時間を要した笑) 宇多丸さん:これ知ってました、宇垣さん? 宇垣さん:初めて知りました。分厚い 宇多丸さん:分厚いですし、一見タイトルだけを見ると海外文学のよう。 宇垣さん:題名が海外っぽい 宇垣さんによる概要紹介 『最高の任務』で第162回芥川賞候補となった…
『旅する練習』が今年の早実で使われた 乗代雄介の2021年12月発売の作品。 受賞はなかったが芥川賞候補だった本だ。 うさん臭い男に声をかけられた高校生が やがて男の面白すぎる生き方に惹かれて 生き方までも変えていくってストーリー。 おっさんと少年の会話シーンばかりだし 出題に使えそうな場面は多くないんだが 展開に意外感があって俺は気に入ったわ。 これが俺の感想からの部分的引用ですわ。 歴史研究部の高2男子が、驚くほど博識な男に誘われて、幻の古文書探しに巻き込まれていきます。はじめは仕方なしに協力していた彼ですが、いたずら心あふれる男とのやりとりで本格的な史料探しの面白さに目覚めていくのでした…
先日読んだ雑誌「スピン」の中のエッセイで紹介されていた一冊。三島由紀夫賞と坪田譲治文学賞を受賞、芥川賞候補にもなった作品(だったのをすみません、知らなかったのですが)をAudibleで。 「旅する練習」 乗代雄介 著 小説家の「私」は、コロナ禍で春休みの予定のないサッカー少女である姪の亜美(あび)と二人、千葉の我孫子からアントラーズ本拠地の鹿島を徒歩で目指す旅に出る。「私」は風景や自然の描写を、亜美はリフティングと宿題の日記を各々続けながら、途中で出会った大学生の「みどりさん」も加わり、交流を重ねていく短い旅の物語。 タイトルの「旅する練習」とは、「練習しながら旅をする」という事であり、小説家…
最近このブログには昨日のことを今日書いていることが多いです。昨日、8/7日曜日、午前のうちは曇りがちで昨日からの延長で涼しかったが、午後になり気温があがり、湿度も高くなり、一気ににっぽんの夏が戻って来た。夕方、カメラを首にぶらさげて近所の畑のあるエリアを自転車で一回りしてきた。白い百合の花が咲いていた。赤い百日紅も咲いていた、柿の木には葉っぱと同じ緑だからすぐには見極めが付かなかったが、ずいぶんたくさん実がなって、もうだいぶ大きくなっていた。あまりに暑いせいか、それともコロナを警戒しているのか、道路に車は少ない。あるいは畑の中の道に犬の散歩に来るおじさんおばさんも、スケボの練習にくるお兄さんも…
www.youtube.com たくみ部門候補作 #真相をお話しします 作者:結城真一郎 新潮社 Amazon 俺ではない炎上 作者:浅倉秋成 双葉社 Amazon 爆弾 作者:呉勝浩 講談社 Amazon あかりん部門候補作 まっとうな人生 作者:絲山秋子 河出書房新社 Amazon パパイヤ・ママイヤ 作者:乗代雄介 小学館 Amazon 旅書簡集 ゆきあってしあさって 作者:高山 羽根子,酉島 伝法,倉田 タカシ 東京創元社 Amazon
本日は図書館本の入れ替えとなりました。とりあえず、読んだとはいえない もののティモシー・スナイダー「秘密の戦争」と西村賢太「一日」を戻して、 それにかわるものを借りることにです。 西村さんのものでは、東京スポーツに連載したエッセイがなかなか良くて、 これをもう一度読んでみようと思いながら、戻すことになりました。西村さん は「日乗」ものは多くあるのですが、エッセイ集はそんなにないようで、こう のがもすこしあってもよかったのにです。 戻したものにかわって借りたのは、乗代雄介さんの「本物の読書家」であり ました。先日に行きつけの本屋へ行きましたら、「本物の読書家」が文庫と なっていて、これは「文庫で…
「わたしその時に、一番に愛される期待なんてしないって決めたの」(本文より) 2022年入試でもかなり的中があった 鉄人会の出題予想作品なんで読んでみた。 親のせいで大変な生活を強いられてきた 少女の新奇な夏の過ごし方が描かれてる。 登場人物目線ではハッピーになるんだが 読んでる方としては引っ掛かるところも。 親ガチャのせいだとはいえ、大切な夏を 無為に過ごしてしまってる面もあるから。 成長したり友情が深まったりというのは ちゃんと描かれてるからいいんだけどな。 俺のレビューのはじめの方はこんな感じ。 酒に溺れる父が嫌いなパパイヤ、海外暮らしの奔放な母が嫌いなママイヤ。ともに深刻な悩みを抱える二…
