帰 る もう何度目だろうか また帰りはじめる 何本も電車を乗り換え 冷たいバスターミナルのベンチで待ち 信号が黄色く点滅する交差点を過ぎ 暗く長い坂を下り、上り 風のさわさわとやまない沢の水音に怯え やがて懐かしい家の前に立つ 玄関に入ると家の中は誰もいなく 明るく、ただ静かで …ああ、ここ、でもないのか… もう何度目だろうか また、帰りはじめる 腐朽船群 (暖淡堂書房) 新品価格¥1,200から(2023/6/3 08:00時点) 【現代詩】「帰 る」 反復するノスタルジー 現代詩の試み 何度も繰り返し「そこ」に帰り続けるイメージです。 またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 danta…