定年退職

歳を重ねるにつれて、気づくことがたくさんあります。 そのひとつが、「事実」と「現実」の違いです。事実とは、目の前で起こっている出来事。しかし、それ自体には意味がありません。現実とは、その事実に私たちがどんな意味を与えるかによって形づくられるものです。つまり、同じ事実でも、どう捉えるかは人それぞれであり、それによって現実が変わってくるのです。たとえば、会社で同僚が辞め、その仕事を自分が引き継ぐことになったとしましょう。このとき、「仕事が増えて嫌だな」とネガティブに捉える人もいれば、「成長のチャンスだ」とポジティブに受け取る人もいます。この違いが、人生を大きく左右します。事実をいつもネガティブに捉…

■退職まで、あと約10ヶ月となりました。 定年後に再雇用という形でしたが、いよいよ最後の65歳となり、残すところ、あと約10ヶ月となってきました。 4月が終わる頃、もう現職での春はないなーと、ＧＷが終わればもう現職でのＧＷはないなーと思ってきました。 今、5月末へと突入してきました。 こうやって、月日が過ぎ去っていくのでしょうかね。 光陰矢の如しですね。 こんな日々に感謝！！

友人が、地方の私立高校で校長を務めています。 近年、地方の人口減少は目に見えて進んでおり、多くの地域で県立高校が優位に立つ中、私立高校はその“滑り止め”という位置づけになりつつあります。結果として、私立高校への進学希望者は年々減少。厳しい生徒獲得競争にさらされています。 そんな状況でも、教員たちはどこかのんびりしているのです。数年後には自分たちの職場が消えてしまうかもしれないという現実が目の前にあるにもかかわらず——。 「やる気のない先生たちに、どうすればやる気を出してもらえるだろう？」そんな相談を、校長である友人から受けました。 潤沢に生徒が集まっていた時代を経験してきた教員たちは、まさに「…

孤独と不安の日々。「平成の馬男」に出会うまでの話 私は73歳の元教師です✏️ 定年退職後、妻を病気で亡くし、一人暮らしが始まりました。 子どもたちは遠方で家庭を持ち、なかなか会う機会もありません。 朝起きても話す相手がいない。 テレビをつけても、ただ流れる音に空虚を感じていました。 近所付き合いも減り、次第に人と話すことすら億劫に。 生活に目標がなくなり、心にぽっかり穴が空いたような日々。 「このまま年を取っていくだけなのか」 と思うと、寂しさと焦りが募りました。 hk5935.hatenablog.com hk5935.hatenablog.com

昨日、祖父母と両親のお墓がある故郷に行ってきました。 私の自宅がある茨城から故郷の静岡まで車で5時間かかりました。 ゴールデンウィークで高速道路が混んでいたからです。 故郷のお寺で用事を済ませた後、高校の同級生の家に泊まりました。 私の両親が住んでいた実家は、今は誰も住んでおらず、地元の弁護士に頼んで売りに出しています。 同級生は独身で、亡くなった両親から受け継いだ実家に一人で住んでいます。 私たちは1962年生まれで、私は4月に63歳になったばかりです。 高校を卒業してから45年が経ちました。 彼とはSNSでつながっていましたが、なぜつながったのかは覚えていません。 その間に会ったのは2回だ…

「道具屋さん、こないだ譲ってもらった剪定鋏だがね、刃先の合せに隙間ができちまって、うまい具合に切れない場合があるんだがね」 「そいつあ変だなあ。ご隠居さん、なにか硬いもんでも切りゃあしませんでしたか」 「あのねぇ……」 樹木というものは、たいしたもんだ。ちょっと見から人間が想像するよりは、はるかに巨きい。注連縄で祀られたご神木や、樹齢いく百年の巨木を云うのではない。 拙宅ごときの素性貧しき花梨の枝でさえ、幹に連なって立っているときには、樹形を形成するささやかな一部分に過ぎなくとも、伐り離して地上に横たわらせてみると、これほどの量だったのかと、その嵩に驚かされる。 想うところあって、かねてより懸…

たった一段の段差。経年変化によるコンクリートの隙間。つまり割れ目である。 花どきが了るまで、眼こぼししておこうかという気になる。通行人の眼に触れる箇所ではあるが、拙宅がなにかにつけて行届かず見苦しいのは、今に始まったことではない。今さら几帳面ぶってみても、しかたあるまい。 それに今日は吉日だ。空模様も絶好だ。草むしり、つまり殺生の気分ではない。 幸いにしてゴールデンウィークの谷間で、名店ベーカリーの営業日だ。いつものゲンかつぎで、かつパンを買う。付け合せはツナサラダとポテトサラダとした。 今夕、心かようお若い友人たち、ほんの数名による小宴の予定だ。お若いといっても、四十代五十代、あるいは還暦に…