読書を再開した橋本治『ああでもなくこうでもなく 「日本が変わってゆく」の論 』を読み終えた。感想はほぼ前回書いた通りのまま、そこに鈴木宗男と野村沙知代が入ってきて、その存在の仕方や成り立ちについての橋本治の見解に、そういう見方があるのだなと感じ入る。それらの回は繰り返し読んで、自分なりに人、事象の見方を鍛えていくことになるのだろう。 続きの『戦争のある世界 ああでもなくこうでもなく 4』へすぐに行かず、同著者の『二十世紀』を読んで、一九世紀 - 二十世紀を振り返り、『ああでもなくこうでもなく』で書かれている「二十世紀に遺ったことをいかに対処していくか」ということをより明確に捉えたい。 他に『男…
小林信彦『コラムは歌う エンタテインメント評判記 1960~63』『コラムは踊る エンタテインメント評判記 1977~81』を読み終え、『コラムは笑う エンタテインメント評判記 1983~88』を読み進める。その時代の、その頃の文化の一側面、足跡を知るにうってつけな本を立て続けに読む日々はそろそろ終わりそう、ここらで一旦打ち止めにして、今度は作品に向かいたい。そう、作品を体験することに飢えているのだ。同著者の『極東セレナーデ』は秋に読み始めようかな。 * とりとめなく、作品を体験するということについて、ここのところ考えていることを、書き出してみる。 小林信彦が書き連ねていった同時代のエンタテイ…
乗代雄介『パパイヤ・ママイヤ』 パパイヤ・ママイヤ 作者:乗代雄介 小学館 Amazon これは、わたしたちの一夏の物語。 ほかの誰にも味わうことのできない、わたしたちの秘密。 この冒頭の2行。これだけでもうまぶしい。夏が起こした奇跡のような出会いを予感させて、胸がきゅっとなる。 SNSで知り合った17歳の女子ふたりが交わす気持ちのやりとりが、みずみずしくて切なくて美しい。映像が浮かぶシーンがたくさんあって、そのすべてに、かけがえのない宝物のようなきらめきを見た思い。彼女たちが互いに親友と呼べる相手を見つけた喜びが、読んでいる私にも、ものすごくうれしかった。そんなさわやかな読後感。 冒頭、彼女…
今日は朝起きてクリームパンをコーヒーといっしょに食べたら胃が気持ち悪くなって二度寝して気がついたら午後だった。こういう日を許容できない生き方は絶対にしたくない。本当は『イニシェリン島の精霊』を観に行こうかなと思っていたけどやめた。やってもいいしやらなくてもいい。すべてに対してそのスタンスを確立。 去る土日に大阪に行った。一泊二日の弾丸だったけど、楽しかった。人生初が十個くらいある二日間だったような気がする。思えば大阪に行ったのだって大学一年の春休み、友達の家に遊びに行きがてら『涼宮ハルヒの消失』を観に行ったとき以来だ。ほぼ十三年ぶり? 金さえかければ、距離は縮められる。これは大人になって良かっ…
読んだ 町田康「宿屋めぐり」 三浦哲哉「「ハッピーアワー」論」 細野晴臣「HOSONO百景」 伊藤整「氾濫」 高山羽根子「首里の馬」 遠野遥「破局」 乗代雄介「最高の任務」 町田康「フォトグラフール」 「ユリイカ 2004年8月号 文学賞A to Z 獲る前に読む」 岸政彦、柴崎友香「大阪」 金井美恵子「タマや」 町田康「へらへらぼっちゃん」 滝口悠生「死んでいない者」 佐久間文子「「文藝」戦後文学史」 中央公論社「谷崎潤一郎全集第一巻」 観た
大学の試験が終わって、あとは卒業判定を待つだけになった。最後の試験を提出したとき、なにか熱いものでもこみ上げてくるかと思ったけれど、実際は普段の試験と何ら変わりはなく「やっと終わった、明日から何しようかな」程度の感慨だった。これが大学の教室で受ける試験だったらもう少し違う感想を抱いたかもしれない。普段から孤独に勉強している通信制大学生が、完全オンライン化した試験を終わらせても、喜びを共有できる仲間なんてほとんどいないのだった。一応両親と祖母に「試験終わったよ~」と報告して、それぞれ「よかったね~」「頑張ったね~」「大いに羽をのばしてね~」という返事をもらった。 最近は公募文学新人賞に求められる…
