たまたま書店で目にした吉田修一さんの小説『国宝』。 そのタイトルを見ただけで、なんだか背筋が伸びる感じがした。 表紙の雰囲気も、帯に並んだ賞の名前も、 どこか静かな迫力があって「これはただごとじゃない」と思った。 歌舞伎と青春、まさかの組み合わせ? どうやら物語の舞台は昭和の長崎、そして歌舞伎の世界。 主人公は任侠の家に生まれた少年・立花喜久雄。 そこから“芸”に生きる道を選ぶって…なんかもう、 人生の振れ幅すごすぎない? しかも、喜久雄のライバルとして登場するのが、名門出身の大垣俊介。 性格も生まれもまったく違うふたりが、 同じ舞台を目指して切磋琢磨していく―― もうそれだけで心がざわざわし…