宇野浩二氏。 1月28日㈫。 宇野浩二の書いた恋愛小説『思い川』を読む。 作家や画家などが下宿していた「本郷菊富士ホテル」(東大赤門そばにあった)。 小説家・宇野浩二は、住居とはべつに原稿書きの仕事場として利用していた。 そのころ交際のはじまった女性が、「三重次」という名の芸者だった。 小説『思い川』は、牧(宇野自身がモデル)と三重次の戦前・戦中・戦後にわたる交流を描いている。 ★ はじまりは関東大震災のあった大正12年(1923)。小説で読むかぎり、積極的に牧へ近づいてきたのは三重次のほうから。 いっときは「本郷菊富士ホテル」(小説では「高台ホテル」)がふたりの逢瀬の場所になる。 牧には妻、…