映画『十一人の侍』(1967年、工藤栄一監督)を観た。 将軍の弟にあたる館林藩藩主松平齊厚(菅貫太郎)の短気から、忍藩の主・阿部正由が殺された。忍藩次席家老・榊原帯刀(南原宏治)は訴状を老中・水野越前守(佐藤慶)に届け出たが、水野は忍藩の非とした。このままでは、藩は取潰しにされると、帯刀は仙石隼人(夏八木勲)に齊厚暗殺を命じる…。 武士社会の無意味さを問う力作。武士の体裁の為に命が失われていく。『忠臣蔵』みたいに我慢に我慢を重ねていく展開だったが、帯刀が腹を切ってからテンションが爆上がりした。雨の中を泥臭い役者たちが泥まみれになる体当たりの芝居に熱くなる。水野を演じた佐藤慶と刺客側の浪人を演じ…