##日本ではバブル前夜、アメリカでは就職氷河期 Aは1950年代に生まれ、1980年代初め大学を卒業しました。日本において1980年代前半は、ちょうどバブル景気の前夜で、景気も比較的安定していました。文部科学省のデータによると、1980年代前半日本で大学を卒業した男性の就職率は80%近く、大学院への進学率は約5%。つまり、大学を出ればほとんどの人がスムーズに就職できた、いわば「恵まれた時代」だったのです。 でも、Aが暮らしていたアメリカでは、状況はまったく違っていた。 当時のアメリカは、オイルショックとベトナム戦争のダメージからまだ立ち直れていなかった。1980年にはインフレ率が13.5%にま…