twitterで書いていたその年のまとめを、2022年はいろいろあって書く気力が湧かず、2023年へ入っていった。でも何らかの形で書いておきたかったので、タイトルやレース名を書いておく。コメントは今更な気がするので、付さないことにした。今年は書けるようにしたい。 ○2022年読書 読了数 : 221冊 ・マンガ : 173冊・小説 : 10冊・エッセイ : 17冊・書籍 : 14冊・競馬 : 5冊・画集 : 2冊 2022年に読んだ印象的だったマンガ。・施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」6巻・鬼頭莫宏「姫さまのヘルメット 鬼頭莫宏短編集1987-2022」・浜田咲良「金曜日はアトリエで」4巻( …
好きな小説家は誰ですか? と、いきなり聞かれることは、ありません。 聞かれるには、順序があります。 「趣味は何ですか?」から始まり(そんな会話はほとんどありませんが)、 「読書です」や「小説を読むことです」と言った場合に(私は決して言いません)、 「どんな本を読むんですか?」 「好きな小説家は誰ですか?」 と聞かれます。 私は、リアルな人間関係では、本の話題を避けています。 本について本音で話すのは、気を遣うから難しいのです。 なので私は、趣味を聞かれて読書とは言いません。 ただ今回は、本音で好きな小説家を挙げてみようと思いました。 好きな小説家=新刊が出たら読む小説家とした場合。 中村文則:…
いわゆる「純文学」というジャンル いわゆる「純文学」という、なんというか独特の、ある一定の形式と雰囲気を持った伝統的な小説のジャンルが現代日本にはあるわけですが、そしてここでの「純文学」というのは広い意味のそれではなくけっこう狭い意味のもので、まあ言ってみれば「制度的に芥川賞の候補になるタイプの小説」のことなわけですが、そのような「純文学」を読むことには、ある種のスポーツ観戦的な、あるいはポップソングを聴くような楽しみがあります。 皆が同じくらいの長さの、なんとなく同じようなフォーマットの枠内で、それぞれ実験性や意外性やテーマ性を競い合うのを見る、という面白さですね。 そしてある面でこのジャン…
小説というものには作者の生まれ育った地域の影響が少なからず出ているように思います。そこで北海道に住んだことのある作家を一覧にしてみました。受賞歴や映像化、漫画家された馴染みのある作品を中心に紹介したいと思います。(50音順) ア行 朝倉 かすみ(あさくら かすみ) 主な受賞歴 おすすめ作品 東 直己(あづま なおみ) 主な受賞歴 映画化作品 おすすめ作品 安部公房 (あべ こうぼう) 主な受賞歴 映画化作品 おすすめ作品 荒巻 義雄(あらまき よしお) 主な受賞歴 漫画化作品 おすすめ作品 有島武郎(ありしま たけお) 映画化作品 おすすめ作品 池澤 夏樹(いけざわ なつき) 主な受賞歴 おす…
散歩の量がだんだん増えてきている。 近所だけではなく、電車に乗って遠くの駅に行き、その街を散歩するのが楽しい。 千葉の真ん中付近(印西市、佐倉市あたり)の面白さに気づいてしまって 今は臼井と佐倉の間にある丘と森と田園と沼があるスポットを度々散歩している。 このあいだの日曜日もエフェクターを売るついでに(臼井にハードオフがあるので) 染井野団地を散歩していた。バンドのMVもここで撮りたいなと考えながら歩いていた。 染井野は坂が多くて、高いところにひらけた公園や空き地があるのが面白い。 家と家の間に急な階段があって、登ると誰もいない草だらけの空き地があって感動してしまった。 いわゆるフロンティアと…
今年はここ10年でもっとも映画を観なかった年として自分史に記録される(映画をただの1本も観なかった月が4つもある!)。が、いつか今年を概観するために2022年のふりかえり記事を書いておこうと思ったので便宜上「年間映画ベスト」のカテゴリをつけてなにか書く。 ▼2021年のふりかえり seimeikatsudou.hatenablog.com ▼2020年のふりかえり seimeikatsudou.hatenablog.com まず映画。ベスト10をつけられるほど本数を観ていないので5作挙げておく。1.深田晃司『LOVE LIFE』(2022・劇場) 2.宮本浩史『映画 HUGっと!プリキュア♡ふ…
