最初は、自然な流れだった。 親が歳を重ねて、少しずつできないことが増えてきて、気づけば私がサポートするようになっていた。 買い物、洗濯、通院の付き添い、薬の管理、夜中のトイレの介助…… 全部、「家族だから当たり前」と思っていた。 でもある日、ふと鏡を見て、ゾッとした。 そこには、“私”ではない誰かが立っていた。 髪はボサボサ、メイクをする気力もない。 笑っているつもりでも、目がまるで笑っていない。 「私って、こんな顔だったっけ……?」 毎日が「やるべきこと」で埋め尽くされていく。 仕事から帰ったらすぐ介護。 夜もゆっくり眠れず、「ありがとう」なんて言葉ももう聞いていない。 むしろ—— 「早くし…