ようやく…いや、遅ればせながら、私は自分の人生を真剣に歩き出した。仕事にも、そして自分で選んだ大学で学ぶということにも、真正面から向き合い始めた。 すると不思議なことに、それまで無関心だった北米課の先輩たちからも少しずつ声をかけてもらえるようになっていった。さらに、あの放任主義だったイグチ部長の計らいで、私は「一般事務員」ながらも北海道・東北・関西と、各地への出張に行くようになった! O水産の北米課は、カナダから水産物を仕入れ、本社がそれを全国の支社に卸し、各支社が市場に流していくという、いわば“流通の要”。私はいつしか、支社の営業を後方から応援する仕事にまで関わるようになっていた。 都内の取…