冬の鎌倉の海は、とてつもなく美しい。 キリッと冷えた大気は、視界から余計な水分を奪い去り、世界を高精細な映像に変える。 遠くに見える富士山の稜線も、江ノ島の輪郭も、驚くほど鮮明だ。 気温11度。 冷たい風に吹かれながらウェットスーツに着替える瞬間だけは、正直、修行僧のような気分になる。 だが、一度海に入ってしまえば、そこは静寂の別世界だ。 夏のような喧騒はない。聞こえるのは、規則的な波の音と、自分の呼吸音だけ。 この「青くて、冷たくて、静かな時間」に浸りたくて、僕はまた週末、海に向かう。 重たいスーツと、軽やかな心 冬の装備は重い。 5ミリのラバーに全身を包み、ブーツとグローブで手足を固める。…