「私……好き。山田の事……ううん奏の事、好き」 こんな美しい告白の場面を野乃野足軽は見たことなかった。もしもリアルにBGMがあったら今まさにオーケストラが一斉に指揮者の棒の振りに合わせて雄大な音楽を奏でてることだろう。 朝倉静香はその大きくした瞳をまっすぐに向けて、そして震える手を隠すように後ろ手にやってる。まあ扉を押さえるって役目もあるわけだが……短めのサイドテールで左右が非対称になってる髪型には適度に髪留めとかアクセントがついてる。それに彼女は瞳の下にシールなのか3つの星をつけてた。 本来ならあんなのを学校でつけてたら教師に説教をくらうものだろう。でも朝倉静香は普通にしてた。教師が諦めたの…