年末年始の休暇が明けて、1週間ほどでようやく仕事をする身体に戻ってくる。寝正月を過ごしてしまったけれど、今年は連日夜更かしをしている。読書や勉強をしようとすると、今までのようなぐうたらな過ごし方をするわけにはいかなくなってしまうからで、体調が万全ではないのに、喫茶店に通っている。体調が一向に回復しないので、病院に行って、薬をもらって、服用したら元気になる。ぜんそくの吸入器を使うのは初めてでなぜか子どもに戻ったように感じる。 去年はだいたい週2~3回サウナに通っていて、それはそれでストレス発散にもなるし、気分転換には最適だが、僕の場合はサウナから帰ると寝てしまって、半日潰れてしまうことが多々ある…
1月1日(日) 網走の祖母宅。あまりにも寒く4時頃に目が覚めたが、既に祖母と父は起きており「早くお嫁さんの顔が見たいわね」「そうですな」などと起き抜けから耳の痛い会話を繰り広げていたので、しばし様子見をして7時頃再度起床。雑煮とオードブルを食べ、昼頃に網走を去る。帰り際、祖母が毎日飲まなきゃならぬ薬を全然飲んでいなかったので「毎日飲んでおくれ」と伝える。優しさに擬態した自己満足な言葉だな、と思いつつも伝えないといけないことは伝えなければならない。 昼はコンビニのおにぎり2つ。父と2人で札幌に向けて車で帰る。道すがら父親が単身赴任で住んでいるマンションの部屋を見せてもらった。部屋の様子が「男一人…
7日は職場で七草粥が配られた。ボスがイベント好きで仕事始めの日は毎年恒例のお年玉(2千円)をもらったが、テイクアウトの七草粥は初めての試みだ。ほか弁の味噌汁用ようなプラスティックの容器に入っているお粥を見たとき、げんなりして、まったく食欲が湧かなかった。食べてみるとじんわり優しく胃袋に沁みわたり、七草粥ってこんなにおいしいものだったんだと思った。この七草粥のレベルが高いのか、自分の味覚がやっと七草粥に追いついてきたのかわからないが、最初「俺いらねー」と言っていた同僚がうまいうまいと平らげていたので本当においしかったのだろう。うちのボスは、忙しさの嵐が去って放心状態でボーッとしているときに必ずや…
最初に読書にはまったのはミステリの面白さに気づいた中学生の時だったが、 もう今ではミステリを読んでもそこまで楽しめなくなってしまった。 それは読む作品の問題ではなく、単純に自分の感覚が変わってきたからだと思っている。 本を読むということには視点を読むという一面があると思っていて、 その分が誰の主語なのか、その物語が誰の視点で書かれたものなのかという、 視点への理解がそのまま本を読むという行為につながる。 この視点(またはその視点が行う独白)に共感するのか、嫌悪するのか、全く謎に感じるのか、そういった感情が文を読むという行為を継続させる。 ただ、そういった視点はやはりあくまで虚構であって、 ”か…
芥川賞候補作で三島由紀夫賞受賞作 あらすじ コロナ禍となり、小説家の叔父は学校が休みになった小学6年生の亜美とともに鹿島までの旅に出る。叔父は川沿いを歩き、自然を描写する練習しながら、亜美はサッカーボールでリフティングの練習をしながら歩く。途中女子大生のみどりさんと出会って3人で旅をすることになり…という話 タイトルめっちゃ良い 乗代雄介さんの作品初めて読んだんですけど 評判が良かったので読みやすく軽い感じかと思ったら とても渋くて、素朴 この良さはまだまだ分かりきれてない感じがあるなぁって思いました でも面白かった良かった 1つ目は、自然という日常に溢れたところに徹底的に向き合うことで描かれ…
めちゃくちゃ寒くなった。急激な気温の変化。ずっと頭が痛い。仕事が捗らない。なんかの病気なのかもわからず、あまり前向きになれない。 先週のアトロクの戦隊ロボ特集が意外とおもしろかった。幼少から戦隊に興味がなかった人間にも面白く感じられる特集というのはすごい。 スペイン戦をさすがに見たい気持ちになり、早めに寝ることを決意して23時前に眠る。 なんとか起きてスペイン戦を見る。先制された後で、ペドリやガビがフリーの局面は多々あったが、最後のところで踏ん張って後半へ。久保を下げたのは納得がいかなかったが、ドイツ戦の経験でそうなってしまうのは仕方ないかと思う。結果はここでも逆転勝ち。ボールが持てないほうが…